はじめに
目的
本ドキュメントは「サイトマップ xml とは」をテーマに、調査した内容を分かりやすく整理したものです。XMLサイトマップの定義や役割、具体的にどんな情報を伝えられるか、作り方や送信方法、メリット、HTMLサイトマップとの違いまで丁寧に解説します。
想定読者
・自分でウェブサイトを運営している方
・SEOや検索エンジンに関心のある方
・技術的な用語に不安がある初心者の方
具体例を交えながら説明しますので、専門知識が少ない方でも読み進められます。
本書の構成と読み方
全9章で構成します。第2章で基本を押さえ、第3〜6章で実践的な作成・送信方法を学べます。第7章以降でメリットやHTMLサイトマップとの違いを確認できます。必要な箇所だけを参照しても理解できるよう配慮しました。
XMLサイトマップとは
概要
XMLサイトマップは、Webサイト内のページや画像・動画の情報をXML形式で整理したファイル(一般的に sitemap.xml)です。検索エンジンにサイトの構成や各ページの更新情報を分かりやすく伝えるために使います。通常はサイトのトップディレクトリに置きます。
主な役割
- クロール先を明示して、検索エンジンがページを見つけやすくします。たとえば内部リンクだけでは見つかりにくいページも知らせられます。
- 更新日や優先度などの情報を伝えて、クローラーの巡回を効率化します。
配置と使い方のポイント
サイトのルートに置き、robots.txtで場所を示すと確実に認識されます。サイト構成が変わったら随時更新してください。自動生成ツールを使えば手間を減らせます。
注意点
XMLサイトマップは検索エンジンへの“案内図”です。必ずしも掲載順で検索結果に反映されるわけではありませんが、見つけてもらいやすくなります。
XMLサイトマップで伝えられる情報
概要
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトの構造や各ページの情報を伝えるファイルです。ここで伝えられる情報は大きく「基本情報」と「メタ情報」に分かれます。どちらも検索エンジンがページの重要度や更新状況を判断する助けになります。
基本情報
- URL一覧:サイト内の各ページのURLを列挙します。例:トップページ、商品ページ、ブログ記事。
- 画像・動画:ページに含まれる画像や動画ファイルを個別に指定できます。例えば商品写真や説明動画を明示できます。
- 多言語・地域別URL:言語ごとの別URL(hreflang相当)を示して、どの言語向けかを伝えられます。
メタ情報(ページごとの付帯情報)
- 最終更新日時(lastmod):ページを最後に更新した日付です。ニュースや記事では重要です。常に正確である必要はありませんが、実際に大きく変わった時に更新すると有効です。
- 更新頻度(changefreq):そのページがどれくらいの頻度で変わるかの目安です。例:daily(毎日)、weekly(週次)、monthly(月次)。検索エンジンへのヒントであり確約ではありません。
- 優先度(priority):サイト内での相対的な重要度を0.0〜1.0の数値で表します。トップページやカテゴリーページを高めに設定し、同一サイト内での比較に使います。
実務的なポイント
- これらの情報は検索エンジンへの「ヒント」です。必ずしもすべて反映されるとは限りません。
- lastmodは内容が実際に変わったときに更新しましょう。頻繁に更新すると無効になりやすいです。
- 画像や動画をきちんと記述すると、メディア検索結果で有利になることがあります。
XMLサイトマップの記述ルール
基本構成
XMLサイトマップは必ずで囲み、ネームスペースを指定します。最も基本的な形は次の通りです。
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
</url>
</urlset>
各URLの記述
各ページはで囲み、最低限(URL)を記載します。追加で利用できるタグ例は以下です。
– : 最終更新日(例: 2023-12-31)
– : 更新頻度の目安(daily, weeklyなど)
– : 優先度(0.0〜1.0)
複数ファイルの管理
サイトが大きい場合、複数のサイトマップを作れます。その際はでまとめます。
<sitemapindex xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<sitemap>
<loc>https://example.com/sitemap1.xml</loc>
</sitemap>
</sitemapindex>
制限と注意点
1ファイルあたり50,000件または圧縮前のサイズ50MBが上限です。これを超える場合は分割してください。URLは正しい絶対パスで記載し、重複や誤ったプロトコル(http/httpsの混在)を避けると検索エンジンが正しく読み取ります。
XMLサイトマップの作成方法
XMLサイトマップは手作業でも自動でも作れます。ここでは代表的な作成方法と注意点をわかりやすく説明します。
1) WordPressプラグイン(例:Yoast SEO)
- プラグインをインストールして有効化すると、自動でXMLを生成します。
- 設定画面で投稿タイプや除外ページを指定できます。初心者に最も簡単です。
2) オンラインジェネレーター
- サイトのURLを入れるだけでXMLを作成します。小規模サイトに便利です。
- 生成後はダウンロードしてサーバーのルートにアップロードします。
3) 手動作成(テキスト編集)
- URL、lastmod、changefreq、priority をタグで記述します。例を見ながら少しずつ作れます。
- 大量のURLには向きませんが、細かい制御ができます。
4) 共通の注意点
- ファイルはサイトのルートに置き、robots.txtで場所を示すと検索エンジンが見つけやすくなります。
- 大きなサイトはSitemap Indexで分割し、圧縮(.gz)すると転送が早くなります。
- 作成後はXML検証ツールで形式を確認してください。Google推奨の形式に従うことが重要です。
XMLサイトマップの送信方法
1. 概要
作成したXMLサイトマップは検索エンジンに知らせる必要があります。最も手軽な方法がrobots.txtに記載する方法です。他にもサーチコンソールへの直接送信や検索エンジンへの“ping”送信があります。
2. robots.txtへの記載方法
サイトのルートにあるrobots.txtに1行追加します。例:
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml
この記載は絶対URLで行い、ファイルはhttps://example.com/robots.txtでアクセス可能にしてください。
3. サーチコンソールへの登録
GoogleやBingのサーチコンソールにサイトを登録し、サイトマップのURLを送信できます。送信後はインデックス状況を確認できます。
4. 更新時の通知
サイトマップを更新したら、サーチコンソールで再送信するか、下記のようにpingを送ります:
http://www.google.com/ping?sitemap=(サイトマップのURL)
5. 注意点
・robots.txtはサイトルートに置くこと。 ・Sitemapは絶対URLで記載すること。 ・複数サイトマップがある場合は全て記載できますが、重複やアクセス不可にならないようにしてください。
XMLサイトマップのメリット
インデックスの速度向上
XMLサイトマップを用意すると、検索エンジンのクローラーが新しいページや更新を早く見つけやすくなります。特に新規公開や頻繁に更新するページでは、インデックスされるまでの時間が短くなる傾向があります。
サイト構造の把握を助ける
クローラーに対してサイト内の重要なURLや更新日時、優先度などを明示できます。これにより、クローラーがページの関係性や優先順位を正確に理解しやすくなります。
大規模・複雑なサイトで有効
ページ数が多いサイトや動的に生成されるページ、階層が深いサイトでは、XMLサイトマップがないとクローラーが見落とす可能性があります。サイトマップはそうした“孤立ページ(オーファンページ)”を発見させる助けになります。
SEOへの貢献
直接的なランキング要因ではないものの、インデックス精度や速度の改善は検索結果での露出向上につながります。画像や動画、hreflang情報を含めると、検索結果での表示改善に寄与します。
運用上のメリット(実用的なポイント)
- 更新ごとにlastmodを更新するとクローラーの検出が早まります。
- 大きなサイトは複数のサイトマップに分割し、sitemap indexを使うと管理しやすくなります。
- Search Consoleやrobots.txtで送信・参照を促すと効果が出やすいです。
これらの理由から、特に規模や構造が複雑なサイトではXMLサイトマップを用意する価値が高いです。
HTMLサイトマップとの違い
概要
サイトマップには主にXMLとHTMLの2種類があります。XMLサイトマップは検索エンジン向けにURLや更新情報を機械に伝えます。HTMLサイトマップは訪問者向けにページ一覧を人が見やすく並べます。
主な違い(分かりやすく)
- 対象
- XML: 検索エンジン(自動処理)向け
- HTML: ユーザー(人間)向け
- 形式
- XML: 機械可読なXML形式
- HTML: 普通のウェブページ(リンク集)
- 含まれる情報
- XML: 更新日時や優先度などのメタ情報を含められます
- HTML: ページ構成や説明文を添えて案内できます
具体例
- 新しく追加した記事を早く認識させたい場合はXMLを用意します。
- サイト訪問者が目的のページを探しやすくするためにはHTMLを用意します。
使い分けのポイント
両方用意すると相互に補完します。XMLで検索エンジンに構造を知らせ、HTMLでユーザーの回遊性を高めます。規模が小さなサイトでもHTMLは役立ちますし、大規模サイトほどXMLの恩恵が大きくなります。
注意点
- HTMLサイトマップを単にリンクの羅列にするとユーザーにとって見にくくなります。カテゴリ分けや説明を付けると親切です。
- XMLは正しい形式で生成し、検索コンソールなどに送信すると効果が出やすいです。
まとめ
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトのページやファイルの場所・更新状況を伝えるためのXML形式のファイルです。特にページ数が多い、階層が深い、大規模なサイトではクローラーの発見を助け、インデックス化のスピードや漏れを減らします。
主なポイントは次の通りです。
- 何を伝えるか:URL、最終更新日、優先度、更新頻度などを記述できます。例として、ブログの各記事や画像ファイルを明示できます。
- 作成方法:CMSのプラグイン、オンラインツール、手動での生成が可能です。プラグインなら自動で更新してくれ便利です。
- 送信方法:GoogleサーチコンソールやBingウェブマスターツールに登録して送信します。サイトのrobots.txtに場所を記述することもできます。
- 注意点:最新の状態に保つ、重複URLを避ける、正しいURL(canonical)を使うことが重要です。
XMLサイトマップはSEOの“補助ツール”です。サイト設計やコンテンツの質を高めることと併せて活用すると効果が出やすくなります。












