はじめに
本調査の目的
本調査は、ハンドメイド通販サイトについて分かりやすく整理することを目的としています。どのような種類のサービスがあるか、主要なサイトの特徴、初心者に向くサイト、選び方のポイントを丁寧に解説します。
想定する読者
これからハンドメイド販売を始めたい方、既に作っているが販売先に悩んでいる方、出品先を見直したい方を主な対象にしています。専門知識は不要です。
本記事の構成と使い方
全5章で構成します。第2章でサイトの種類と特徴を説明し、第3章で主要サイトを比較します。第4章では初心者向けのおすすめ、第5章で選び方のポイントを紹介します。まずはこの「はじめに」を読んで、目的に合う章から順にお読みください。
読む際のポイント
販売目的（趣味・副業・本業）、商品ジャンル、発送方法の可否などを頭に置くと、各章の情報が選びやすくなります。各サイトは手数料や規約が異なるため、実際に登録する前に最新の規約を確認してください。
ハンドメイド通販サイトの種類と特徴
ハンドメイド販売サイトには主に3種類あります。ここではそれぞれの特徴、メリット・デメリット、向いている人を分かりやすく解説します。
1. ハンドメイドマーケット（専門プラットフォーム）
- 特徴：手作り作品に特化したサイトです。出品テンプレートや決済機能、検索やカテゴリが整っています。買い手が「ハンドメイドを探す」目的で訪れる点が強みです。
- メリット：集客力があり、出品すれば見つけてもらいやすい。決済や発送の仕組みが用意されていて運営が楽です。
- デメリット：販売手数料や出店手数料がかかる場合が多く、似た作品が多いため価格競争になりやすい。
- 向いている人：まずは手間をかけずに販売を始めたい人、手作り好きな顧客層に届きやすくしたい人。
2. ネットショップ（オリジナル販売サイト）
- 特徴：自分専用の販売サイトを作る方法です。デザインや価格設定、販売ルールを自由に決められます。SNSやブログと連携して集客します。
- メリット：ブランドを作りやすく、長期的なファンを育てやすい。手数料を抑えられる場合もあります。
- デメリット：集客は自分で行う必要があります。決済方法や発送の仕組みづくりに時間がかかることがあります。
- 向いている人：ブランド構築を目指す人、リピーターを増やしたい人、複数アイテムを体系的に販売したい人。
3. フリマアプリ（フリーマーケット機能を利用した販売）
- 特徴：写真を撮って手軽に出品できる、個人間取引中心のサービスです。出品の手軽さが魅力です。
- メリット：少量や試作品をすばやく売れる。出品から販売までの手順が簡単で、現金化が早い場合が多いです。
- デメリット：商品の価値が伝わりにくく、安価競争になりがちです。購入者との直接やり取りでトラブルが発生するリスクもあります。
- 向いている人：試作品の反応を早く知りたい人、少量だけ販売したい人、出品を簡単に済ませたい人。
各タイプには長所短所があります。販売の目的（短期で売り切りたいのか、ブランドを育てたいのか）、作る量や手間、かけられる時間を基準に選ぶと良いです。
主要なハンドメイド通販サイト比較
minne
minneは国内で最も利用者が多いハンドメイドマーケットです。スマホで写真をアップして簡単に出品でき、初心者でも始めやすい点が魅力です。集客力が高く、定期的にハンドメイド好きが訪れますので販売機会が多いです。
Creema
Creemaは国内外で知られるマーケットで、プロ志向の作家が多く出品します。台湾や香港でも展開しており、作品の質を重視する買い手と出会いやすいです。商品ページを丁寧に作ることで評価を得やすい傾向があります。
iichi
iichiは伝統工芸やアート作品に強く、職人や作家の作品を求める利用者が多いです。ハイクオリティな作品を扱う場として信頼があります。プロ寄りの販売スタイルを目指す方に向いています。
BASE
BASEは自分だけのネットショップを作れるサービスです。デザインや決済方法を自由に設定でき、ブランド作りに向いています。集客は自分で行う必要がありますが、固定のファンを育てやすいです。
Etsy
Etsyは海外向けの大手マーケットプレイスです。国際販売に適しており、英語での商品説明や海外発送の準備が必要です。海外の買い手へ作品を届けたい方に向いています。
メルカリShops
メルカリShopsはフリマアプリ内で使える販売機能です。普段のフリマ利用者にそのままアピールでき、手軽に始められます。価格帯や出品スピードで勝負したい方に向きます。
実用的な比較ポイント
- 出品のしやすさ：minneやメルカリShopsはスマホで手軽に出品できます。
- 作品の方向性：iichiやCreemaは高品質・作家性のある作品が売れやすいです。
- 集客性：minneやメルカリは集客に強みがあります。BASEやEtsyは集客を自分で工夫する必要があります。
- 海外展開：EtsyやCreema（海外展開あり）は海外販売を検討する際に有利です。
出品目的や作風、運営のしやすさで向き不向きが変わります。自分の目標に合うサイトを選びましょう。
初心者向けおすすめサイト
初心者にはminneとCreemaをおすすめします。どちらもハンドメイドに特化し、利用者が多いため作品を見てもらいやすい点が魅力です。
なぜこの2つか
- 専門性が高く、ハンドメイドを求める購入者が集まる
- スマホで簡単に出品できるため最初のハードルが低い
- ギャラリー感のある見せ方がしやすく、作品の魅力を伝えやすい
minneの特徴と始め方
- 特徴：シンプルな操作性と多くの会員数。アクセサリーや布小物がよく売れます。
- 始め方：アカウント登録→作品写真と説明を用意→カテゴリと価格を設定して出品。写真は明るく背景を統一すると好印象です。
- ポイント：タイトルとタグで検索に引っかかりやすくします。配送方法や納期を明確に書きましょう。
Creemaの特徴と始め方
- 特徴：作家性やデザイン性を重視する購入者が多めで、個性的な作品が映えます。
- 始め方はminneと似ていますが、作品説明で制作背景や素材へのこだわりを書くと評価されやすいです。
どちらを選ぶかの目安
- 日常使いの小物やリーズナブルな商品はminne
- デザイン性や一点物をアピールしたいならCreema
出品の初めの一歩（チェックリスト）
- 写真を3〜5枚用意する
- 説明文に素材・サイズ・注意点を書く
- 送料と発送目安を設定する
- 初回は価格と納期を控えめに設定して実績を作る
まずは両方に登録して、反応を見ながら続けやすい方に絞る方法もおすすめです。
ハンドメイド販売サイト選びのポイント
販売サイトを選ぶときは、以下の点を順に確認すると失敗が少ないです。
1) 作品のテイストと価格帯
まず自分の作品がカジュアルか高級志向かを明確にします。たとえばフェルト小物は低価格帯、革製品や一点物のアクセサリーは高価格帯に向きます。価格に合う客層が多いサイトを優先してください。
2) 販売スタイル
受注制作、在庫販売、ワークショップ併用など販売方法を決めます。受注が多いならメッセージ機能やカスタム対応が充実したサイトが便利です。
3) ユーザー層とサイトの雰囲気
サイトごとに来客の年齢層や好みが違います。写真の雰囲気や検索傾向をチェックして、自分の作風が馴染む場所を選びます。
4) 機能とコスト
出品手数料、販売手数料、決済手数料、振込手数料を確認します。送料設定やラッピング、クーポン発行、レビュー管理など必要な機能があるか比べてください。
5) 集客とPRのしやすさ
SNS連携、イベント告知、メルマガ機能があると集客が楽になります。自分でSNS発信する時間が少ない場合は、サイト側の流入が多い場所を選ぶと安心です。
6) 複数サイト運用の考え方
複数に出すとリスク分散と集客力アップにつながります。ただ、管理工数が増えるため在庫管理や受注対応のルールを決めておきます。
以上の観点をもとに、自分の作品・販売スタイル・稼働時間に合うサイトを選ぶと販売が続けやすくなります。
