はじめに
目的
本章では、本資料の狙いと読んでほしい人を明確にします。サイトリニューアルを検討する際に、見積もりの相場や内訳を知り、適切な予算配分と発注先の判断ができるようにします。
誰に向いているか
- 自社サイトのリニューアルを考えている経営者・担当者
- 外注先を比較しようとしている広報・マーケティング担当者
- 初めて外注するため相場や項目を知りたい方
具体例を挙げると、コーポレートサイトを改善したい中小企業や、ECサイトの使い勝手を向上させたい事業者に役立ちます。
本資料の構成と使い方
第2章は相場感、第3章は見積もりの内訳、第4章は予算別の実現目安、第5章は依頼時の注意点、第6章はよくある質問を扱います。必要な章だけを参照しても分かるように、各章は独立して読みやすく構成しています。
注意点
リニューアルの費用は規模や要件、依頼先のレベルで大きく変わります。本資料は一般的な目安を示しますが、最終的には複数社の見積もりを比較して判断してください。
サイトリニューアルの見積もり相場
概要
サイトリニューアルの費用は幅があります。小規模なら10万円〜50万円、中規模で200万円〜800万円、大規模では1,000万円以上が目安です。サイトの種類やページ数、依頼先で差が出ます。
費用の目安と具体例
- 小規模(10万〜50万): テンプレート使用の企業1〜5ページ、簡単な問い合わせフォーム。デザインは既存を踏襲する場合が多いです。
- 中規模(200万〜800万): 10〜50ページ、オリジナルデザイン、CMS導入、簡易ECや多言語対応を含む場合。デザイン・開発の調整が増えます。
- 大規模(1,000万〜): 大量ページ、会員制機能、外部システム連携、マーケティング自動化など。要件定義やテストに時間とコストがかかります。
費用が変わる主な要因
- ページ数とコンテンツ量(原稿作成や画像制作の有無)
- デザインのカスタマイズ度合い
- システム連携(予約、決済、CRMなど)
- レスポンシブ対応やアクセシビリティ要件
- テストや保守・運用サポートの有無
依頼先ごとの違い
- フリーランス: 単価が安めで小規模に向く。コミュニケーションは密になりやすい。
- 制作会社・デザイン事務所: 企画から運用まで一貫対応。中規模案件に適します。
- 大手/システム開発会社: 大規模・複雑な要件に強いが費用は高めです。
見積もりを比較する際のポイント
- 項目別の内訳を出してもらう(デザイン・開発・検証・運用)
- 納期と修正回数の範囲を明確にする
- 追加費用の想定を聞く(外注やライセンス費)
- 余裕として見積もりの10〜20%を想定しておく
これらを踏まえ、まずは要件を整理して複数社に相談すると良いです。
見積もりの主な内訳項目
サイトリニューアルの見積もりは、項目ごとに何をするかで金額が変わります。ここでは一般的な内訳と、具体的に何が含まれるかを分かりやすく説明します。
サイト設計費(情報設計・要件定義)
ページ構成や導線、ワイヤーフレーム作成、要件の整理を行います。目安は20万円前後~100万円程度。ページ数や機能の多さで増えます。
デザイン費
トップページや下層テンプレート、レスポンシブ対応のデザインを作ります。目安は15万円~数十万円。ブランド対応や複雑なビジュアルは高くなります。
コーディング費(HTML/CSS/JavaScript)
デザインを実際のページに変換します。CMSテンプレート化やアニメーション、アクセシビリティ対応があると費用が上がります。目安は15万円~30万円以上。
CMS構築費
WordPressなどの導入、管理画面のカスタマイズ、記事テンプレート作成を行います。既存テーマ利用と完全カスタムで費用が変わります。
機能開発費
会員機能、ECカート、検索や外部API連携などの追加機能です。要件が複雑だと工数が大きく増えます。
SEO対策費用
キーワード調査、メタ設定、内部構造の最適化、必要に応じてコンテンツ作成を行います。初期対策と継続運用で費用が分かれます。
動作確認・検証費
ブラウザ・端末での表示確認、フォーム動作確認、必要に応じて負荷検証を実施します。テスト範囲が広がると費用が増えます。
プロジェクト管理費(PM費)
進行管理、スケジュール調整、クライアントとのやり取りを行う費用です。見積もり全体の一部として計上されます。
見積もりを受け取る際は、各項目に何が含まれるかを確認してください。追加作業や保守の扱いを明確にすると、後からのトラブルを防げます。
予算別でできること・ページ数・制作期間目安
ここでは代表的な予算帯ごとに、期待できる成果、目安のページ数、制作期間、含まれる作業を分かりやすく示します。
200万円〜
- ページ数の目安:〜30ページ
- 制作期間:2〜3ヶ月
- 含まれる作業:基本設計、デザイン、コーディング、レスポンシブ対応。軽微なCMS導入や簡易フォームを含む場合があります。
- 想定例:中小企業のコーポレートサイト、サービス紹介ページ
500万円〜
- ページ数の目安:30〜60ページ
- 制作期間:3〜5ヶ月
- 含まれる作業:CMS構築(編集しやすい管理画面)、お問合せフォームの充実、基本的なSEO初期施策(キーワード整理、内部施策)、運用マニュアル作成
- 想定例:採用サイト、店舗一覧を伴う企業サイト
800万円〜
- ページ数の目安:60〜100ページまたは機能重視
- 制作期間:4〜6ヶ月
- 含まれる作業:要件定義・設計、会員機能や予約、外部API連携などの開発、パフォーマンス改善、総合的なテスト
- 想定例:会員制サイト、予約・受付機能を伴うサービス
1,500万円〜
- ページ数の目安:100ページ以上、または個別開発が必要な大型案件
- 制作期間:6ヶ月〜1年程度
- 含まれる作業:システム要件定義、個別のバックエンド開発、長期的なコンテンツ戦略やSEO計画、外部システム統合、運用体制の構築
- 想定例:大規模企業サイト、プラットフォーム構築
予算決定のポイント
- まず要件を明確にして優先度を決めると無駄が減ります。
- 保守や更新の費用も初期予算に含めて検討してください。
- スケジュールには余裕を持たせることをおすすめします。
見積もりを依頼する際の注意点
リニューアル見積もりを依頼するときは、範囲と目的を明確に伝えることが何より重要です。
1) リニューアル範囲をはっきりさせる
- 対象ページ(例:トップ、採用、商品ページ)や機能(例:問い合わせフォーム、会員機能)を具体的に示します。
- 現行サイトの問題点や改善したい点を箇条書きにして渡すと見積もり精度が上がります。
2) 依頼先の実績・専門性を確認する
- 過去の事例や業種・技術の得意分野を確認します。似た業種の制作実績があると安心です。
- 担当者の役割分担やコミュニケーション方法も事前に確認してください。
3) 見積書は項目ごとに比較する
- デザイン費、コーディング費、CMS導入、テスト、保守など項目別に金額を出してもらいます。
- 単価や作業時間の目安を聞くと比較しやすくなります。
4) 追加費用発生時の対応を確認する
- 仕様変更や追加要望が出た場合の料金計算方法(時間単価、固定見積もり)を明確にします。
- 上限や承認フロー、連絡方法を契約前に決めておくとトラブルを防げます。
5) 費用対効果を意識する
- ただ安いだけで選ばず、期待する効果(集客・問合せ増加・運用負荷軽減)と照らして判断してください。
準備資料(現行サイトURL、ページ一覧、希望納期、予算目安)を用意すると、見積もりがスムーズに進みます。
よくある質問・関連情報
サイトリニューアルでよく質問される点と、見積もり依頼に役立つ情報をわかりやすくまとめました。
よくある質問(Q&A)
Q: SEO対策は見積もりに含まれますか?
A: 多くの場合、継続的なSEO対策は別料金で月額数万円〜数十万円が相場です。初期の内部最適化は見積に含まれることがあります。
Q: 費用を抑える方法は?
A: ページ数を絞る、既存コンテンツを流用する、テンプレートを使う、段階的にリニューアルするなどが有効です。
Q: 制作期間の目安は?
A: 小規模(5〜15P)で1〜2か月、中規模(20〜50P)で2〜4か月、大規模は4か月以上を想定してください。
Q: 保守や更新はどうなりますか?
A: 月額保守やスポット対応があります。CMSやセキュリティ対応の範囲を事前に確認してください。
Q: 納品物と権利は?
A: データやソース、画像の扱いと著作権の帰属は契約で明確にします。CMSのアカウント移譲も確認しましょう。
見積もり依頼時の準備(チェックリスト)
- 現状サイトのURL
- リニューアルの目的(集客・ブランド強化など)
- 予算感と希望納期
- 参考にしたいサイトのURL
- 必要な機能一覧(問合せフォーム、EC、会員機能など)
この情報を事前に用意すると、正確な見積もりを受け取りやすくなります。ご不明点があれば気軽に相談してください。












