はじめに
目的
本資料は「サイトマップ テンプレート excel」に関する調査結果をまとめたものです。Excelでのサイトマップ作成方法、無料テンプレートの活用、Google Analytics連携、Excelの利点と制限、他ツールとの比較、XMLサイトマップ自動生成まで幅広く解説します。
対象読者
・ウェブサイトの設計やリニューアルを考えている方
・Excelで効率よくサイト構成を整理したい方
・専門ツールを使わずに手早く作業したい方
Excelの基本操作がわかれば読み進められます。
本資料の使い方
各章は実務で使える手順と注意点を中心に書きました。第3章以降は実際のテンプレートや操作例を示しますので、手を動かしながら学ぶと理解が速まります。
前提と準備
本資料ではWindows/Mac両方のExcelを想定しています。特定のバージョン依存機能は必要に応じて補足します。
サイトマップとは何か
定義
サイトマップは、Webサイト内のページ構成を一覧や図で表したものです。訪問者が目的のページを見つけやすくなり、検索エンジンがサイト構造を把握しやすくなります。
ユーザーと検索エンジンへの利点
- ユーザー：全体の構成が分かり、目的の情報へたどり着きやすくなります。例：カテゴリ→商品→詳細ページの流れが明確になります。
- 検索エンジン：クローラーが重要なページを見つけやすくなり、インデックス化の助けになります。
主な種類
- HTMLサイトマップ：訪問者向けの一覧ページ。使いやすい言葉でリンクを整理します。
- XMLサイトマップ：検索エンジン向け。URLや更新頻度、優先度を伝えます。
- ビジュアルサイトマップ：図やツリーで構造を可視化します。企画段階で役立ちます。
基本要素と作り方のポイント
- ページの階層（トップ→カテゴリ→詳細）を明確にする。
- 重要なページを優先表示する。
- 表示名は分かりやすく短い言葉にする。
- 定期的に更新する。
簡潔にまとめると、サイト全体の見取り図として、設計・運用・SEOの基盤になります。次章ではExcelでの実務的な作り方を解説します。
Excelでサイトマップを作成する方法
SmartArtを使って簡単に作る手順
- 「挿入」タブを開き「SmartArt」を選びます。
- カテゴリから「階層構造」を選択し、用途に合うテンプレートをクリックします。
- 図のテキストペインにページ名やURLを入力します。Enterで新しいボックスを作れます。
- ボックスを右クリックし「図形の追加」で兄弟・子要素を追加します。デザインタブで色や配置を変更できます。
- 完成後は図を選んでコピーし、別シートに貼るかPDFで保存します。
SmartArtが使えない場合（罫線・セル結合で作る方法）
- シートを見出しごとに分け、列を階層レベルに割り当てます（例：A列=トップ、B列=子ページ）。
- セル結合で見出しを作り、罫線で枠を描きます。テキストは折り返し（Alt+Enter）で整えます。
- 矢印は「挿入＞図形」で追加します。URLを入れる場合はCtrl+Kでハイパーリンクにしてください。
大規模サイト向けの工夫
- シートをセクションごとに分け、索引シートにページ番号やリンクをまとめます。
- 列に「URL」「タイトル」「階層」「優先度」「更新日」を作ると管理が楽になります。
- 一覧はフィルターや並べ替えを使い、必要な部分だけ表示します。
共有と出力のポイント
- 印刷範囲を設定してPDF出力すると配布しやすくなります。
- 他ツール連携用にCSVで書き出すと取り込みが簡単です。
- 見やすさのために色分けとフォントサイズの統一を心がけてください。
無料テンプレートの活用
テンプレートの種類
多くの無料テンプレートは主に2種類です。1) 階層構造把握用：サイトの親子関係やナビゲーションを視覚化します。2) ページ一覧用：ページタイトル、URL、メタ情報を列挙して整理します。目的に合わせて選ぶと作業が早くなります。
入手先の例
公式のCMSサイトやテンプレート配布サイト、ビジネス系ブログで配布されています。検索時は「サイトマップ テンプレート Excel 無料」で探すと見つかりやすいです。
選び方のポイント
- カラムや階層の数が自分のサイト構造に合うか確認します。
- 編集しやすい（セル結合や固定列が少ない）ものを選びます。
- フォーマットがExcelのバージョンに対応しているか確認します。
使い方（簡単な手順）
- テンプレートをダウンロードして保存します。2. 実際のページ情報を少しずつ書き込みます。3. 色やフォントは最小限にして可読性を保ちます。4. 完成後はPDFや画像で共有すると相手に見せやすいです。
カスタマイズのコツ
フィルターや条件付き書式を使うと優先度や担当者が一目でわかります。親子関係はインデントやレベル列で管理すると扱いやすいです。
注意点
テンプレートは便利ですが、最初から完璧を求めず段階的に校正してください。複雑なサイトではテンプレートだけで管理しきれない場合があります。
Google Analyticsとの連携
はじめに
Google Analytics（GA）のデータを使うと、実際に訪問されているページを把握できます。探索レポートからURLとページタイトルを取り出し、スプレッドシートに入れると効率よくサイトマップを作れます。
準備
- GAに管理者または編集権限でログインします。2. 対象プロパティで探索（Explorations）を開きます。3. 期間やフィルタを適切に設定します。
探索レポートでURLとタイトルを抽出する手順
- 新しい自由形式の探索を作成します。2. 指標に「ページビュー」など、ディメンションに「ページパス（pagePath）」と「ページタイトル」を追加します。3. 上位の行を表示して、必要なURLとタイトルだけを表示します。4. 表示を整えたら、エクスポートボタンでCSVやGoogleスプレッドシート形式で出力します。
スプレッドシートへの取り込みと自動入力
エクスポートしたデータをスプレッドシートに貼り付けます。URLを分割して親子関係の列を作ると階層が見えます。テンプレートの列（優先度、更新頻度、備考など）に関数や条件付き書式で自動入力すると作業が早くなります。
階層把握のコツ
URLのスラッシュで深さを数える、または共通のパスごとにグループ化すると分かりやすくなります。ページビュー数で重要度を判断し、サイトマップ上の優先順位につなげます。
注意点
・データはトラッキングが有効なページのみです。・重複URLやクエリパラメータに注意してください。・サンプリングや権限の制約で全データが取れない場合があります。
Web用Excelの制限事項
SmartArtと図形の制限
Web版のExcel（Excel Online）では、デスクトップ版にあるSmartArtや豊富な図形機能が利用できません。サイトマップを図として直感的に作る場合は、デスクトップ版が必要です。例：階層図や関係図を一括で作るときはSmartArtが便利です。
罫線とセル結合でできること
代わりに罫線やセル結合、背景色でディレクトリマップを作成できます。具体例として、列幅を調整して子ページを右に寄せ、セルを結合して見出しを作る方法があります。Googleスプレッドシートでも同様に作成可能です。
その他の機能制限
マクロ（VBA）は動作しません。高度なアドインや一部のエクスポート機能も制限されます。大きなファイルや複雑なレイアウトは表示や編集が重くなることがあります。
実務上の注意点
共同編集や即時保存はWeb版の利点です。シンプルなサイトマップや一覧作成ならWeb版で十分です。図形を多用する場合や自動生成を組み込みたい場合はデスクトップ版を使うと作業がスムーズです。
Excelのメリット
1. 追加コストが不要
多くのビジネスパーソンは既にExcelを使っています。新たにソフトを購入する必要がなく、すぐにサイトマップ作成を始められます。たとえば会社のPCに入っているExcelで、そのまま作業を共有できます。
2. SmartArtで見た目が整う
ExcelのSmartArt機能を使えば、階層図やフローチャートを簡単に作成できます。色や形を変えるだけでプロっぽい見栄えになります。手間をかけずにプレゼン用の図も作れます。
3. 編集と管理がしやすい
セル単位で情報を管理できるため、URLやページタイトル、優先度などを一覧化できます。フィルターや並べ替えを使えば、特定のページだけ抽出して作業できます。印刷やPDF化も簡単です。
4. 複数の作り方に対応
表形式、図形、テンプレートのどれでも作成可能です。プロジェクトの規模や目的に応じて柔軟に選べます。
5. 共同作業が容易
ファイル共有やバージョン管理がしやすく、チームでの修正や確認がスムーズです。オンライン版を使えば同時編集もできます。
その他の作成ツールとの比較
サイトマップ作成に使える代表的なツールを、使い方の特徴と具体例で比べます。Excelとの違いが分かりやすいように整理しました。
PowerPoint（SmartArt）
- 特徴: 図解が得意で視覚的に分かりやすいです。階層図やフローチャートを簡単に作れます。
- 具体例: ページ構成を箱と矢印で示したいときに便利です。
- 長所: プレゼン用にそのまま使える見栄え。短所: 大量のページを扱うと編集がやや面倒です。
Canva
- 特徴: デザインテンプレートが豊富で直感的に操作できます。
- 具体例: カラフルなサイトマップを短時間で作り、クライアントに見せたいときに便利です。
- 長所: 見た目が良く非デザイナーでも扱いやすい。短所: 高度なカスタマイズは有料になることが多いです。
Xmind
- 特徴: マインドマップ形式でアイデアを広げやすいツールです。
- 具体例: サイト構造をブレインストーミングしてから整理する流れに向きます。
- 長所: 思考整理に強い。短所: デザイン調整は限定的です。
Googleスプレッドシート
- 特徴: 組織図やスクリプトで自動生成が可能で共同編集に優れます。
- 具体例: 複数人でURLリストを編集し、組織図機能でサイトマップを作る場合に便利です。
- 長所: 共有と履歴管理が簡単。短所: 見た目の自由度は低めです。
選び方のポイント
- 見た目重視ならCanvaやPowerPoint、思考整理ならXmind、共同編集や自動化ならGoogleスプレッドシートを検討してください。Excelは表計算とカスタム整理に強く、用途に応じて使い分けると効率が上がります。
XMLサイトマップの自動生成
概要
ユーザー向けの構成図とは別に、検索エンジン向けのXMLサイトマップが重要です。自動生成ツールを使うと、サイトのURLを入力またはサイトを指定するだけで、検索エンジンが読みやすいXML形式の下書きを作成できます。時間を節約し、更新漏れを減らせます。
自動生成の仕組み
多くのツールはサイトを巡回してURLを収集し、各ページに対して更新日時（lastmod）、優先度（priority）、更新頻度（changefreq）などの情報を付けてXMLを出力します。たとえばトップページは高い優先度、ブログ記事は更新日時で管理するといった使い分けができます。
編集と更新
生成後は手動で不要なページを除外したり、優先度を調整できます。CMSのプラグインを使えばページ追加時に自動で再生成できますし、定期スケジュールで更新する設定も可能です。
検索エンジンへの提出と管理
作成したXMLはGoogle Search ConsoleやBing Webmasterに送信してください。robots.txtにサイトマップの場所を記載しておくと検索エンジンが見つけやすくなります。
注意点とおすすめ
重複ページやnoindexにしたページは含めないことが重要です。サイトが大きい場合は複数のサイトマップに分けてインデックス数の上限を回避し、圧縮（gzip）で送信すると効率的です。ツールはオンラインジェネレータ、CMSプラグイン、デスクトップ型のクロールツールなどから選べます。
