はじめに
本書の目的
この文書は、HTMLを使って自分でホームページを作成したい初心者の方に向けて作成しました。難しい専門用語をなるべく避け、実際に手を動かして学べるように具体例を交えて解説します。
対象読者
・これからホームページ作成を始める方
・独学でHTMLを学びたい方
・まずは自己紹介ページや簡単なブログを作りたい方
この章で得られること
本章では本書の全体像と進め方のコツを説明します。学習の流れを把握して、次章以降の内容を無理なく進められるようにします。
本書の構成
第2章でHTMLの基本情報を学び、第3章で上達のための4つのステップを紹介します。第4章ではホームページ作成の実践手順を6つに分けて説明し、第5章で効果的な独学方法とおすすめの学習リソースをまとめます。
進め方のコツ
- 小さな目標を立てて進めてください。たとえば「自己紹介ページを作る」などです。
- 実際に手を動かすことを優先してください。見るだけより覚えやすいです。
- 分からない点はネットや参考書で調べつつ、まず動くものを作ってみてください。
HTML習得の基本情報
HTMLとは?
HTMLはWebページの骨組みを作る言語です。難しい数式や専門知識は不要で、文書の見出しや段落、画像やリンクなどを指定します。操作はシンプルで、初めての方でも取り組みやすいです。
必要なものと準備
用意するのは「コードエディタ」と「Webブラウザ」だけです。メモ帳でも始められますが、無料のエディタ(例: VS Code)を使うと見やすくなります。保存してブラウザで開くだけで結果が確認できます。
基本の構造と主要タグ
基本は次のような構造です。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head><meta charset="utf-8"><title>タイトル</title></head>
<body>
<h1>見出し</h1>
<p>段落</p>
</body>
</html>
主な要素は見出し(h1〜h6)、段落(p)、リンク(a)、画像(img)、リスト(ul/li)などです。属性で画像の場所やリンク先を指定します。
学習時間と到達目安
最初の理解は短時間で可能です。簡単なホームページなら60分で作れます。実用レベルの基礎は、2週間〜1ヶ月、合計でおおむね10〜20時間の学習で作れるようになります。学習は小さな課題を繰り返すと身につきます。
最初にやることの例
- シンプルな自己紹介ページを作る
- 画像とリンクを1つずつ追加する
- ブラウザで表示して修正する
これらを繰り返すと理解が早く進みます。
HTML初心者が上達するための4つのステップ
ステップ1: 基本タグを確実に覚える
まずは頻出タグを手で書けるようにします。例として html, head, title, body、見出しの h1〜h6、段落の p、リンクの a、画像の img、リストの ul/ol/li、改行の br、区切りの div/span、フッターの footer を押さえます。簡単なワンページを作りながら、<a href="https://example.com">リンク</a> や <img src="photo.jpg" alt="説明"> を試してください。覚え方は小さな“チートシート”を作ると便利です。
ステップ2: ページの構造を理解する
次に文書の骨組みを把握します。head にタイトルや文字コード、body に見た目に出る要素を置きます。ページは見出し→本文→ナビ→フッターのように分けると整理しやすいです。基本の雛形は次の通りです。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>ページタイトル</title>
</head>
<body>
<header>サイト名</header>
<main>内容</main>
<footer>著作情報</footer>
</body>
</html>
この構造を意識すると後のレイアウトが組みやすくなります。
ステップ3: 模写コーディングで手を動かす(写経→模写)
まずは写経として既存ページのコードを写し、動かして動作を確認します。次に模写として見本を見ながら自分で再現します。写経でタグの使い方を体に染み込ませ、模写で構造の読み取り力を鍛えます。実践テクニックは次の通りです。
– ブラウザの「要素を検証」で構造を確認する
– 部分ごとに分けてコピーして試す
– 時間を区切って短いページを繰り返す
ステップ4: 簡単なWebページを自作する
最後に自分の小さな企画を形にします。例:自己紹介ページ、写真ギャラリー、イベント案内の1ページ。まずはテキスト、見出し、画像、リンク、リストを使って完成まで持っていきます。作ったらブラウザで開いて動作を確かめ、改善点を直します。小さな改善を繰り返すことで確実に上達します。
ホームページ作成の実践的な6ステップ
STEP1: 準備
- 拡張子表示: Windowsはエクスプローラー→表示→「ファイル名拡張子」をオン。MacはFinderの環境設定で拡張子を表示します。
- Visual Studio Codeのインストール: https://code.visualstudio.com/ からダウンロードしてインストールします。
- 作業フォルダ準備: パソコン上に “my-site” のようなフォルダを作成し、後で index.html を置きます。
STEP2: 基本ソースコード作成
- index.html を作成し、以下の基本を入力します。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>サイトタイトル</title>
</head>
<body>
</body>
</html>
- 保存時は文字コードをUTF-8にします。
STEP3: 見出しと本文の記述
- 見出しは
〜
を使い、本文は
を使います。例えば:
<h1>ようこそ</h1>
<p>このサイトはサンプルです。ここに説明を書きます。</p>
- 段落や改行は適切に分け、読みやすくします。
STEP4: リンクと画像の挿入
- リンクの例:
<a href="https://example.com">外部サイトへ</a>。 - 画像の例: images フォルダに photo.jpg を置き、
<img src="images/photo.jpg" alt="写真の説明">と書きます。 - ファイルは相対パスで管理すると移動やアップロードが楽になります。
STEP5: ブラウザでのプレビューと修正
- index.html をブラウザで開き、表示を確認します。内容を編集したら保存して再読み込みします。
- 開発者ツールでレイアウトやエラーを確認し、必要な修正を行います。
STEP6: サーバへのアップロード
- FTP/SFTP クライアントでサーバへアップロードします。無料ならGitHub Pagesも便利です。
- 公開後はリンクや画像が正しく表示されるか最終チェックをします。
効果的な独学方法と学習リソース
学習の段階
HTML/CSSは段階的に学ぶと身に付きやすいです。まず基礎(タグや構造)を押さえ、次に模写(既存サイトをまねる)で手を動かします。その後、応用としてレイアウトやレスポンシブ対応を学び、最後に自分のサイトを公開します。具体的な目標を作ると進みやすいです。
効果的な学習方法
短時間でも毎日触れることを優先します。学んだら必ず手を動かしてコードを書く習慣をつけます。模写コーディングは実務でよく使う技術が身に付きます。問題が出たら検索と同時に実験的に書き換えて動作を確認します。
練習課題の例と進め方
1) シンプルなカード型レイアウトを作る(画像・見出し・説明)
2) レスポンシブな個人ページを作る(スマホ対応を確認)
3) お問い合わせフォームの見た目を作る(送信は不要でも可)
各課題はまずデザインを紙に描き、次にHTMLで構造を作り、最後にCSSで整えます。
おすすめ学習リソース
- 無料: MDN(基礎ドキュメント)、ドットインストールやProgate(手を動かせる入門)
- 実践: CodePenやJSFiddleで試す、GitHubに成果を置く
- 有料: Udemyの講座や評価の高い書籍(体系的に学べます)
学習習慣とモチベーション維持
小さなゴールを週単位で設定し、達成を記録します。作ったものはSNSやポートフォリオに公開するとフィードバックが得られます。仲間と学ぶと続けやすく、質問しやすくなります。












