はじめに
概要
本記事は、縦に長いホームページを用紙1枚に収めて印刷する方法をやさしく解説します。ブラウザの印刷設定やPDFへの保存、用紙節約の工夫、さらにウェブサイト側での印刷対応まで、実践的な手順を幅広く紹介します。
目的
長いページをそのまま印刷すると複数枚になりがちです。会議資料や持ち運び用に1枚にまとめたいとき、本記事の方法で印刷量と紙の無駄を減らせます。
想定読者
- 家庭や職場でウェブページを印刷する方
- 必要な情報だけを1枚にまとめたい方
- ウェブ制作者で印刷最適化を知りたい方
本記事の流れ
第2章で基本操作、第3章で1枚に収める重要な設定を説明します。第4〜6章で見た目と可読性の調整法、第7〜9章で高度な方法やウェブ側の対応を扱います。
読み方のアドバイス
まず印刷プレビューで試し、PDF保存で調整を繰り返すと失敗が減ります。順を追って設定を確認していきましょう。
基本的な印刷手順
準備
印刷したいウェブページをブラウザで表示します。事前にプリンターがネットワーク接続またはUSB接続で動作していること、用紙がセットされていることを確認してください。印刷前にプレビューで見た目を確認すると失敗を防げます。
スマートフォンでの手順(例:Google Chrome)
- Chromeでページを開きます。
- 画面右上の「︙(三点)」をタップし、「共有」→「印刷」を選びます。機種によっては直接「印刷」が出ます。
- 利用するプリンターを選択します。表示されない場合は「PDFに保存」などで代用できます。
- プレビューでページが1枚に収まるか確認し、必要に応じて向きや両面印刷、カラー設定を変更してから「印刷」をタップします。
パソコンでの手順(Windows/Mac共通)
- ブラウザでページを開き、Ctrl+P(Windows)または⌘+P(Mac)を押します。
- プリンターを選び、印刷範囲(全ページ/現在のページ/ページ指定)を設定します。
- 用紙サイズ、向き(縦/横)、余白、拡大縮小(スケール)など必要な項目を調整します。
- プレビューで確認してから「印刷」をクリックします。
よく使う設定項目のヒント
- 余白を狭くするとより多くの情報が1枚に入ります。プリンターによっては余白の最小値があります。
- 「ヘッダーとフッター」を外すとページ上部のアドレスや日時が消えます。
- 背景の画像や色を印刷したくない場合は「背景のグラフィック」をオフにします。
- 試しに「PDFに保存」して見た目を確認すると、無駄な用紙消費を避けられます。
テスト印刷と注意点
最初は1ページだけ出力して見た目を確かめてください。プリンターの接続や用紙サイズ、向きの不一致で余白が大きくなることがあります。問題があれば設定を微調整してから本印刷してください。
1枚に収める重要な設定項目
ホームページ全体を1枚に印刷する際、最も効く設定は「1枚あたりのページ数」と「倍率(スケール)」です。これらを組み合わせると、縦に長いページを用紙サイズに収めやすくなります。
主な設定項目と効果
- 1枚あたりのページ数:用紙1枚に表示するページ数を増やすと縦方向に圧縮されます(例:2×2で4ページ分を1枚に)。
- 倍率(カスタム):%で指定します。30〜80%あたりを試すと収まりやすくなります。
- 余白:『なし』『最小』にすると余白が減り、より多く収まります。
- 用紙サイズ・向き:A4やレター、横向きにすると幅を使えます。
- 背景の印刷:デザインを残したい時は有効にしますが、インク量が増えます。
実際の手順(例:Chrome/Edgeの場合)
- メニューから「印刷」を選ぶ。
- 詳細設定で「1ページあたりのページ数」を変更する(必要なら2×2など)。
- 倍率を「カスタム」にして数値を入力(例:30〜70)。
- 余白を『最小』または『なし』に設定し、用紙と向きを確認する。
- プレビューで確認し、まず「PDFに保存」して試し印刷すると安心です。
ワンポイント
文字が読みづらくなる場合は倍率を上げるか、向きを横にして幅を活かしてください。保存して確認しながら微調整すると失敗が少なくなります。
デザインを保持したまま印刷する方法
ブラウザで背景をそのまま印刷する手順
- 印刷画面を開く(WindowsはCtrl+P、Macは⌘+P)。
- 「詳細設定/More settings」を開く。
- 「背景のグラフィックを印刷」「背景画像を印刷」などの項目にチェックを入れる。
- プレビューでデザインが再現されているか確認して印刷します。
対応例:
– Chrome/Edge: 印刷画面→More settings→Background graphicsにチェック。
– Firefox: 印刷設定→ページ設定→背景(背景色と画像を印刷)にチェック。
PDFで一度保存して確認する方法
- 印刷画面で「送信先」をPDFに(例:PDFに保存)変更。
- 保存してからPDFを開き、見え方を確認。
- 納得できたらPDFを印刷します。
注意点とコツ
- 背景画像は多数印刷するとインクを消耗します。必要なページだけに限定すると節約になります。
- レイアウトが崩れる場合、ページ縮尺や余白設定を調整してください。
- どうしても再現できないときはスクリーンショットを高解像度で保存してPDF化する手もあります。
紙を節約するテクニック
印刷で紙を節約するには、設定と準備を組み合わせると効果が大きくなります。ここでは実用的な方法を丁寧に説明します。
1) 両面印刷を活用する
プリンターの「両面印刷(自動両面/手差し両面)」を選びます。Windowsでは印刷ダイアログの「プロパティ」や「詳細設定」、macOSではプリントダイアログの「レイアウト」から設定できます。長い文書はまず両面で試してみてください。紙量が半分になります。
2) 複数ページを1枚に集約する(N-up)
印刷設定で「2ページ/枚」「4ページ/枚」などを選びます。例:2ページ/枚は見開きや短い資料に向きます。文字は小さくなるので、読みやすさを確認してから採用してください。
3) 余白と不要要素の調整
ブラウザや文書内の余白を縮め、ヘッダー・フッターや広告画像を除外します。印刷プレビューで余白が広すぎないか確認しましょう。
4) PDFで一度調整する
いったんPDFにしてからページの並び替えや縮小印刷を行うと失敗が減ります。複数ファイルを結合して一度に印刷すると効率的です。
5) その他の節約術
・ドラフト/草稿モードでトナーと時間を節約します。 ・白黒印刷でカラーインクを節約します。 ・重要な部分は別紙で残し、全文は縮小印刷するなど分けて使うと実用的です。
注意点:節約しすぎると読みづらくなるため、目的や読み手を考えてバランスを取ってください。
文字サイズが小さすぎる場合の対処法
問題の説明
1枚に収めるために縮小したら文字が読みにくくなることがあります。印刷前にできる簡単な対処を知っておくと便利です。
方法1:ブラウザや表示倍率を上げてから印刷する
ブラウザの表示倍率(例:Ctrl+「+」やメニューのズーム)で拡大します。印刷プレビューで1ページに収まるかを確認してから印刷してください。表示倍率を上げるとレイアウトの崩れが起きる場合があるので、プレビューで必ずチェックします。
方法2:PDFで保存してから拡大印刷する
一度PDFに保存し、PDFビューアで拡大して印刷します。印刷時に「拡大/縮小」や「倍率」を指定できる機種なら、110〜150%程度に設定すると読みやすくなります。具体例:A4に収めたPDFを130%で印刷すると文字が太く見やすくなります。
方法3:A3で印刷して縮小コピーする
プリンターまたはコピー機でA3出力し、A4に縮小コピーします。元のレイアウトを保ったまま文字が大きくなり、読みやすさが向上します。コピー代や機器の有無は事前に確認してください。
その他の工夫
- 元の文書で本文フォントを少し大きくする(例:10→11pt)。
- 行間を少し広げれば読みやすくなります。
注意点
印刷プレビューで必ず最終確認してください。画像や表のレイアウトが崩れることがありますので、重要な部分は事前に確認して調整します。
高度な印刷方法
概要
複雑な分割印刷は専用機能や別ツールを使うと楽になります。ここではAdobe Acrobat、Microsoft Excel、オンラインツール(Print1)を使った実例と注意点を説明します。
Adobe Acrobatでの分割印刷
- PDFを開き、ファイル>プリントを選択します。
- 「ポスター(Poster)」を選び、倍率(Tile Scale)で拡大/縮小します。
- “Overlap”(重なり)を少し設定すると切断や貼り合わせが楽になります。
- カットマークやページ番号を表示すると組み立てに便利です。
Excelを使う方法
長い表や縦長画像は、ページ設定で印刷範囲と改ページを調整します。ページレイアウトの「改ページプレビュー」で分割位置を確認し、必要ならPDF出力してからAcrobatでタイル印刷します。
Print1などのオンラインツール
画像やウェブページをアップロードし、縦横の分割数・余白・重なりを指定してPDFを生成します。ソフト不要で手軽に分割でき、ダウンロードして普通のプリンターで印刷できます。
実用のコツ
・まず試し印刷で切れやズレを確認してください。
・用紙の余白やプリンターの非印字領域を考慮します。
・貼り合わせを見越して重なりやカットマークを使うと仕上がりがきれいになります。
ウェブサイト側での印刷対応
前提
ユーザー任せにせず、サイト側で印刷を想定しておくと使いやすくなります。一般的にはA4縦を基準にデザインします。
用紙サイズと向きの指定
CSSの@pageで用紙サイズと余白を指定します。例:
@page { size: A4 portrait; margin: 12mm; }
ブラウザによって余白の扱いが異なるため、重要な要素は余白内に収めます。
印刷用スタイルの基本
画面と印刷で別のスタイルを当てるには@media printを使います。例えばヘッダーやナビを非表示にし、文章幅を広げる設定です。
@media print {
header, nav, .sidebar { display: none !important; }
body { font-size: 12pt; line-height: 1.4; }
}
画像や色の扱い
背景画像や背景色は印刷で除かれることが多いです。重要な色は前景要素で再現するか、印刷専用の色指定を用意します。画像は容量を抑えつつ解像度を十分に保ちます。
改ページの制御
長い記事は改ページを制御します。古いプロパティと新しいプロパティの両方を使うと互換性が高まります。
h2 { break-inside: avoid; page-break-before: always; }
img { break-inside: avoid; page-break-inside: avoid; }
印刷専用CSSを用意する方法
既存のCSSを変えられない場合は、別ファイルを用意してheadに読み込ませます。
<link rel="stylesheet" href="print.css" media="print">
JSで印刷用ページを開く小さなテンプレートを用意する方法も有効です。
テストと互換性
プリントプレビューと複数ブラウザで必ず確認してください。ユーザーによってはブラウザのヘッダー/フッターが入るため、重要な情報はページ内に入れておきます。
複数ページの全体印刷時の活用
はじめに
ホームページの全ページを印刷する場合、紙と時間の無駄を減らす工夫が重要です。ここでは1枚あたりのページ数を増やす方法と両面印刷を組み合わせる実践的な手順を紹介します。
1枚あたりのページ数を増やす(N-up)
- 設定: 印刷ダイアログで「ページを複数ページ/レイアウト」を選び、2-upや4-upにします。
- 具体例: A4に4ページ(2列×2行)を割り付ければ、用紙使用量は4分の1になります。
- 注意点: 字が小さくなるため、本文の可読性を事前に確認してください。
両面印刷を活用する
- 自動両面印刷(プリンターの設定)を使えば、さらに用紙を半分にできます。
- 手差しで両面にする場合は、印刷順序と裏表の向きに注意してテスト印刷を行ってください。
ページ順とレイアウトの確認
- ブックレット印刷や縮小配置ではページ順が変わることがあります。印刷プレビューで順序を確認してください。
- 目次やページ番号を含めると後で探すときに便利です。
大量印刷の実務テクニック
- 範囲指定で分割印刷: 100ページを一度に印刷せず、10〜20ページずつに分けると失敗時のロスが減ります。
- バッチ化: 同じ設定で複数回出力する場合はプリセットを保存して効率化します。
品質と節約のバランス
- 草稿モードやモノクロ印刷に切り替えればインクを節約できます。
- 重要資料は高品質設定で印刷し、ラフな部分だけ節約モードにする運用が有効です。
注意点
- 小さすぎる文字や細かな図は読みにくくなります。必要に応じて該当ページだけ拡大して印刷してください。
- 法的・保存が必要な資料は原本の品質を優先してください。












