webサイト速度チェックで絶対押さえたい重要ポイント解説

はじめに

本書の目的

この文書は「webサイト 速度チェック」についての調査結果を分かりやすくまとめたガイドです。Webサイトの表示速度を測る方法や、代表的な速度チェックツールの特徴・使い方・評価指標を丁寧に解説します。初心者の方でも順を追って理解できるように書いています。

なぜ速度が重要か

表示速度はユーザーの体験に直結します。読み込みが遅いと訪問者が離れ、売上や問い合わせの機会を失います。スマートフォン利用者が増えた今、軽快に表示されることがより重要になっています。

誰に向けた内容か

・サイト運営者・EC事業者
・制作者・フロントエンドエンジニア
・マーケターや担当者
初心者から中級者まで役立つよう、専門用語は最小限にして具体例で補足します。

本書の構成と使い方

以下の章で、PageSpeed Insights、Lighthouse、Pingdom Website Speed Test、GTmetrix、WEBPAGETEST、Chrome Developer Tool を順に紹介します。各章でツールの特徴、実際の使い方、見るべき指標と改善のヒントを示します。測定は環境（端末や回線）で結果が変わる点に注意し、複数回・複数環境で確認してください。

次章からは、まず「速度チェックツールの重要性」を詳しく見ていきます。

Webサイト速度チェックツールの重要性

なぜ速度が重要か

Webサイトの表示速度は、訪問者がページを使い続けるかどうかを左右します。表示が遅いと待ち時間に不満が生まれ、別のサイトへ移動されやすくなります。短い時間でも体感は大きく変わるため、速度は第一印象を決める要素です。

ユーザーへの具体的な影響

例えば商品ページの読み込みが長いと、購入や問い合わせが減ります。モバイル端末では回線が不安定なことが多いため、軽いページ設計がより重要になります。画像や動画の最適化で改善することが多いです。

検索エンジンとビジネスへの影響

検索エンジンはサイトの利便性を重視します。速度が遅いと評価が下がることがあり、結果的にアクセス数が減ります。したがって、速度改善はSEO対策の一部と考えてください。

定期的なチェックの必要性

サーバー設定やコンテンツは変化します。定期的に速度をチェックして、問題を早めに発見・修正する習慣をつけましょう。チェックツールは問題箇所を具体的に示してくれるため、対策が取りやすくなります。

チェック時に注目するポイント

• ページ表示時間（読み込み開始から主要コンテンツ表示まで）
• 画像やスクリプトのサイズ
• サーバーの応答時間
  これらを意識して、ツールを活用してください。

PageSpeed Insights（ページスピード インサイト）

概要

Googleが提供する無料ツールで、URLを入力すると簡単に速度測定できます。デスクトップとモバイル両方のスコアを確認でき、改善提案も表示されます。実際のユーザー計測（フィールドデータ）とブラウザ上でのシミュレーション（ラボデータ）の両方を確認できます。

評価指標（わかりやすく）

• LCP（最大コンテンツ表示）：ページの主要な画像や見出しが表示される速さ。例えばトップ画像が早く出ると良いです。
• FID/INP（操作応答性）：クリックやスクロールに対する反応の速さ。ボタンを押してすぐ反応するかを示します。
• CLS（視覚の安定性）：ページ読み込み中にレイアウトがずれないか。広告や画像の突発的な移動を避けます。
• FCP（最初のコンテンツ表示）：最初に何かが画面に表示されるまでの時間。
• TTFB（サーバ応答時間）：サーバが最初の応答を返すまでの時間。

スコアの見方

0〜100で評価し、90以上は良好、50〜89は平均、0〜49は改善が必要です。モバイルとデスクトップで差が出ることが多いので両方確認します。

使い方と改善のヒント

1. URLを入力して分析開始。2. 上位の改善項目から対応します。よくある対策は画像圧縮、遅延読み込み（Lazy Load）、ブラウザキャッシュ設定、不要なスクリプトの削減です。3. 改善後に再測定して効果を確認します。

PageSpeed Insightsは具体的な改善案を提示するので、優先順位をつけて取り組むと効率的に速度改善できます。

Lighthouse（ライトハウス）

概要

LighthouseはGoogleが提供する速度と品質のチェックツールです。Chromeの拡張機能やDevToolsに組み込まれており、開いているページをワンクリックで解析できます。無料で利用でき、手軽に現状の問題点を把握したい方に向いています。

主な機能

• パフォーマンス測定：読み込み時間や描画速度を数値化します。例：ファーストコンテンツフルペイント（FCP）。
• 改善点の提案：画像圧縮やキャッシュ設定など、具体的な修正方法を示します。
• アクセシビリティとベストプラクティス：表示だけでなく使いやすさや安全性も評価します。

使い方（簡単）

1. Chromeで対象ページを開く
2. 右クリック→検証（DevTools）を開く、または拡張機能を追加
3. 「Lighthouse」タブを選び、解析ボタンを押す
4. 数十秒でレポートが表示されます

指標の見方

スコアは0〜100で表示され、高いほど良好です。個別項目をクリックすると、どのリソースが遅いかや修正の具体例が見えます。例えば、大きな画像を圧縮する提案や、不要なJavaScriptの削除指示が出ます。

改善のヒント

• 画像は適切なサイズと形式にする
• キャッシュを有効化する
• 不要なスクリプトを遅延読み込みする
  これらは多くのサイトで効果が出ます。

注意点

Lighthouseはローカル環境やネットワーク状況で結果が変わります。実際のユーザー体験を知るには、複数回測定することや現場のデータと合わせて判断してください。

Pingdom Website Speed Test

概要

Pingdom Website Speed Testは、URLを入力してサイトの読み込み速度を測定し、合計読み込み時間や他サイトとの比較スコアを出すツールです。ページの合計サイズやリクエスト数も確認でき、自社サイトの相対的な位置付けが分かります。

使い方の基本

1. テストするURLを入力します。2. サーバーのテスト場所を選びます（地域ごとの差を確認できます）。3. 実行ボタンで測定します。複数回実行して平均を取ると安定した結果が得られます。

主な指標の見方

• 読み込み時間：ページが完全に表示されるまでの時間。ユーザー体感に直結します。
• スコア：合計時間や最適化の有無から算出される相対評価です。業界内での比較に役立ちます。
• 合計サイズ・リクエスト数：重い画像や多いリクエストは遅延の原因になります。
• ウォーターフォール：各リソースの読み込み順と遅延を視覚化します。どのファイルがボトルネックか一目で分かります。

改善の具体例

• 画像を圧縮・遅延読み込みにする。次世代フォーマット（例：WebP）を検討してください。
• CSSやJavaScriptを最小化（minify）し、必要な時だけ読み込む。外部スクリプトは見直します。
• キャッシュとCDNを設定して、同じ資産を何度もダウンロードしないようにします。

運用上のポイント

定期的に測定し、競合サイトとも比較してください。単発のテストだけでは変動があるため、複数回の測定結果を参考にしましょう。

GTmetrix

概要

GTmetrixは、Webページの表示にかかる時間を細かく測定し、各ファイルやコード部分がどれだけ時間を消費しているかを一覧で示してくれます。速度改善の具体的な提案が得られ、遅いファイルを特定しやすい点が特長です。

主な機能

• ウォーターフォール表示：画像やJSなど個々の読み込み時間を視覚で確認できます。
• 改善提案：圧縮やキャッシュ設定など、実行しやすいアドバイスを示します。
• 履歴管理：無料会員登録で過去の測定結果を保存して比較できます。

使い方（簡単3ステップ）

1. 測定したいURLを入力します。
2. 測定ボタンを押します。
3. レポートのウォーターフォールと提案を確認します。

レポートの見方（ポイント）

• 長時間かかるリソースは優先的に改善します。例：大きすぎる画像は圧縮する、不要なJSは遅延読み込みする。
• 指標はLCP（主要な表示部分の遅さ）やTBT（操作の妨げ）などを確認します。具体的な値を見て、どこを直すか判断します。

改善のヒント

• 画像を適切な形式・サイズに変える（例：画面表示サイズに合わせる）。
• JavaScriptやCSSを縮小・遅延読み込みする。
• ブラウザキャッシュを設定する。CDNの利用も効果的です。

注意点

テストする地域やデバイスによって結果は変わります。複数条件で測定し、総合的に判断してください。GTmetrixのガイドを参考に段階的に最適化を進めると効率的です。

WEBPAGETEST

概要

WebPageTestは、世界中の実在するブラウザと地域から実際の接続で速度を測定するツールです。初回表示（First View）とキャッシュあり表示（Repeat View）の両方を計測でき、ChromeやIEの各バージョン、iPhone 6やNexus 7など多様な端末でテストできます。

主な機能

• 地域・ブラウザ・接続速度を選択して実測できる
• ファーストビューとリピートビューの比較
• ウォーターフォールチャートでリソースごとの遅延を可視化
• Filmstripと動画で表示の進行を確認
• スクリプト実行で複雑な操作を再現

使い方（簡単ステップ）

1. テストしたいURLを入力します。
2. ロケーション、ブラウザ、回線（例：3G/DSL）を選びます。
3. テスト回数を指定して開始します。

指標の見方（実務的）

• Start Render：画面に何か表示され始める時間
• Fully Loaded：ページが完全に読み込まれるまでの時間
• TTFB（Time to First Byte）：サーバー応答の速さの目安
  ウォーターフォールで遅いリクエストを特定し、画像やスクリプトの最適化を考えます。

便利な設定と使いどころ

• 初回表示とキャッシュあり表示を比較して、ブラウザキャッシュの効果を評価します。
• 複数ロケーションでの差を確認して、CDN導入の必要性を判断します。
• スクリプトでログイン後の遷移やページ内操作を測定できます。

注意点

実測結果は選んだ回線やロケーションに依存します。必ず複数回・複数条件でテストして、傾向をつかんでください。

Chrome Developer Tool

ChromeのDevToolsは、Ctrl+Shift+I（またはF12）で開くブラウザ内の開発ツールです。表示速度の診断、ソースの確認、ユーザーエージェントや位置情報の疑似変更などが手軽に行えます。

使い方（開き方と基本）

• 開く：Ctrl+Shift+I / F12。モバイル表示はCtrl+Shift+Mで切替。
• 表示：Elements（DOM/CSS）、Console（ログ）、Network（通信）、Performance（速度解析）などを用います。

表示速度の簡単ワークフロー

1. DevToolsを開き「Network」で「Disable cache」にチェック。
2. ネットワーク速度（Slow 3Gなど）とCPUスロットルを設定して実測を再現。
3. Performanceで録画しつつページを再読み込みして、LCPや長時間タスクを確認。
4. Networkのウォーターフォールで大きな画像や遅いスクリプトを特定し、圧縮や遅延読み込みを検討します。

ユーザーエージェント・位置情報の疑似変更

• User-Agent変更：Network → More tools → Network conditionsで設定。
• 位置情報：More tools → Sensorsで緯度経度を入力して疑似検証します。

便利な機能

• ElementsでHTML/CSSをその場で編集し表示確認。
• Networkでリクエストを右クリックし「Copy as cURL」で再現可能。
• ApplicationでService Workerやキャッシュ、Local Storageを確認・削除できます。

注意点

エミュレーションは実機と差が出る場合があります。まずはDevToolsで原因を絞り、最終確認は実機で行うことをおすすめします。