はじめに
本ドキュメントは、ホームページで発生する「500 Internal Server Error(以下、500エラー)」について分かりやすく解説するためのものです。500エラーはサーバー側の問題を示し、利用者がページにアクセスできなくなる深刻な状況を招きます。例えば、ページが真っ白になったり「500 Internal Server Error」と表示されたりするケースが該当します。
目的
- 500エラーの基本的な意味を理解する
- よくある原因とその見分け方を学ぶ
- 実務で使える対処の手順を知る
本書の構成
第2章で500エラーの仕組みを説明し、第3章で主な原因を挙げます。第4章では具体的な対処方法を手順で示し、第5章で発生時に注意すべきポイントをまとめます。
対象読者
- サイト運営者や開発担当者、またはトラブル時に初期対応を行う方を想定しています。専門知識がなくても実行できる内容を優先します。
読み方のポイント
ログや画面の表示を確認する習慣をつけると、原因特定が速くなります。手順に従って冷静に対応してください。
ホームページの500エラーとは
概要
500 Internal Server Error(以下「500エラー」)は、Webサーバーが利用者からの要求を処理できないときに返すエラーコードです。これはサーバー側で何らかの問題が起きていることを示します。ユーザー側の操作ミスではなく、サイト運営側で対処が必要な状態です。
表示のしかた
画面には「500 Internal Server Error」や「Server Error」などと表示されることが多く、真っ白な画面になる場合もあります。ブラウザによって表示文言は異なりますが、いずれも「サーバーが応答できない」ことを意味します。
400番台との違い
400番台エラーは利用者のリクエストに問題がある場合(例:存在しないページへのアクセス)です。対して500番台はサーバー内部の問題が原因で、利用者側で解決できない点が大きな違いです。
ユーザーへの影響
表示中はページが利用できず、購入や問い合わせが止まるなどビジネスに直結する影響があります。頻発すると信頼や検索順位にも悪影響を与えます。
わかりやすい具体例
・プログラムの致命的なエラー(例:PHPでの致命的エラー)
・データベース接続の失敗
・設定ファイル(.htaccess等)の誤り
・サーバーの過負荷やリソース枯渇
利用者ができること(すぐの対処)
ページを再読み込みする、別のブラウザや端末で試す、時間を置いて再度アクセスする、サイト運営者へ障害報告を行う、などが有効です。
500エラーの主な原因
概要
500エラーはサーバー側で処理できない異常が起きたときに返ります。原因は多岐にわたり、ひとつずつ切り分ける必要があります。
サーバー設定の誤り
設定ファイルの書き間違いや未インストールのモジュールが原因になります。例:.htaccessの記述ミスやPHPモジュールが抜けている。確認方法:エラーログや設定ファイルを点検します。
プログラムやコードのバグ
PHPやCGIの文法ミス、例外処理の未実装で処理が中断します。例:関数名のタイプミスや返り値が未定義。確認方法:ログでスタックトレースをチェックします。
サーバーリソース不足
CPUやメモリが逼迫すると処理が失敗します。高負荷時に発生しやすいです。確認方法:監視ツールで負荷とメモリ使用率を確認します。
データベース接続の問題
接続情報の誤りや接続数の上限超過でエラーになります。例:パスワード変更後に接続できない。確認方法:アプリからDB接続をテストします。
CMS(WordPress等)のプラグイン・テーマ
プラグイン同士の相性やテーマの不具合で発生します。例:更新後に画面が真っ白になる。確認方法:プラグイン無効化やデフォルトテーマで切り分けます。
アクセス過多・クローリング
急激なアクセス増加やGooglebotなどの過剰なクロールで負荷が高まり発生します。対策:アクセスログとクローラーログを確認し、必要ならレート制限します。
500エラーの対処方法
1) まずはエラーログを確認します
サーバーのエラーログを見て、どのファイルや処理で失敗しているかを特定します。Apacheならerror_log、nginxならerror.log、共有ホスティングなら管理画面のログを確認してください。ログに出るエラーメッセージを優先して調べます。
2) サーバー設定ファイルのチェック
.htaccessやnginxの設定に誤りがないか確認します。最近設定を変えた場合は元に戻して動作を確認してください。設定ミスでループや無効なリダイレクトが発生することがあります。
3) リソース使用状況の確認と増強
CPUやメモリが逼迫していると500が出ることがあります。topやfreeで状況を確認し、必要ならメモリ増設やPHPのメモリ上限を引き上げます。共有環境ではプラン変更も検討します。
4) プラグイン・テーマの無効化(WordPressなど)
CMSを使っている場合、最近入れたプラグインやテーマを無効化して原因を切り分けます。管理画面で無効にできない場合はFTPでプラグインフォルダ名を変更して確認します。
5) PHPバージョンと設定の確認
PHPのバージョン不整合や拡張モジュールの不足でエラーになることがあります。phpinfoやエラーログでバージョンと設定(memory_limit, error_reportingなど)を確認してください。
6) 特定ページや処理の切り分け
サイト全体ではなく一部のページで発生する場合、そのページのコードや外部API呼び出しを調べます。curlやブラウザのデベロッパーツールで通信を確認します。
7) ファイル・ディレクトリのパーミッション確認
ファイルは644、ディレクトリは755が基本です。所有者(owner)が正しいかも確認してください。誤った権限でアクセス拒否になり500が出ることがあります。
8) ロールバックとバックアップ利用
変更直後に発生した場合は、バックアップから元に戻して動作を確認します。変更を少しずつ元に戻すと原因が見つかりやすくなります。
優先順位は、ログ確認→設定確認→コード・プラグイン切り分け→リソース確認→パーミッション、の順で行うと効率よく原因を絞れます。必要な操作は一つずつ確実に行ってください。
500エラー発生時の重要なポイント
即時対応で被害を最小限に
ユーザーが困らないよう、まずは簡易な案内ページを出します。問い合わせ先や復旧見込みを短く書いたページを表示し、ユーザー体験を保ちます。可能なら一時的にメンテナンスモード(簡単なメッセージと再試行時刻)に切り替えてください。
原因特定の優先手順
- エラーログとアクセスログを時刻で照合して異常なリクエストを探します(例:特定URLで同時接続が増えている)。
- 直近のデプロイや設定変更を確認し、差分を元に戻す(ロールバック)ことで復旧することがあります。
- リソース状況(メモリ・ディスク・CPU)や外部APIの応答をチェックします。外部依存が原因のことも多いです。
応急処置と復旧
サービスの再起動やキャッシュクリアで一時的に直る場合があります。即時復旧が難しければ、影響範囲を限定して部分的に機能を停止します。
再発防止と監視体制
監視アラート、ログの集中管理、自動ロールバックの導入が有効です。定期的な負荷試験やステージング環境での確認を習慣化してください。
チーム対応と記録
インシデントごとに原因、対応手順、学びを書いた報告書(ポストモーテム)を残し、担当者と連絡経路を明確にします。
SEOと対外対応
長時間の500エラーは検索順位に悪影響を与えます。計画的な停止は503(メンテナンス)にして、再試行時刻を伝えると検索エンジンに優しいです。ユーザーへの状況報告は丁寧に行ってください。












