はじめに
本書の目的
本資料は初心者が迷わずホームページを作れるように、基本から公開までをやさしく解説します。専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。実際に手を動かせるステップを重視しています。
対象読者
初めてホームページを作る方、作り方を整理したい方、簡単なサイトを自分で運営したい方に向けています。プログラミング経験は不要です。
本資料の構成
全10章で、基本知識、作成方法(手書きHTML、作成ソフト、CMS)、具体的な手順、公開・運用、SEO、よくある失敗と対策まで順に説明します。各章は短く区切り、実践できる内容を優先します。
読み方のポイント
まず第2章で全体像をつかみ、目的に合う方法を選んでから該当章に進んでください。迷ったときは目次に戻り、順を追って読むと理解しやすくなります。
初心者が知っておきたいホームページ作成の基本
はじめに:
ホームページ作成は怖くありません。大きく分けて「HTMLを自分で書く」「専用ソフトやサービスを使う」「WordPress等のCMSを使う」の3つがあります。初心者にはまず簡単な作成ツールか、基本を学ぶためにHTMLを少し書いてみることをおすすめします。
3つの作り方と特徴:
– HTML手打ち:構造を理解できます。必要最低限の知識で始められ、表示の仕組みが学べます。
– 作成ソフト/サービス:テンプレートを選んで直感的に作成できます。時間を節約したい方に向きます。
– CMS(例:WordPress):更新性に優れ、大量の情報を扱うサイト向けです。
サーバーとドメインのイメージ:
サーバーは「家」、ドメインは「住所」です。家(サーバー)を借り、住所(ドメイン)を取得してインターネット上に公開します。レンタルサーバーやクラウドを使うのが一般的です。
最初の簡単な流れ:
1. 目的と掲載内容を決める(誰に何を伝えるか)。
2. 作り方を選ぶ(HTML/作成サービス/CMS)。
3. ドメインとサーバーを用意する。
4. ページを作成してアップロードする。
5. 表示や動作を確認して公開する。
注意点:
– スマホでの見え方(レスポンシブ)を確認しましょう。
– SSL(https)を導入すると安心感が増します。
– 定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。
代表的な作成方法とその特徴
はじめに
ホームページ作成には主に三つの方法があります。目的や予算、技術レベルで向き不向きがあるため、特徴を押さえて選びましょう。
1. HTMLを手書きする
特徴:基礎が身につき、自由度が高い。ファイルは軽く表示が速い。学べば応用が利きます。
向く人:細かいデザインや動きを自分で作りたい人、学習目的の方。
注意点:コード知識(HTML/CSS)が必要で、時間がかかる場合があります。
2. ホームページ作成ソフト(Wix・Canva・Jimdoなど)
特徴:ドラッグ&ドロップで直感的に作れ、テンプレートが豊富。無料プランも使えます。ホスティング込みで公開まで早いです。
向く人:手早く見栄えの良いページを作りたい個人や小規模事業者。
注意点:細かいカスタマイズに制限があり、独自機能の追加は難しいことがあります。
3. CMS(WordPressなど)
特徴:デザインや機能の拡張性が高く、プラグインで多くの機能を追加できます。ブログやECなど本格運営に向きます。
向く人:将来拡張したい、中〜大規模のサイトを運営したい方。
注意点:初期設定や管理(更新・セキュリティ)が必要で、慣れるまで手間がかかります。
比較するときのポイント
- 費用:無料から高額まで幅があります。
- 自由度:手書き>CMS>作成ソフトの順に高い傾向です。
- 維持管理:作成ソフトは簡単、CMSは手間がかかる。
選び方の簡単な目安
- 学びたいなら手書き。短期間で公開したいなら作成ソフト。将来の拡張性を重視するならCMSを検討してください。
HTMLでホームページを作る具体的な手順
準備するもの
- テキストエディタ(例:メモ帳、TeraPad、VS Codeなど)
- Webブラウザ(Chrome、Firefox、Edgeなど)
- 公開する場合はレンタルサーバーとドメインの契約(後述)
1. 新しいファイルを作る
- テキストエディタを起動します。
- 新規ファイルにHTMLを書きます。最初は簡単な構成で大丈夫です。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>サンプルページ</title>
</head>
<body>
<h1>こんにちは</h1>
<p>ホームページのテストです。</p>
</body>
</html>
- ファイル名を「index.html」として保存します。文字コードはUTF-8をおすすめします。
2. ローカルで確認する
- 保存したindex.htmlをダブルクリックしてブラウザで開きます。表示を確認し、編集→保存→再読み込みの流れで見た目を調整してください。
3. 公開する方法(基本)
- レンタルサーバーを契約します。無料と有料がありますが、用途に合わせて選んでください。
- サーバーの管理画面、またはFTPソフト(例:FileZilla)を使い、公開用ディレクトリ(public_htmlやwwwなど)にindex.htmlをアップロードします。
- ドメインを取得してサーバーに設定すると、インターネットでアクセスできるようになります。ドメインの設定やネームサーバーの変更が必要です。
4. 練習のすすめ
- サンプルサイトをダウンロードして中身を見てみましょう。コードを少しずつ書き換えて、実際に動かして学ぶと理解が早いです。
ホームページ作成ツール・サービスを使う場合
概要
Wix、Canva、Jimdoなどのサービスは、プログラミング不要でサイトを作れます。用意されたテンプレートを選び、画像や文字をドラッグ&ドロップで編集するだけで見栄えの良いページが短時間で完成します。
主なメリット
- 手早く始められる:操作は直感的で初心者向けです。
- デザイン不要:テンプレートで統一感のある見た目を実現できます。
- 管理が簡単:更新や画像差し替えがブラウザ上で完結します。
代表的なサービス例
- Wix:豊富なテンプレートと自由なレイアウトが特徴です。
- Canva:デザイン作成に強く、簡単なページ作成機能があります。
- Jimdo:日本語サポートが手厚く、小規模サイトに向きます。
選び方のポイント
- 目的(名刺代わり、商品販売、ブログ)を明確にする。2. 独自ドメインや広告非表示が必要か確認する。3. モバイル表示やSEO基本機能をチェックする。
実際の始め方(簡単な手順)
- テンプレートを選ぶ。2. ロゴ・写真・テキストを配置する。3. スマホ表示を確認する。4. 無料で試し、必要なら有料プランで独自ドメインや決済機能を追加して公開します。
注意点
- カスタマイズに限界があり、将来の拡張性が制約される場合があります。移行の手間も考慮してください。
- 無料プランは広告表示やサブドメインの制限がある点にご注意ください。
WordPressなどCMSを使う場合
概要
WordPressは世界で広く使われるCMSです。サーバーにインストールして、テーマやプラグインを組み合わせるだけで、個人ブログから企業サイトまで作れます。情報やサポートが豊富なのが利点です。
導入の基本的な流れ
- レンタルサーバーとドメインを用意します。多くの会社で「ワンクリックインストール」があります。
- WordPressをインストールし、管理画面にログインします。
- テーマで外観を決め、必要なプラグインを追加します。
テーマとプラグインの選び方
- テーマは目的に合ったデザインとカスタマイズ性を重視します。例:ブログ向け、コーポレート向け。
- プラグインは機能ごとに選びます。例:バックアップ、セキュリティ、フォーム、SEO。入れすぎると速度が落ちます。
基本設定と運用の注意点
- パーマリンクやサイトタイトルを設定します。
- SSL(https)を必ず有効にします。
- 定期的に更新とバックアップを行います。プラグインやテーマ、WordPress本体は古いと脆弱性になります。
セキュリティと速度対策
- ログインの試行制限や二段階認証を導入します。
- 画像最適化やキャッシュで表示速度を上げます。
こんな人に向いているか
- 自由にカスタマイズしたい人、将来拡張の予定がある人に向きます。技術的な設定は少し学ぶ必要がありますが、情報は多く手助けも得やすいです。
ホームページ公開までの流れ
1.準備するもの
まずサーバーとドメインを用意します。サーバーはサイトを置く場所、ドメインは住所のようなものです。レンタルサーバーやクラウド、独自ドメイン取得サービスを選びます。初心者は管理画面が分かりやすいレンタルサーバーがおすすめです。
2.サイトを作成する
ローカルでHTMLや画像を作るか、WordPressなどのCMSでページを作成します。HTMLならファイルをフォルダで整理し、CMSなら管理画面でテーマやプラグインを設定します。スマホ表示を必ず確認してください。
3.サーバーへアップロードする(HTMLの場合)
FTPソフト(例:FileZilla)やレンタルサーバーのファイルマネージャーでアップロードします。公開したいファイルは公開フォルダ(たとえばpublic_html)に入れます。ファイル名は半角英数字にし、日本語名は避けます。
4.CMSの場合の公開手順
WordPressなどは管理画面で公開ボタンを押すだけで反映されることが多いです。テーマやプラグインの設定、パーマリンクの確認も忘れずに行ってください。
5.ドメインとサーバーの紐づけ(DNS設定)
ドメイン側でネームサーバーをサーバー提供会社のものに変更するか、AレコードでサーバーのIPを指定します。設定の反映には数時間から最大48時間ほどかかることがあります。
6.SSL化(https)
SSL証明書を設定してhttpsにします。多くのレンタルサーバーは無料の自動発行(Let’s Encrypt)に対応しています。SSL設定後は、httpからhttpsへリダイレクトする設定を行います。
7.公開後の確認と運用
公開後はリンク切れ、画像表示、スマホ表示、フォーム動作をチェックします。検索エンジンに認識させるために、サーチコンソールへの登録やサイトマップ送信を行いましょう。定期的にバックアップを取り、更新を続けることが大切です。
8.トラブル時の対策
表示されない場合はDNSの反映状況、ファイル配置、パーミッション、ドメインの有効期限を確認します。エラーが出るときはサーバーのサポートに問い合わせると早く解決します。
検索されるための基本SEOとキーワード選定
はじめに
検索されるホームページにするには、ユーザーが何を調べるかを想像することが大切です。ここでは具体的な手順と注意点をわかりやすく説明します。
キーワード選定の基本
ユーザー目線で言葉を考えます。まずは想定する検索語を紙に書き出し、Googleサジェストや関連検索を見て広げます。具体例:『コーヒー 淹れ方』→『初心者 コーヒー ハンドドリップ』のようなロングテール語が狙い目です。
タイトルと説明文(メタディスクリプション)
タイトルには主なキーワードを自然に入れ、最初のほうに置きます。説明文は120〜160文字程度で要点を簡潔に伝えます。例:『初心者向けハンドドリップ入門|準備から淹れ方まで写真で解説』
ページ本文での入れ方
見出し(H1/H2)や冒頭文にキーワードを入れます。無理に繰り返さず、関連語や具体例を使って自然に書きます。ユーザーの疑問に答える構成にすると評価されやすいです。
ページ数と内部リンク
情報を細かく分けて関連ページを作ります。各ページを内部リンクでつなぎ、訪問者が回遊しやすい導線を作ります。これでサイト全体の評価が上がります。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を意識する
著者情報や実績、出典の明記、実際の写真や体験談を載せます。更新履歴を残すと信頼度が上がります。
チェックリスト(短い手順)
- 想定検索語を書き出す
- 関連語をリサーチする
- タイトルと説明文に反映する
- 本文は自然にキーワードを配置する
- 関連ページを増やして内部リンクを張る
- 著者情報や参考を明示する
よくある失敗と注意点
契約・更新の管理
ドメインやレンタルサーバーの更新忘れでサイトが消えるトラブルが多いです。契約情報と支払い方法を必ず記録してください。自動更新を設定し、期限の2週間前に通知を受け取ると安心です。
著作権と素材の扱い
ネット上の画像や文章を無断で使うとトラブルになります。フリー素材サイトやライセンスを確認して使ってください。引用する場合は出典を明記しましょう。
セキュリティとバックアップ
管理画面のパスワードは強力に設定し、定期的に変更します。CMSやプラグインは更新を怠らないでください。定期バックアップを外部に保存すると復旧が速くなります。
デザインと表示確認
スマホでの見え方を必ず確認してください。文字が小さい、リンクが押しにくいなどは離脱につながります。過剰なアニメーションやポップアップは控えめに。
運用の進め方(初心者向け)
最初は小さなページ数で始め、問題が出たら改善して機能を増やします。テスト環境で確認してから公開する習慣をつけると安全です。
公開前チェックリスト
リンク切れ、フォーム動作、表示崩れ、表示速度を確認してください。問題があれば優先順位をつけて対応しましょう。
第10章: まとめ・初心者におすすめのステップ
ここまでのポイントを短くまとめ、初心者向けに実践しやすい順でおすすめのステップを示します。
- まずは体験: 無料の作成サービスやテンプレートで1ページ作ってみます。操作感や仕組みが分かります。
- 基本を理解: ページ構成(トップ、問い合わせ、プロフィール)と画像やリンクの扱いを覚えます。
- HTMLに挑戦: 簡単なHTMLで手を動かし、ソースを直接見る習慣を付けます。
- CMSを試す: WordPressなどで記事投稿やテーマ変更を試し、更新の流れを学びます。
- 公開準備: ドメイン・サーバー・バックアップを用意し、スマホ表示を確認します。
- コンテンツ重視: 読者に役立つ情報を定期的に更新します。
- 選択肢を考える: デザインやSEOを重視する場合は制作会社に相談すると効率的です。
小さく始めて、少しずつ広げることをおすすめします。質問があれば気軽にどうぞ。












