はじめに
本資料の目的
本資料は、ホームページやWebサイトに「目次」を設置する理由と方法をやさしく解説することを目的とします。読み手が目的の情報にすばやくたどり着けるようにする実用的な手順とポイントを示します。HTMLでの基本実装からWordPressでの方法まで、具体例を交えて説明します。
対象読者
- サイト運営をこれから始める方
- ブログや企業サイトの見やすさを改善したい方
- HTMLやWordPressの基本は知っているが、目次の作り方に不安がある方
本資料の使い方
章ごとに目的をはっきり示し、実践的な手順と注意点を並べます。コード例やプラグイン設定は実際にコピーして試せるようにしています。まず第2章で目次の役割を理解し、第5章以降で具体的な実装に進むことをおすすめします。
注意点
目次は読みやすさを高めますが、無意味に項目を増やすと逆効果になります。適切な見出し構成を心がけてください。
ホームページにおける目次とは?
定義
目次とは、ウェブページ内の見出しや項目を一覧にして、各見出しへ直接ジャンプできるリンク集です。記事の冒頭やサイドバーに置き、ページ全体の構成をひと目で示します。読者が欲しい情報へ素早く移動できるため、利便性が高まります。
主な種類
- 手動で作る静的な目次:編集者がリンクを設定します。短いページや厳密な構成管理に向きます。
- 自動生成される目次:見出しタグをもとにプログラムが作成します。長文記事や更新頻度が高い記事で便利です。
設置場所と役割
- 記事冒頭:読む前に全体像を把握できます。
- サイドバー:ページをスクロールしながら参照できます。
- フローティング(画面固定):長いページで常にアクセス可能にします。
主な要素
- 見出しへのアンカーリンク
- 見出しの階層表示(大見出し→小見出し)
- 折りたたみや展開機能(項目が多いときに有効)
どんな時に有効か
- 記事が長い、項目が多い場合
- 読者が特定の情報だけを探すとき
- アクセシビリティを向上させたいとき
短い記事や単純な内容では必須ではありませんが、情報量があるページでは導入をおすすめします。
第3章: 目次を設置するメリット
はじめに
目次を設置すると、ユーザーが欲しい情報にすぐ到達できます。これにより離脱率が下がり、満足度が上がります。以下で具体的なメリットを分かりやすく説明します。
ユーザビリティの向上
目次はページ内の案内板になります。たとえば長い商品ページでは「料金」「仕様」「よくある質問」へすぐ飛べるため、探す手間が減ります。訪問者は目的の情報に素早く到達でき、操作の負担が少なくなります。
ページ離脱率の低下・満足度の向上
目次を使って必要な情報へ即座に移動できれば、用が済んだ段階で離脱するケースが減ります。FAQや解説記事では特に効果が高く、結果としてユーザーの満足感が高まります。
滞在時間と閲覧量の増加
目次から別の見出しへ移動することで、ページ内の閲覧箇所が増えます。関連セクションを次々に確認してもらえるため、滞在時間やページ内の閲覧数が自然と伸びます。
長文コンテンツの可読性向上
長いガイドや手順ページでは途中の情報が見逃されがちです。目次があると全体構成が把握しやすくなり、読み進めやすくなります。料理レシピや使い方マニュアルで特に有効です。
サイト内回遊の促進
目次内に関連ページへのリンクを入れれば、ユーザーを他コンテンツへ誘導できます。結果としてサイト全体の回遊率が向上し、目的達成につながりやすくなります。
実践的なヒント
- 目次は記事の冒頭に置く
- 項目は短く具体的に書く(例:「料金」より「初期費用・月額」)
- スマホでは折りたたみ式にして見やすくする
- クリックでジャンプするアンカーを必ず設定する
これらの工夫で目次は単なる案内以上の力を発揮します。
目次のSEO効果
概要
目次自体が直接的に検索順位を上げることを断定する証拠は少ないです。ただし、目次がもたらすユーザー体験の改善によって間接的にSEOに良い影響を与えることは十分に考えられます。
ユーザビリティによる間接的効果
目次は訪問者が欲しい情報へすぐに到達できるようにします。例えば長い解説記事で、目的の見出しへワンクリックで飛べれば滞在時間が伸び、離脱率が下がります。検索エンジンはこうした行動データを評価に使うため、結果的に評価が上がる可能性があります。
検索結果での表示(サイト内リンク)とCTR
Googleは時に目次のリンクを検索結果にサイト内リンクとして表示します。これが出ると、検索結果上で目立ちやすくなりクリック率(CTR)が上がることが期待できます。タイトルだけで伝えきれない内容が目次で見える化されるため、ユーザーの関心を引きやすくなります。
技術面での補助要素
アンカーリンクが正しく設定されていること、見出しタグ(h2/h3など)を論理的に使っていることは重要です。構造化データ(Schema)を適切に設定すると、検索エンジンがページ構造を理解しやすくなります。ページ読み込み速度に悪影響を与えない範囲で目次を実装してください。
実務的なポイント
- 目次は長いページに優先的に導入する。短い記事では冗長になります。
- アンカー名は分かりやすく付ける(例:「料金プラン」など)。
- 表示/非表示の切替を使う場合は、クローラーがリンクを辿れるように工夫する。
- 効果はGoogleサーチコンソールやアクセス解析で滞在時間・CTRの変化を確認する。
ホームページでの目次の作り方(HTML編)
概要
HTMLだけで目次を作る基本は、リストタグ(
- や
- 各見出しにユニークなidを付ける(例:id=”section1″)。
- 目次を
- または
- で作り、リンクを貼る。
- 入れ子のリストで階層を表現する。
- idはページ内で重複させない。
- 長すぎるidは避ける。
- ページ内のスクロール位置が見出しに隠れないよう、固定ヘッダーがある場合はオフセットを調整してください(CSSやJavaScriptで対応)。
- ページビルダー(Elementor等)を使う場合、専用ウィジェットやショートコードを活用すると便利です。
- アクセス解析やキャッシュと干渉する場合は、プラグインのキャッシュ設定やテーマとの相性を確認してください。
- スマホ表示では折りたたみやスクロールの挙動を必ず確認しましょう。
- HTMLで直接組み込むか、WordPressならプラグインで簡単に導入できます。プラグインは専門知識がなくても使えます。
- 見出し(h1/h2/h3)を正しく使い、目次は過剰にならないようにします。
- モバイル表示やアクセシビリティ(キーボード操作やスクリーンリーダー)も確認してください。
- 目次リンクが正しく動作する
- 見出しの階層が論理的である
- デザインがページを邪魔していない
- アクセス解析で効果を確認する
- )とアンカーリンク()を使うことです。各見出しにid属性を付け、目次から該当箇所へ移動できるようにします。
基本手順
コード例
<ol>
<li><a href="#introduction">はじめに</a></li>
<li>
<a href="#usage">使い方</a>
<ol>
<li><a href="#usage-step1">ステップ1</a></li>
</ol>
</li>
<li><a href="#contact">お問い合わせ</a></li>
</ol>
<h2 id="introduction">はじめに</h2>
<h2 id="usage">使い方</h2>
<h3 id="usage-step1">ステップ1</h3>
<h2 id="contact">お問い合わせ</h2>
階層化のコツ
見出しレベル(h2→h3など)に合わせてリストを入れ子にします。idは短く、スペースを避けてハイフンやアンダースコアを使うと安全です。
注意点
アクセシビリティ
リンクに意味のあるテキストを使い、順序通りのリストにしておくとスクリーンリーダーで読みやすくなります。
WordPressでの目次作成方法(プラグイン・手動)
プラグインで簡単に作る
おすすめは「Table of Contents Plus」「Easy Table of Contents」です。手順は次の通りです。
1. プラグインを検索してインストール・有効化
2. 設定画面で「自動挿入」をオン(投稿・固定ページを選択)
3. 抽出する見出しレベル(例:H2〜H4)を指定
4. 表示位置・折りたたみ・デザイン(字体や色)を調整
ポイント:自動抽出なので見出しタグを正しく使うときれいに生成されます。目次が重く感じる場合は自動挿入をオフにして手動に切替えます。
手動で作る(カスタムHTMLブロック)
カスタムHTMLブロックに目次のHTMLを直接書きます。例:
対応する見出しにidを付けます:
見出し1
メリットは細かなデザイン調整と軽さです。デメリットは記事を更新するたびに目次を手直しする必要がある点です。
実用的な注意点
目次設置のデザイン・ユーザビリティの工夫
見た目の統一と装飾
目次はサイト全体のデザインに合わせて装飾しましょう。ボックス化や色分け、アイコン追加で視認性が上がります。例えば、サイトのアクセントカラーで見出しを強調すると統一感が出ます。
位置と固定表示の工夫
画面上部やサイドバーに設置すると見つけやすいです。スクロールに追従する「固定表示(sticky)」を使えば、どの位置からでも目次にアクセスできます。サイドバーは長いページで特に有効です。
操作性とインタラクション
現在表示中の見出しをハイライトする、クリックで折りたたみ可能にするなどの工夫で使いやすくなります。アニメーションは控えめにし、表示の遅れが出ないようにします。
スマホやタッチ操作への配慮
スマホではスペースを節約するために折りたたみ式やドロップダウンを使います。タップしやすい大きさのリンクにし、余白を十分に取って誤操作を防ぎます。
アクセシビリティとキーボード操作
リンクにはわかりやすいテキストを付け、キーボードで移動できるようにします。スクリーンリーダー用のaria属性を付けると親切です。
実装のヒント
CSSでボーダーとパディングを整え、現在位置の色変えはJavaScriptで簡単に実装できます。まずはシンプルな目次から始め、ユーザーの反応を見て改良しましょう。
目次設置時の注意点
見出しと目次の対応を保つ
目次は本文の見出しと一致させます。見出しタグ(例:h2、h3)を適切に使い、見出しを追加・削除したら目次も更新してください。対応がずれるとリンク切れや誤誘導の原因になります。
目次の長さを適度にする
長い目次は読者の負担になります。重要な見出しだけを抽出するか、最初は上位見出しのみ表示して「もっと見る」を設けると見やすくなります。
自動生成プラグインを使う際の注意
自動生成でも見出し構造が正しくないと誤った目次になります。見出しに空白や特殊文字が入らないか確認し、重複IDがないようにします。プラグインの設定で除外ルールを使うと便利です。
ユーザビリティとアクセシビリティ
スマホでは折りたたみや固定表示が有効です。キーボード操作やスクリーンリーダーでも使えるか確認します。アンカーリンクは遅延スクロールやオフセット(ヘッダー分の余白)を考慮してください。
更新とテスト
コンテンツ変更後は必ず目次リンクをテストします。内部リンクが正しく動くか、表示崩れがないかを複数の端末で確認しましょう。
まとめ
ポイントの整理
ホームページに目次を設置すると、訪問者が目的の情報にすばやく到達でき、滞在時間や満足度が向上します。検索エンジンも見出し構造を理解しやすくなり、結果としてアクセス改善につながることが多いです。
実装の要点
導入後のチェックリスト
最後に一言
まずは小さなページで試して効果を確かめることをおすすめします。プラグインを使えば短時間で導入でき、改善点が見つかれば調整しやすいです。目次は訪問者に優しい工夫ですので、ぜひ取り入れてください。












