awsとwordpressで始める初心者向けホスティング完全入門ガイド

目次

はじめに

本ドキュメントの目的

このドキュメントは、AWS上でWordPressを運用する際に必要な情報を分かりやすくまとめたものです。初心者向けの簡単な方法から、性能や拡張性を重視した構成まで比較し、実際の構築や運用に役立つ知見を提供します。

対象読者

  • 個人でブログを始めたい方
  • 会社の小規模サイトやテスト環境を作る技術担当者
  • 既存サイトをクラウドに移行したい開発者
    専門用語は最小限に抑え、具体例を交えて説明します。

本書の範囲

Lightsailのような簡単な選択肢から、EC2+RDSなどの上級構成までを扱います。各方式のメリット・デメリット、運用コストの考え方、セキュリティやバックアップの基本も含めます。

読後に得られること

  • 自分の用途に合ったAWS上のWordPressホスティングの選び方
  • 導入時の注意点や運用で押さえるべきポイント
  • 次の章で学べる具体的な構築手順の見通し

前提と注意点

本書はAWSの基本操作に不慣れな方でも読み進められるように書いています。コストやサービスの細部は用途によって変わるため、実際に構築する前に見積もりを取ることをおすすめします。

AWSでのWordPressホスティングの基礎知識

概要

AWSでのWordPressホスティングとは、Amazonのクラウド上にWordPressを設置して運用することです。北海道や東京のデータセンターを選べば、訪問者に近いサーバーで表示が速くなります。必要に応じてCPUやストレージを増減できます。

なぜAWSを選ぶのか

  • 柔軟性:アクセスが増えたらサーバーを大きくできます(例:セール時に瞬間的に増えるアクセスに対応)。
  • 可用性:複数の場所にバックアップを置き、止まりにくくします。

基本サービスと役割(具体例で説明)

  • EC2(仮想サーバー):WordPress本体を動かす家のようなもの。例:中小サイトはt3.smallから始める。
  • RDS(データベース):投稿や設定を保管する専用の箱。運用負担が減ります。
  • S3(オブジェクトストレージ):画像やバックアップを置く倉庫。容量を気にせず保存できます。
  • ELB(ロードバランサー):来た人を複数のサーバーに振り分け、混雑を防ぎます。
  • Route53(DNS):独自ドメインをAWSに向ける住所録です。
  • VPC(ネットワーク):サーバー同士の道を安全に分けます。
  • Auto Scaling:負荷に応じてサーバー台数を自動で増減します。
  • IAM(認証管理):誰が何をできるかを細かく決めます。

スケーリングと可用性の考え方

小さなブログは単一のEC2で始められます。アクセスが増えたら、RDS化やAuto Scalingで対応します。写真が多い場合はS3に移すと負担が減ります。

コストとセキュリティの基本

コストは使った分だけ請求されます。試験的には無料枠や小さいインスタンスで始めると安心です。セキュリティは定期的なアップデートと、IAMやネットワーク制限で守ります。

AWSのWordPressホスティングオプション比較

概要

AWSでWordPressを動かす主な選択肢は3つです。簡単に始めたいならAmazon Lightsail、柔軟に構築したいならAmazon EC2、ストレージ用途ならAmazon S3を使います。用途に合わせて向き不向きがはっきり分かれます。

Amazon Lightsail(初心者向け)

  • 特長:WordPressがプリインストールされたテンプレートを選ぶだけで立ち上がります。月額固定の料金プランがあり、費用を予測しやすいです。
  • 利点:セットアップが早く、管理画面で簡単に再起動やスナップショットができます。小~中規模のブログやサイトに適します。
  • 注意点:高度なカスタマイズや大規模な自動スケールには向きません。

Amazon EC2(上級者向け)

  • 特長:仮想サーバーを自由に設定できます。ミドルウェアやキャッシュ構成、ロードバランサーとの連携も可能です。
  • 利点:トラフィック増加時の拡張や細かな性能チューニングができます。AWSの他サービスと組み合わせやすい点も強みです。
  • 注意点:初期設定と運用管理の負担が大きく、バックアップやセキュリティは自分で設計・実行します。

Amazon S3(ストレージ向け)

  • 特長:オブジェクトストレージで、永続的なファイル保存に強みがあります。画像や動画、バックアップの保存に最適です。
  • 利点:高耐久で容量単価が安く、静的ファイルの配信に向きます。
  • 注意点:S3単体では動的なWordPress実行環境を提供しません。フルサイトのホスティングには別途サーバーが必要です。

選び方のポイント

  • 小規模ブログ:短時間で始めたいならLightsail。コストも予測しやすいです。
  • 成長や高負荷対応:細かく制御したいならEC2。スケールや他サービス連携を重視する場合に向きます。
  • メディア管理・バックアップ:S3を使い、サーバーはLightsailかEC2で運用すると効率的です。

用途と運用体制を照らし合わせて選ぶと、運用コストと管理負担のバランスが取りやすくなります。

AWSでWordPressをホスティングするステップバイステップガイド

ステップ1: AWSアカウントの作成

AWSアカウント作成ページで必要情報を入力し、マネジメントコンソールにログインできれば完了です。新規ユーザー向けの無料ティアを利用できます。

ステップ2: ホスティング方式を選ぶ

初心者向けはLightsailです。数クリックでWordPressのプリセットが使えます。柔軟性重視ならEC2を選んで、必要に応じてRDSでデータベースを分離します。

ステップ3: インスタンスの作成(例: Lightsail)

Lightsailで「WordPress」プランを選び、リージョンとプランを決めて起動します。起動後に提供されるIPでサイトにアクセスできます。

ステップ4: ドメインとDNS設定

Route 53を使うか外部で購入したドメインを設定します。Aレコードでサーバーの固定IPを指すようにします。

ステップ5: SSLの導入

無料ならLet’s Encrypt、AWS内で完結させるならCloudFrontやALBとACMを使って証明書を適用します。HTTPS化で訪問者の信頼を高めます。

ステップ6: バックアップと復元

定期スナップショットやS3へのメディア保存を設定します。データベースはダンプ取得やRDSのスナップショットを活用してください。

ステップ7: セキュリティと運用

セキュリティグループで不要なポートを閉じ、SSH鍵や強力な管理者パスワードを使います。CloudWatchで基本的な監視とアラートを設定します。

ステップ8: コスト管理と保守

無料ティアや小さめのプランから始め、アクセス増でスケールします。不要なインスタンスは停止してコストを抑え、WordPress本体とプラグインは定期的に更新してください。

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