はじめに
目的
本資料は「サイトマップ 作成方法」について、実務で使える手順とポイントを分かりやすくまとめたガイドです。サイト運営者が効率よくサイトマップを作り、訪問者と検索エンジンの両方に優しいサイト構造を構築することを目的としています。
対象読者
- 個人・小規模サイトの運営者
- コーポレートサイトやECサイトの担当者
- ウェブ制作やSEOの初心者から中級者
専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明しますので初めての方も無理なく読み進められます。
本書の構成と使い方
- 第2章:サイトマップとは —— 基本概念と役割を解説します。
- 第3章:サイトマップの3つの種類 —— 各種類の特徴と使い分けを紹介します。
- 第4章:構造サイトマップの作成方法 —— 手書きやツールを使った作り方を説明します。
- 第5章:HTMLサイトマップの作成方法 —— 訪問者向けのページ作成手順です。
- 第6章:XMLサイトマップの作成方法 —— 検索エンジン向けの生成と送信方法を扱います。
読みたい章だけ参照しても理解できるように、各章は独立して使える構成です。
期待できる効果
本書を一通り実践すれば、サイトの見通しが良くなり、訪問者が目的のページにたどり着きやすくなります。また、検索エンジンに適切に情報を伝えられるため、検索での認識が改善される可能性があります。具体的な手順とツールも紹介しますので、すぐに作業を始められます。
サイトマップとは
定義
サイトマップは、Webサイトのページやその階層関係をツリー図のように視覚化したものです。サイト全体の構造を一目で把握できるため、設計や運用の基盤になります。
役割
- 訪問者向け: 目的のページを見つけやすくし、迷子になるのを防ぎます。たとえば商品一覧→カテゴリ→商品詳細といった道筋が分かります。
- 検索エンジン向け: 検索エンジンの巡回プログラム(クローラー)がページを見つけやすくなり、効率よくインデックスされます。
具体例
トップページ
├─ サービス
│ ├─ サービスA
│ └─ サービスB
├─ 会社情報
└─ お問い合わせ
このように親子関係で整理します。小規模サイトでも簡単なツリーがあるだけで見通しが良くなります。
注意点
サイトマップは作っただけで終わらせず、ページの追加や削除に合わせて更新してください。構造が古いままだと閲覧者や検索エンジンに誤解を与えます。
サイトマップの3つの種類
構造サイトマップ(ビジュアルサイトマップ)
サイト全体の設計図のようなものです。ページの関係性や導線を図で表します。例えば、企業サイトなら「トップ→サービス→料金→問い合わせ」といった流れを視覚化します。誰に向けて何を伝えるかを決める段階で使います。利点は、チームで方針を共有しやすい点と、抜け漏れを早期に発見できる点です。作成は紙やホワイトボード、専用ツールで行います。
HTMLサイトマップ
実際の訪問者向けにページ一覧を並べた一覧ページです。サイト内で迷った人が目的のページを見つけやすくなります。例として、「会社概要」「サービス」「採用情報」「よくある質問」などをカテゴリ別に掲載します。作り方のポイントは、見やすい並び順と説明文を短く添えることです。ユーザーの利便性を第一に考えて作ります。
XMLサイトマップ
検索エンジン向けにURLや更新情報をまとめたファイルです。各ページの住所(URL)と最終更新日や更新頻度を含めます。これによりクローラーが効率よく巡回し、インデックスされやすくなります。生成はCMSのプラグインやオンラインツールで自動化できます。特に大量ページや頻繁に更新するサイトで役立ちます。
構造サイトマップの作成方法
はじめに
構造サイトマップはサイト全体の「地図」です。まず目的とターゲットを明確にし、必要なページを洗い出します。
手順1:目的とターゲットの明確化
例)法人向けサービス紹介サイトなら、訪問者は「サービス内容」「導入事例」「料金」を見たいと想定します。ターゲットが決まれば優先順位も決まります。
手順2:サイトツリーを作る
トップページを頂点に、主要なカテゴリ(サービス/会社情報/お問い合わせ)を枝にして配置します。具体例:トップ > サービス > サービスA。
手順3:タイトルと関係性の記載
各ノードにページタイトル、想定URL、親子関係を明記します。深さは原則2〜3階層に収めると分かりやすいです。
Googleスプレッドシートでの作り方
- シートに「ページ名」「親ページ」の2列を作る。2. データを入力する。3. 挿入 > グラフ > チャート種類で「組織図」を選ぶ。4. 配置を調整して視覚化します。
注意点と確認項目
- ナビゲーションに沿って配置する。- 重複ページはまとめる。- 主要なユーザーフロー(例:購入までの流れ)をチェックする。- 関係者と共有し、フィードバックで修正します。
HTMLサイトマップの作成方法
目的と基本方針
HTMLサイトマップは訪問者が目的のページを見つけやすくするための案内です。検索エンジン向けのXMLとは別に、人が見て分かる構成を優先します。
手動で作る手順(初心者向け)
- サイト内のページを洗い出す(主要ページ・カテゴリ・重要な記事)。
- 見出し構成を決める(トップ→カテゴリ→個別ページの順)。
- 固定ページを新規作成し、分かりやすい見出しで一覧を並べる。リンクはフルパスで貼ると安全です。例:https://example.com/category/page
- 更新日や簡単な説明を付けると訪問者に親切です。
- フッターやナビにサイトマップへのリンクを置き、目につきやすくします。
抜け漏れ防止のコツ:ページ一覧をCSVなどで管理し、公開時にチェックリストで確認してください。
WordPressでの作り方(ショートコード利用)
- 「固定ページ」→「新規追加」でページを作成します。
- 本文にショートコードを貼ります(例:[wp_sitemap_page] や [sitemap])。プラグインによってショートコードは異なるので、導入したプラグインの説明を確認してください。
- 公開後、メニューやフッターに追加します。
表示の工夫と注意点
- カテゴリ別にグループ化して見やすくする。
- モバイルでは折りたたみ可能にすると親切です。
- 非公開ページやパスワード保護ページは含めないように注意してください。
- 定期的に見直して最新の状態を保ちます。
XMLサイトマップの作成方法
概要
XMLサイトマップは検索エンジンにサイト構成を伝えるファイルです。SEOに重要で、手動で書く方法と自動生成ツールを使う方法があります。
手動で作成する手順
- 対象ページのURLをすべて洗い出します(例: https://example.com/ )
- 各URLに対して必要なら更新日や更新頻度、優先度を決めます。
- Google推奨のフォーマットに従ってXMLを作成します。テキストエディタで以下のように記述します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-01</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
</urlset>
- 保存名は通常 sitemap.xml にします。
自動生成ツールの使い方
「sitemap.xml Editor」のようなツールはURLを入力するだけでXMLを出力します。サイトマップを定期的に更新したい場合やページ数が多い場合に便利です。
作成後の手順
- robots.txt に sitemapの場所を記載します:
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml - Google Search Console に送信してインデックス状況を確認します。
注意点
- 50,000 URL・50MBを超える場合は分割が必要です。
- 重複URLやnoindexページは含めないでください。












