はじめに
本書の目的
この章では、ホームページ作成をこれから始める方に向けて、本記事全体の目的と読み方をやさしく説明します。専門用語をできるだけ避け、具体例(お店の紹介ページ、個人ブログ、ポートフォリオなど)を交えて進めます。初めてでも最後まで自分で作れるように導きます。
対象読者
- 初心者で何から手を付ければよいか迷っている方
- 自分で簡単なサイトを作ってみたい方
- 外注するか自作するかで悩んでいる方
具体例を想定しながら、必要な準備や選び方、手順をわかりやすく説明します。
本記事の構成と特徴
- 全8章で、全体像から細かい手順、外注との組み合わせまで網羅します。
- WordPressを使った7ステップや、自分でコーディングする方法も扱います。
- 専門用語は最小限にとどめ、図や実例で補足します(図は本文中で説明します)。
読み進め方のポイント
まずは第2章で全体像をつかんでください。その後、目的に応じてWordPressの章やコーディングの章に進むと効率的です。分からない用語が出たら、本記事内の具体例に戻ると理解しやすくなります。
ホームページ作成の全体像
はじめに
ホームページ作成には主に4つの方法があります。目的や予算、スキルに応じて選べます。ここではそれぞれの特徴と選び方の流れをわかりやすく説明します。
主な4つの方法
1) WordPressを使う
– 特徴:自由度が高く拡張しやすい。ブログや店舗サイトによく使われます。
– 向く人:将来的に機能追加したい人や、ある程度学ぶ意欲のある人。
2) ホームページ作成ツールを使う
– 特徴:テンプレートを選んで直感的に作れます。制作スピードが速いです。
– 向く人:短時間で見栄えの良いサイトを作りたい初心者。
3) 制作会社に依頼する
– 特徴:デザインや機能をプロに任せられます。仕上がりが安定します。
– 向く人:時間がない、品質重視、複雑な要件がある場合。
4) HTML/CSSなどを学んで自作する
– 特徴:細かいカスタマイズが可能です。学習コストは高めです。
– 向く人:技術を身につけたい、自由に作りたい人。
選び方の流れ(簡単ガイド)
- 目的を明確にする(情報発信・集客・販売など)
- 予算と運用時間を決める
- 将来の拡張性を考える(更新の頻度や機能追加)
- 試作してから最終判断する(無料ツールやトライアルを活用)
小さなアドバイス
まずは目的に合う方法を一つ選んで、必要に応じて後で切り替える柔軟さを持つと安心です。過剰に完璧を目指さず、まず公開してから改善していきましょう。
ホームページ作成に必要な基本要素
サーバー(ホームページの置き場所)
ホームページを公開するには、まずサーバーが必要です。サーバーはインターネット上の“置き場所”で、ファイルや画像を保存します。個人向けにはレンタルサーバーが手軽です。必要に応じてVPSやクラウドを選べます。容量や転送量、バックアップの有無を確認してください。
ドメイン(インターネット上の住所)
ドメインは訪問者がアクセスするための名前です。独自ドメイン(例:yourname.com)を取得して設定します。取得後はドメイン管理画面でネームサーバーをサーバー側へ向ける作業が必要です。短く覚えやすい名前を選ぶと良いです。
SSL(通信の安全)
SSLはサイトと訪問者の間でデータを暗号化します。今は必須に近く、多くのレンタルサーバーが無料のSSLを提供します。取得と設定を済ませると、ブラウザで鍵マークが表示されます。
コンテンツ管理とファイル構成
文章や画像、ページの構成を整理しておきます。CMS(例:WordPress)を使うと管理が楽になりますが、静的なHTMLでも問題ありません。フォルダやファイル名は分かりやすくして運用を楽にしましょう。
実際の流れ(簡単な例)
- ドメインを取得する
- レンタルサーバーを契約する
- ネームサーバーを設定してドメインをサーバーに向ける
- サイトのファイルをアップロードまたはCMSをインストールする
- SSLを設定して公開する
これらが揃えば、基本的なホームページ公開の準備は完了です。
WordPressを使用した7ステップ手順
1. 目的を明確にする
まず何のためのサイトかをはっきりさせます。集客、情報発信、販売など目的で必要な機能が変わります。例:問い合わせフォームが必要か、予約機能が必要かを先に決めます。
2. ドメイン名を決めて取得
ドメインはサイトの住所です。短く覚えやすいものを選びます。検索サービスで空き状況を確認し、取得します。用途に応じて.jpや.comなどを選びます。
3. レンタルサーバーを契約
共有サーバーやクラウドなどがあります。初心者は管理画面が使いやすくWordPress簡単インストールがあるサービスを選ぶと安心です。容量や転送量も確認します。
4. SSL設定
httpsにすることで通信が暗号化され、信頼性が上がります。多くのサーバーは無料のSSL(Let’s Encrypt)に対応しています。管理画面で有効化してください。
5. WordPressをインストール
サーバーの簡単インストール機能を使うか、手動でインストールします。インストール後はログインして一般設定(サイトタイトル、パーマリンク)を整えます。
6. テンプレートでデザイン整備
テーマ(テンプレート)を選んで見た目を整えます。公式や有料のテーマから用途に合うものを選び、ヘッダーやメニュー、色を調整します。モバイル表示も必ず確認します。
7. 画像やテキストでコンテンツ作成し公開
必要なページ(会社案内、サービス、問い合わせなど)を作り、記事を投稿します。画像は軽く最適化し、見出しを使って読みやすくします。必要ならSEO用のプラグインやバックアッププラグインを導入します。
より詳細なWebサイト制作の5ステップフロー
STEP1: プロジェクト企画(目的・ターゲット設定、市場調査)
目的を明確にします。売上向上、問い合わせ増加、ブランディングなど具体的な成果を定めます。ターゲット像(年齢・職業・悩み)をペルソナとして固め、競合サイトを3〜5件調べて強みと弱みを洗い出します。成果物例:プロジェクトブリーフ、ペルソナ、競合分析レポート。
STEP2: Webサイト設計(UXデザイン、サイト構造設計、ワイヤーフレーム作成)
訪問者の行動を想定して導線を設計します。トップ→カテゴリ→詳細の流れやCTA(問い合わせボタン)の配置を決めます。ワイヤーフレームで各ページの要素配置を作成し、関係者と合意します。成果物例:サイトマップ、ワイヤーフレーム。
STEP3: デザイン制作(デザインコンセプト、レスポンシブ対応)
ブランドカラーや書体でデザインコンセプトを決めます。PC・スマホ両方で見やすくするためレスポンシブ設計を行います。サンプルとしてトップページと下層ページを数案作り、最終案を選びます。成果物例:デザインモック、スタイルガイド。
STEP4: 実装・システム開発・コーディング(HTML、CSS、JavaScript)
デザインを元にコーディングします。静的ページはHTML/CSSで組み、動的機能はJavaScriptやCMSで実装します。SEOや表示速度を意識して最適化します。成果物例:公開用ファイル、管理画面設定。
STEP5: リリース(公開)
テスト項目(動作確認、リンク切れ、フォーム送信、表示崩れ)をチェックして公開します。公開後はアクセス解析やエラー監視を設定し、改善点を定期的に見直します。成果物例:公開サイト、運用マニュアル、解析レポート設定。
自分でコーディングして作成する方法
なぜ自分でコーディングするのか
完全に自由なデザインや動き、軽い表示速度を求めるなら自作が有利です。テンプレートではできない細かい調整を反映できます。
必要な基本スキルとツール
- HTML:ページの骨組みを作る言語。見出しや段落、リンクを定義します。
- CSS:見た目を整えるスタイル。色や余白、レイアウトを設定します。
- JavaScript:ユーザー操作に応じた動きを作ります(例:メニュー開閉)。
- テキストエディタ(例:VS Code)、ブラウザの開発者ツール、Git(バージョン管理)
作る手順(簡潔な流れ)
- 設計:目的、ページ構成、必要な機能を紙や図で整理します。
- HTMLで骨組み作成:header、nav、main、footerなど意味あるタグを使います。
- CSSで見た目整備:レイアウト(FlexboxやGrid)とレスポンシブ対応を実装します。
- JavaScriptで動作追加:フォームの検証やモバイルメニューなどを実装します。
- テスト:異なる画面サイズやブラウザで確認し、表示や動作をチェックします。
- 公開:レンタルサーバーやVPSにFTPやGitでアップロードします。
実践的な注意点
- 最初はシンプルに始め、段階的に機能を増やしてください。
- 再利用しやすい名前付けやコメントを心掛けると保守が楽になります。
- セキュリティ(入力チェック)とアクセシビリティ(読みやすさ)を忘れないでください。
補助的な選択肢
- フレームワーク(例:Bootstrap)でレイアウトを楽に作れます。
- 静的サイトジェネレーター(例:Hugo)で高速なサイト構築が可能です。
事前準備のポイント
概要
ホームページ制作をスムーズに進めるには、準備段階での整理が重要です。ここでは、サイトマップ作成、ページ構成・レイアウト決定、コンテンツ準備(画像・文章・著作権確認)など、実務で役立つポイントを分かりやすく説明します。
サイトマップの作成
まずページの全体像を紙やツールで図にします。トップページ、サービス紹介、会社概要、問い合わせなど主要ページを並べ、階層関係を明確にしてください。関係者と共有して抜けや重複を防ぎます。
ページ構成とレイアウトの決定
各ページの目的(集客・説明・問い合わせ)を決め、それに合わせて要素を配置します。見出し、リード文、画像、行動を促すボタン(CTA)の場所を考えます。スマホ表示を想定して縦長の見せ方も検討してください。
コンテンツの準備(画像・テキスト・著作権)
必要な写真や図は解像度とファイル形式(JPEG/PNG)を揃えます。文章は読みやすい短めの段落で用意します。外部の素材を使う場合はライセンスを確認し、必要なら使用許可を得て記録を残してください。著作権と肖像権の確認は必須です。
素材の管理と命名ルール
画像や原稿はフォルダで整理し、分かりやすいファイル名を付けます(例:service_about_hero.jpg)。バージョン管理やバックアップも忘れずに行ってください。
基本設定と簡単なSEO対策
各ページのタイトルとメタ説明を事前に決めます。見出し(H1など)を一貫させ、画像には代替テキスト(alt)を付けます。これだけで検索エンジンや閲覧者に優しいページになります。
テスト計画と納期管理
完成前に動作・表示チェックの計画を立て、担当者とテスト項目(リンク、フォーム、表示崩れ)を共有します。制作スケジュールと納期を明確にして、余裕を持った作業を心がけてください。
外部依頼と自作のハイブリッド方法
概要
すべてを自分で行うのが難しい場合は、立ち上げ部分を外部に任せ、その後の更新や追加は自分で行う方法が有効です。初めに専門家に基盤を作ってもらうと、時間とコストを節約できます。
どこを外注するか
- デザインの骨格(トップページや共通パーツ)
- CMSやサーバーの初期設定
- 基本的なコーディング(レスポンシブ対応、フォーム)
自分で行う作業
- テキストや画像の差し替え
- ブログやお知らせの投稿
- 小さなレイアウト調整(テンプレート利用)
進め方(5ステップ)
- 要件を整理:目的、必要ページ、予算を明確にします。
- 業者選定:過去事例や料金体系、対応速度を確認します。
- 基盤構築:デザイン・CMS設定・基本投稿テンプレートを作成します。
- 引き継ぎと教育:編集マニュアルや動画で操作方法を教えてもらいます。
- 運用と保守:更新頻度に応じた保守契約やバックアップ体制を整えます。
コストと注意点
- 初期費用はかかりますが、長期で見ると運用コストが下がります。ここで過度に機能を詰め込みすぎると更新が難しくなりますので注意してください。
- 連絡はメールと短い記録(チャットやタスク管理)で残すとトラブルが減ります。
小さな節約アイデア
テンプレートや既存プラグインを活用し、独自開発を減らすと費用を抑えられます。外注時に編集権限やファイル構成の説明を必ず受けてください。












