サーチコンソールで期間を設定する方法と活用法のポイント

目次

はじめに

目的

本記事はGoogleサーチコンソール(以降「サーチコンソール」)の「期間設定」と「データの保持期間」について、わかりやすく解説します。初心者でも実務で使える知識を目指して、具体例と活用ポイントを交えて説明します。

対象読者

・自分でサイト運営やブログを書いている方
・SEOの基本を学びたい方
・サーチコンソールのデータを分析に活かしたい方

本記事で学べること

・サーチコンソールが保存するデータの上限(最大16か月)について
・複数の期間指定や比較の仕方
・新機能「24時間ビュー」の概要と使いどころ
・期間ごとの分析のコツと他ツールとの違い

この記事を通じて、検索流入の変化を適切な期間で見る習慣が身につき、SEO施策のPDCAに役立つ判断がしやすくなります。次章から順に、具体的な設定と活用方法を丁寧に説明していきます。

サーチコンソールで確認できるデータの保持期間

概要

Googleサーチコンソールは最大16か月分のデータを保存・閲覧できます。16か月より前のデータは取得や閲覧ができません。日々の検索パフォーマンスやページ別の結果は、この範囲内で確認する形になります。

保持期間の起点

データの保存は、サイトをサーチコンソールに登録して所有権を確認した時点から始まります。登録以前の検索データはサーチコンソール側で取り戻せないため、新規サイトや新しいプロパティ登録時は早めに権限設定を行うことが大切です。

16か月を超えるデータの扱い

16か月より古い履歴が必要な場合は、自分で定期的にデータをエクスポートして保存します。CSVやGoogleスプレッドシートに出力する方法が手軽です。月次や四半期ごとに保存すれば、長期トレンドの分析や報告に役立ちます。

他ツールとの比較

参考として、Googleアナリティクス(GA4)は設置後のデータを無期限で保存します。一方、ユニバーサルアナリティクス(UA)は2023年7月1日に計測を停止し、2024年6月末までしか閲覧できません。この違いを把握して、どのツールでどの期間を補完するか計画してください。

実務上のポイント

定期エクスポートをルール化する、必要な指標だけを保存して管理しやすくする、サーチコンソールのデータとアナリティクスのデータを組み合わせて活用する、などを心がけるとデータの欠落を防げます。

サーチコンソールで選択できる期間の種類

サーチコンソールの「検索パフォーマンス」画面では、表示する期間を切り替えてデータを確認できます。目的に合わせて短期〜長期を切り替えることで、ノイズを減らしたり、変化点を見つけたりできます。以下に代表的な期間と使い分けの例を分かりやすくまとめます。

主な期間と特徴

  • 24時間(24時間ビュー)
  • 最新の動きを把握できます。急な増減やキャンペーン直後の反応を見るのに便利です。
  • データが細かく変動するため、日々のブレを注意深く見る必要があります。

  • 7日間

  • 週間の傾向を把握します。週中と週末の差を見るのに適しています。
  • 短期施策の効果確認に向きます。

  • 28日間

  • 月単位に近い中期の傾向を掴めます。季節的な変動が小さい場合に有効です。
  • サイト全体の流れを把握しやすくなります。

  • 3か月(90日)

  • 四半期など中長期のトレンド確認に向きます。短期のノイズを平滑化します。

  • 16か月(最大)

  • 長期の成長や季節性を比較できます。年ごとの変化を把握したいときに使います。

  • カスタム期間

  • 任意の開始日・終了日を指定できます。キャンペーン期間や特定の比較に便利です。

選び方のポイント

  • 急な変化を見たいときは短期(24時間〜7日)、全体の流れを見るときは長期(28日〜16か月)を選ぶと良いです。
  • 比較機能を使えば、例えば今月と前月、キャンペーン期間と非実施期間の差を明確にできます。
  • 長い期間は変化を平滑化しますが、短期の重要な変化を見落とすことがあります。両方を併用して確認してください。

「24時間ビュー」機能の登場とその意義

1. 機能の概要

2024年に追加された「24時間ビュー」は、直近24時間の検索データを数時間の遅延で確認できる機能です。日単位の集計よりも細かい動きを把握できます。

2. 何が変わったか

これまでは数日〜数週間単位での確認が主でしたが、導入により新規コンテンツや施策の即時反応を短時間で見ることが可能になりました。スピード感が格段に上がります。

3. 実務での意義

公開直後のクリック数や表示回数の増減を早く検知できるため、仮説の検証サイクル(PDCA)を短縮できます。例えば、新記事を公開して数時間後に流入が増えたら、見出しや導入文の効果があったと判断できます。

4. 利用時の注意点

データは遅延があり完全リアルタイムではありません。短期の変動はノイズも含むため、数回の観測で傾向を判断してください。サンプル数が少ない場合は過度な結論を避けます。

5. 活用例(具体例)

・タイトルを変えて1日以内のクリック率を比較する
・SNSでの拡散直後の検索流入を確認して追加PRを判断する
・急激な変化があれば即時で仮説を立て改善案を試す

この機能は、素早い意思決定と小さな改善を積み重ねるのに向いています。

期間指定と分析における活用方法・おすすめ設定

短期(24時間〜7日間)

  • 用途: 新規記事公開直後や施策を行った直後の反響確認に使います。急激な表示変化やクリック増減を早く捉えられます。
  • おすすめ設定: 24時間ビューで初期の動きを確認し、7日間で短期トレンドを把握します。比較は「直近の前期間」として、急変の原因を特定します。

中期(28日〜3か月)

  • 用途: 季節性や四半期ごとのトレンドを見ます。コンテンツ改善やキーワード施策の効果が現れる期間です。
  • おすすめ設定: 28日や90日などの固定期間で、前年同期間との比較を入れると季節変動が分かります。ページやクエリで絞り込み、CTRや平均掲載順位の変化を追います。

長期(16か月)

  • 用途: 年次比較や大きな改善施策の効果検証、検索順位の安定度を見るのに適します。
  • おすすめ設定: 16か月で年単位の推移を確認し、主要指標(クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位)を整合的に評価します。

分析の実務ポイント

  • 指標は複数を併用: クリック数だけで判断せず、CTRや平均掲載順位も見ます。
  • セグメント切替: ページ、クエリ、国、デバイスで期間を変えながら課題を特定します。
  • 比較設定: 「前期間」か「前年同期間」を使い分け、短期は前期間、季節性の把握は前年同期間を使います。
  • ノイズ対策: 短期は変動が大きいので7日移動平均などで平滑化します。

運用の目安

  • 新規記事: 初日は24時間→1週間→28日で経過観察
  • 定常運用: 週次で短期確認、月次で中期評価、年次で長期戦略検討

このように期間を目的に合わせて切り替えると、施策の効果測定や課題抽出が効率よく行えます。

期間の設定手順と注意点

手順(基本)

  1. サーチコンソールで「検索パフォーマンス」画面を開きます。
  2. 画面上部の「日付」または「期間」をクリックします。
  3. 表示されるプリセット(7日、28日、3か月など)から選ぶか、「カスタム」を選択して開始日と終了日を指定します。
  4. 「適用」を押すと、グラフと表が自動で更新されます。

比較とフィルタの使い方

  • 「比較」を選ぶと、任意の期間同士を横並びで比べられます(例:今月と先月)。
  • キーワード(クエリ)やページ、国、デバイスごとにフィルタをかけると、特定条件での期間比較ができます。

カスタム期間のコツ

  • 直近の問題確認なら「過去7日」や「24時間ビュー」が便利です。
  • 季節性や施策効果を見るなら、同じ曜日や月で合わせると傾向が見えやすくなります。

注意点

  • 期間を変えると画面内のすべてのグラフ・表に影響します。意図しないフィルタが残っていないか確認してください。
  • 比較表示では「前の期間」や「同期間の前年」など設定ミスに注意してください。
  • データ反映に数秒かかる場合があります。急いで操作すると誤った解釈をすることがあります。

よくあるトラブルと対処

  • 値が急に下がった場合は、まず期間・フィルタ設定を確認してください。次にページ指定や検索タイプの誤りを確認します。
  • データが期待と違うときはエクスポートして詳細を確認すると原因が分かることがあります。

サーチコンソールと他ツールとの違い

概要

サーチコンソール(Search Console)は検索結果におけるサイトの露出やクリックを直接示すツールです。Googleアナリティクス(特にGA4)はサイト内のユーザー行動を詳しく追跡します。ユニバーサルアナリティクス(UA)は旧来の計測仕様で、現在は参照用の閲覧に限定されています。

保持期間と期間指定の違い

  • サーチコンソール:最大16か月のデータ保持。日/週/月/カスタムの期間指定と24時間ビューが使えます。例:検索クエリの過去1年の推移を見るときに便利です。
  • GA4:基本的に無期限(設定に依存)で、イベントベースの長期分析に向きます。期間は柔軟に指定できます。
  • UA:2024年6月末で計測停止(閲覧のみ)。古い指標や目安の確認に使います。

指標と用途の違い(具体例で)

  • サーチコンソール:検索クエリ、表示回数、クリック、平均掲載順位。例:”あるキーワードでの順位改善がクリック増に直結しているか”を確認します。
  • GA4:ユーザー数、セッション、ページビュー、コンバージョン(イベント)。例:”検索流入後に購入まで至っているか”を追えます。

データの粒度とリアルタイム性

サーチコンソールは検索クエリ単位の視点で精度の高い検索データを出しますが、ユーザー行動の時系列追跡は弱いです。GA4は行動フローやファネルに強く、長期的なユーザー分析に向きます。

サンプリング・プライバシー配慮

GA4では大量データでサンプリングや集約が入る場合があります。サーチコンソールは検索データを集約して提供するため、個別ユーザーの追跡はできません。

連携と活用のコツ

両者を併用すると効果的です。まずサーチコンソールで検索上の課題を洗い出し、GA4で流入後の行動やCVRを確認します。SEO施策の効果検証に最適な組み合わせです。

運用上の注意点

指標の定義が異なるため、数値を単純比較しないでください。期間設定やフィルタの条件を揃えてから比較すると誤解が減ります。

期間ごとの分析例・実践ポイント

24時間ビュー:新記事の即時反響をつかむ

新しい記事を公開したらまず24時間ビューを確認します。インプレッションとクリック、CTRの変化を見て、タイトルやディスクリプションをすぐ改善します。急落や異常値があればSNSや広告の導線も見直します。短期的な施策は素早く判断して試すことが大切です。

3か月:施策の効果を定量評価する

3か月は検索順位の安定やキーワード浸透を見るのに適した期間です。クリック数・表示回数・平均掲載順位を比較し、改善が出ているかを判断します。CTRが低いページはタイトルのABテストや構成改善を行います。

16か月:長期的なトレンドと施策の持続性を確認

季節変動やアルゴリズム変化を含めて長期傾向を把握します。トラフィック増減の要因を特定し、コンテンツの大幅リライトや内部リンク強化を検討します。

BIツール連携とCSV出力の活用

Looker Studioなどで期間ごとのグラフを作り、キーワードやページごとの推移を可視化します。サーチコンソールからデータを抽出してCSVで詳細分析し、スプレッドシートでフィルタや並べ替えを行います。

実践ポイントまとめ(短いチェックリスト)

  • 24時間:即時改善(タイトル・META・流入導線)
  • 3か月:効果検証(CTR・順位・流入増)
  • 16か月:長期戦略(大改訂・リンク施策)
  • BIやCSVで可視化して仮説検証を繰り返す

これらを組み合わせて短期と長期の両方でPDCAを回すと効果が出やすくなります。

第9章: まとめ

ここまで見てきたように、Googleサーチコンソールは16か月分のデータ保持と、日別・過去28日・過去3か月などの柔軟な期間選択、そして最新の「24時間ビュー」機能により、日次の変化から中長期の傾向まで幅広く観察できます。

主なポイントは次の通りです。

  • データ保持は16か月。長期的なトレンド把握に使えます。短期的な変化は「24時間ビュー」で素早く確認できます。
  • 期間を切り替えて比較することで、施策の効果や季節変動を見つけやすくなります。単日だけで判断せず、複数期間で定点観測してください。
  • サーチコンソールは検索パフォーマンスに特化しています。他の解析ツールと組み合わせると、より精度の高い改善につながります。

実践的なおすすめ

  • 週次/月次で同じ指標をチェックする習慣をつけましょう。変化を早く察知できます。
  • 重要な変更を加えたら、24時間ビューで即時の反応を見て、1~3か月で傾向を確認してください。
  • データのばらつきには注意し、急な変動は原因を確認してから対応しましょう。

以上を踏まえ、目的に合わせて期間を使い分けることで、SEO施策のPDCAを効率よく回せます。丁寧に観察と記録を続け、改善に役立ててください。

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