直帰率と計算式をわかりやすく徹底解説!基本と違いも紹介

目次

はじめに

本記事の目的

本記事は、Webサイトの「直帰率(バウンスレート)」について、基礎から具体的な活用法までを分かりやすく解説することを目的としています。専門用語はできるだけ避け、具体例を交えて説明します。

なぜ直帰率が重要か

直帰率は、訪問者がページを開いてすぐに離れた割合を示します。例えば、商品ページを見てすぐに離れる人が多ければ、説明や導線に問題がある可能性があります。直帰率を理解すると、改善すべきポイントが見えやすくなります。

対象読者

サイト運営者、コンテンツ作成者、マーケティング担当の方を想定しています。解析初心者でも読み進められるよう、丁寧に説明します。

記事の構成

第2章から第9章までで定義・計算方法・ツールごとの違い・離脱率との違い・目安・原因・改善方法・確認手順を順に解説します。実務で使える知識を中心にお伝えします。

まずは直帰率の基礎を一緒に押さえていきましょう。

直帰率とは

定義

直帰率(バウンスレート)とは、訪問者がサイトや特定ページに来て、最初に見たページだけを見て離脱した割合を示す指標です。全体のセッションに対して「1ページだけで終わった」セッションが占める割合で表します。

具体例

例えば、あるページに100人が訪れて、そのうち40人がそのページだけ見て別のページへ移動せずに離れた場合、直帰率は40%です。計算は簡単で、(1ページだけのセッション数)÷(総セッション数)×100です。

何が「直帰」に当たるか

直帰には、別ページに移動しないこと以外に、ページ上での特別な操作(お問い合わせボタンのクリックや動画再生など)を計測する設定がない場合も含まれます。解析ツールでイベントを設定すれば、これらの操作は直帰とは見なされないことがあります。

なぜ重要か(簡単に)

直帰率はページの魅力や導線の分かりやすさを示す手がかりになります。ただし、ページの目的によって高い直帰率が必ずしも悪いとは限りません。例えば、問い合わせ先や電話番号が載ったランディングページは「1ページで目的が達成」されやすく直帰率が高くなります。

次に読むと良い話題

直帰率の計算方法や、離脱率との違い、測定方法の違いは他の章で詳しく説明します。

直帰率の計算式

基本の計算式

直帰率(%)=(直帰セッション数 ÷ 総セッション数) × 100

用語の説明

  • 直帰セッション数:訪問者がサイトや特定ページを入口にして、1ページだけ閲覧して離脱したセッション数です。\
  • 総セッション数:そのページまたはサイトを入口にした訪問(セッション)の合計数です。

ページ単位の具体例

あるページAから訪問を始めたセッションが200件あり、そのうち50件が他のページに移動せず離脱したとします。計算は次の通りです。
直帰率=(50 ÷ 200)× 100 = 25%

サイト全体での計算

サイト全体では、全ページを入口としたセッションの合計と、1ページだけで終わったセッションの合計を同じ式で計算します。ページごとに直帰率を出して重み付け平均を取る方法も使えます。

計算時の注意点

  • 小さなサンプル数では直帰率が大きくぶれます。\
  • 計測方法やイベントの扱いで直帰の判定が変わる点に注意してください。

Googleアナリティクスによる直帰率の違い

UA(ユニバーサルアナリティクス)の定義

UAでは「直帰」は『1ページだけ見て離脱したセッション』を指します。訪問者が最初のページ以外に何も読み込まなければ直帰とカウントされます。例えば、トップページを開いて別のページに移動しなければ直帰です。

GA4(Googleアナリティクス4)の定義

GA4では直帰率を直接使わず、まず「エンゲージメント率」を計算します。エンゲージメント率は「エンゲージメントが発生したセッション数÷全セッション数」で、直帰率は「(1 − エンゲージメント率)×100」です。エンゲージメントには次が含まれます:10秒以上の閲覧、2ページ以上の閲覧、またはイベント発生。

実務での違い(具体例)

例1:1ページだけ、閲覧時間15秒 → UAは直帰、GA4は“エンゲージメントあり”で直帰にならない。
例2:1ページだけ、閲覧時間5秒で動画再生イベントあり → GA4はイベントでエンゲージメント扱い。UAではイベントを「インタラクション」に設定していなければ直帰のままになります。

比較時の注意点

UAとGA4の数値は直接比べないでください。計測の考え方が異なります。GA4ではエンゲージメント率を使って訪問の質を評価する方が自然です。計測方法を揃えたい場合は、イベント設定や閾値を見直してください。

離脱率との違い

概要

直帰率と離脱率は似ていますが、見る対象が違います。直帰率は「そのページを入口にした訪問(セッション)」のうち、ほかのページに移動せずサイトを離れた割合を示します。一方、離脱率は「そのページを見たすべての訪問」のうち、そこでサイトを離れた割合です。

計算式

  • 直帰率=直帰セッション数 ÷ セッション数 ×100(ランディングページが対象)
  • 離脱率=離脱数 ÷ ページビュー数 ×100(すべてのページが対象)

具体例

例えば、Aページが100回ランディングされ、そのうち40回が他ページへ行かずに離脱したら直帰率は40%です。一方、Aページ全体の閲覧が500回あり、うち150回がそこで離脱なら離脱率は30%になります。

見方と注意点

  • 直帰率はページの「入口」としての力を診断できます。
  • 離脱率はページが「訪問の最後」になりやすいかを示します。ページの役割(最終ページか導線か)によって高低の解釈が変わります。例えば購入完了ページは高い離脱率が通常で問題になりません。
  • 両方を合わせて見ると、どのページが離脱を招いているか、どの入口が改善すべきかが分かりやすくなります。

直帰率の目安(平均値)

概要

直帰率の平均値はサイトの目的や扱うコンテンツによって大きく変わります。単純に低ければ良い、とは言えません。まずは自分のサイト種別に合った目安を押さえましょう。

ジャンル別の目安(およその範囲)

  • ECサイト:20〜45%
  • 商品を比較・購入する過程で複数ページを閲覧するため、比較的低めが望ましいです。
  • コンテンツサイト(情報提供型):35〜60%
  • 記事を読んで満足すると離脱しやすく、幅が出ます。
  • LP(ランディングページ)・ポータル:60〜90%
  • 1ページで完結する目的が多く、直帰が高くなりやすいです。
  • ブログ・ニュース:高めになりやすい
  • 記事を読んでそのまま離脱するケースが多いです。

目安の見方と注意点

目安は参考値です。流入元(検索・SNS・広告)、デバイス(スマホは直帰が高くなる傾向)や掲載ページの役割で大きく変わります。また、サンプル数が少ないと月ごとの変動も大きいです。

実務での使い方

同業他社や過去の自分の数値と比較して改善ポイントを見つけます。セグメントごと(流入元・デバイス・ページタイプ)に確認し、小さな改善を繰り返すと効果が出やすいです。

直帰率が高くなる主な原因

コンテンツがユーザーの期待と合致していない

ユーザーが検索やリンクから来たとき、期待した情報が見つからなければすぐ離脱します。例えば「◯◯のやり方」を求めて来たのに概要だけしかなければ読まずに戻ります。対策としては見出しや導入で結論を明示し、目次や要点を冒頭に置くと効果的です。

ページの表示速度が遅い

読み込みに時間がかかると待てずに戻られます。画像が重かったり、不要なスクリプトが動いていると遅くなります。画像を圧縮する、不要な外部スクリプトを減らすと改善します。

ナビゲーションや内部リンクが分かりにくい

次にどこを見ればよいか分からないと滞在が短くなります。カテゴリや関連記事の導線が明確でない場合も同じです。導線を簡潔にし、関連コンテンツを目立つ場所に配置してください。

スマートフォン未対応(レスポンシブでない)

スマホ画面で読みづらいとすぐ閉じられます。文字が小さい、ボタンが押しにくいといった問題が起こります。スマホ表示を確認して、ボタンや段組みを調整してください。

広告やポップアップが過剰

画面を覆う広告や頻繁に出るポップアップはユーザーを煩わせます。重要な情報を隠す広告は直帰の原因になります。表示頻度を下げ、閉じやすくすることをおすすめします。

広告や検索キーワードとのミスマッチ

広告文や検索結果のスニペットが実際の内容と違うと失望されます。広告文やメタディスクリプションは正確に書き、ページ内容と整合性を保ってください。

読みにくい文章や構成の悪さ

長い文章がだらだら続くと読まれません。結論→理由→具体例の順で簡潔に書き、見出しや箇条書きを使って読みやすくしましょう。

直帰率の改善方法

以下は直帰率を下げるための具体的で実行しやすい方法です。手順ごとに分かりやすく説明します。

1. タイトルとディスクリプションを見直す

検索結果やSNSの表示文がページ内容と一致しているか確認してください。たとえば「初心者向けガイド」と書いているのに専門用語だらけなら、訪問者はすぐ離れます。期待に沿う表現に変えるだけで滞在時間が伸びます。

2. ページ表示速度を改善する

画像を圧縮し、不要なスクリプトを削除します。ページ表示が3秒以内になるよう目標を立てると効果が出やすいです。遅いとユーザーは待たずに離れてしまいます。

3. 内部リンクや誘導バナーを設置する

本文中に関連記事へのリンクを自然に入れ、記事下に関連コンテンツや次に読むべき記事のバナーを出します。ボタンは目立つ色で、スマホでも押しやすい大きさにしてください。

4. モバイル最適化を行う

フォントやボタンが小さすぎないか、画面幅に合わせて表示されるか確認します。読みやすさを優先すると直帰率が下がります。

5. ユーザー行動を分析して改善する

ヒートマップやセッション録画で訪問者の動きを見てください。どこで離脱しているか分かれば、該当箇所を修正できます。たとえば導線が分かりにくければ見出しを増やす、情報が多すぎれば箇条書きにするなどです。

6. 小さなA/Bテストを繰り返す

見出し、ボタン文言、画像を少しずつ変え、効果を比べます。1回で大きな改善を狙うより、小さな改善を続ける方が確実です。

7. 過剰なポップアップや広告を控える

接触点が多すぎると離脱の原因になります。必要な告知ははっきりさせ、邪魔にならないタイミングで表示してください。

以上を順に実施し、改善のたびにデータで効果を確認してください。短期間で大きな変化は難しいですが、継続的な見直しで確実に直帰率は下がります。

直帰率の確認方法(Googleアナリティクス)

UA(ユニバーサルアナリティクス)での確認方法

  1. Googleアナリティクスにログインし、該当のプロパティを選びます。
  2. 左メニューで「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」をクリックします。
  3. 表内に「直帰率」列があり、ページごとの直帰率を確認できます。
  4. 期間設定やセグメント(集客別、デバイス別など)を上部で変更して比較してください。

GA4での確認方法(基本)

  1. GA4にログインし、該当プロパティを選びます。
  2. 左メニューで「レポート」→「ライフサイクル」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン(Pages and screens)」を開きます。
  3. GA4は従来の「直帰率」を標準で表示しません。代わりに「エンゲージメント率」や「エンゲージメントのないセッション数」を確認します。
  4. 直帰率を知りたい場合は、簡易計算で「直帰率 = 100% – エンゲージメント率」を使えます。

GA4でカスタムレポート(探索)を使って算出する方法

  1. 左メニューの「探索(Explorations)」→「空白」を選択します。
  2. 指標に「セッション」「エンゲージメントのあるセッション(engaged sessions)」や「エンゲージメント率」を追加します。
  3. 計算式で「直帰率 = (sessions – engaged_sessions) / sessions * 100」と設定すればページごとの直帰率が作れます。

注意点とコツ

  • 期間や比較セグメントを変えると数値が変動します。必ず同条件で比較してください。
  • UAとGA4では計測方法が違うため、数値をそのまま比較しないでください。

第10章: まとめ

  • 直帰率の基本

直帰率は「直帰セッション数 ÷ 総セッション数 × 100」で計算します。単一ページだけを見て離脱した訪問の割合を示します。数値だけで判断せず、ページの目的(情報提供、購入、問い合わせ)と照らし合わせて見ましょう。

  • GA4での考え方

GA4では「1 − エンゲージメント率」で直帰に相当する概念を扱うことが増えました。エンゲージメント(滞在時間やイベント発火など)を基準にするため、従来の直帰率と見え方が変わる場合があります。

  • 実務での注意点

直帰率と離脱率は別物です。直帰率は入口ページだけ、離脱率はそのページ上の離脱全体を見ます。どの流入経路で直帰が高いか、どのページで改善が必要かを確かめて優先順位をつけましょう。

  • 今すぐできる改善アクション(例)
  • ランディングページの導線を簡潔にする。2. ページ表示速度を改善する。3. 明確な次の行動(CTA)を置く。

これらを試して効果を計測し、仮説検証を繰り返すことでサイトは着実に良くなります。短期の数値変動に一喜一憂せず、目的に合わせた指標で判断してください。

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