はじめに
本書の目的
この資料は、初心者や非エンジニアの方が自分でWordPressを使ってホームページを作成・運用できるよう、具体的でわかりやすい手順をまとめたガイドです。専門用語はできるだけ避け、実際の操作例や準備物を丁寧に説明します。
こんな方におすすめ
- 個人事業主や小さな店舗で安くホームページを作りたい方
- 趣味やポートフォリオをオンラインで公開したい方
- 始めてホームページを作るが、将来自分で更新したい方
本書の構成と読み方
全10章で、メリット・準備・具体操作・運営のコツまで段階的に解説します。まず本章で全体像をつかみ、続く章を順に進めると効率的です。時間がない場合は「必要なもの」や「基本手順」だけ先に確認してください。
読む前の心構え
初めは戸惑うこともありますが、少しずつ手を動かせば必ず慣れます。まずは簡単なページを1つ作ってみることを目標にしてください。疑問が出たら該当章を何度でも読み返せるように構成しています。
WordPressでホームページを作るメリットと特徴
概要
WordPressは専門知識がなくても扱いやすいCMS(コンテンツ管理システム)です。テンプレートを選んで文章や画像を入れるだけで見栄えの良いページが作れます。ブログから企業サイト、店舗サイト、ネットショップまで幅広く対応できます。
主なメリット
- 誰でも始めやすい:管理画面が直感的で、記事投稿や画像の差し替えが簡単です。例えば、ワープロ感覚で更新できます。
- デザインと機能の自由度が高い:テーマ(見た目)とプラグイン(機能)を組み合わせて、見た目や機能を変えられます。予約フォームやお問い合わせ機能も追加できます。
- コストを抑えられる:初期費用はサーバーとドメインが中心で、無料のテーマやプラグインも多くあります。
- 運用・管理がしやすい:複数人で投稿権限を分けたり、更新履歴を残したりできます。
- 情報が豊富:使い方やトラブルの解決方法を紹介する記事や動画が多く、困ったときに調べやすいです。
特徴
- 拡張性:小さな個人サイトから大規模サイトまで成長にあわせて機能を追加できます。
- モバイル対応:多くのテーマがスマホ表示に最適化されています。
- 更新とセキュリティ:本体やプラグインは定期的に更新があり、更新することで安全性を保てます。ただし、更新作業とバックアップは必要です。
向いているサイト例
- ブログ、ニュース配信
- 会社や店舗のコーポレートサイト
- 写真や作品を見せるポートフォリオ
- 小規模なネットショップ(機能追加で対応可能)
使い勝手と柔軟性のバランスが良く、まずはWordPressで作って運用しながら必要な機能を追加していくのがおすすめです。
必要なもの~準備編
はじめに
WordPressでホームページを作る前に、揃えるものと準備手順をわかりやすく説明します。まずは「どこに置くか(サーバー)」「住所(ドメイン)」「中身(WordPress本体)」が必要です。
レンタルサーバー(“土地”)
ホームページのデータを置く場所です。WordPress対応のサーバーを選びます。自動インストール機能があると初心者でも簡単に始められます。例:エックスサーバーやロリポップなど。
ドメイン(“住所”)
インターネット上のURLです。短く覚えやすい名前を選びます。取得サービスはお名前.comやムームードメインが一般的です。
WordPress本体
サーバーにインストールして使います。多くは管理画面から自動で入れられます。手動の場合はファイル転送とデータベース設定が必要です。
準備チェックリスト
- WordPress対応のレンタルサーバー契約
- ドメイン取得と登録
- 独自ドメインで使う場合はネームサーバー設定
- サーバーの自動インストール機能確認
- 管理用メールアドレスとログイン情報の準備
これらを揃えれば、次の章で実際の導入手順に移れます。
WordPressホームページ作成の基本手順
1. サーバー契約・ドメイン取得
まずレンタルサーバーを契約し、ドメインを取得します。多くの会社が同時に手続きできるセットプランを用意しています。例:example.com のように短く覚えやすいドメインを選びます。
2. WordPressのインストール
レンタルサーバーの「自動インストール」機能を使うと初心者でも簡単に導入できます。手動の場合は、ダウンロード→アップロード→データベース作成→インストール画面に従います。
3. テーマの選択・設定
無料・有料のテーマから目的に合うものを選びます。モバイル対応(レスポンシブ)で表示が崩れないか確認してください。テーマのカスタマイズ画面で色やロゴ、ヘッダーを設定します。
4. 初期設定
サイトタイトル、キャッチフレーズ、パーマリンク(「投稿名」推奨)を設定します。一般設定でタイムゾーンや言語、管理者メールも確認します。
5. 固定ページ・投稿の作成
会社概要、サービス紹介、問い合わせページなど固定ページを作ります。ブログやお知らせは投稿で更新すると管理が楽です。
6. デザイン・コンテンツ作成
見出しを整え、画像は軽量化(例:WebPや圧縮)します。読みやすい文章と適切な画像配置で訪問者に伝わりやすくします。
7. 公開・運用
公開後は定期的に更新し、プラグインやテーマ、WordPress本体を最新版に保ちます。バックアップとセキュリティ対策(ログイン制限やSSL)を設定してください。
WordPressホームページ作成の具体的な操作ポイント
概要
ここでは固定ページの作成や検索機能の扱い方など、実際に操作する際の主要ポイントをわかりやすく説明します。
固定ページの作成
- ダッシュボード→「固定ページ」→「新規追加」で作成します。用途はトップページ、会社概要、サービス紹介など。
- タイトル、本文、アイキャッチ画像(サムネイル)、パーマリンク(URLスラッグ)を設定します。
- 「ページ属性」で親ページやテンプレートを選べば階層構造やデザインを整えられます。
トップページの設定
- ダッシュボード→「設定」→「表示設定」で「固定ページ」をフロントページに指定します。
- ページビルダー(例: Elementor)を使うと直感的にレイアウトを作れます。
ナビゲーションとメニュー
- 外観→メニューで項目を追加、表示場所を指定します。カスタムリンクや分類(カテゴリ)も登録可能です。
検索機能の扱い
- 標準で検索ウィジェットがあります。簡単なサイトならこれで十分です。
- 高度な検索が必要な場合はプラグイン(Relevanssi、SearchWPなど)やテーマのカスタマイズで対応します。カテゴリー絞り込みやAjax検索で使いやすくできます。
運用時の小さな注意点
- パーマリンク設定、下書きでの確認、公開状態の管理を習慣にしてください。
- SEOプラグインでタイトルと説明を整え、モバイル表示を必ず確認してください。
- 変更前にバックアップを取ると安心です。
おすすめレンタルサーバー・ドメイン取得サービス
選び方のポイント
- 価格:初期費用と月額を比較します。長期契約で割安になる場合が多いです。
- 機能:WordPress簡単インストール、SSL(無料Let’s Encrypt)、バックアップ、データベース数を確認します。
- 性能:表示速度(SSD、PHPのバージョン)、同時アクセス耐性を見ます。
- サポート:電話やチャット、FAQ・マニュアルの充実度が大切です。
- 拡張性:将来的にプラン変更や独自SSL、メール、サブドメイン対応があるか確認します。
初心者向けレンタルサーバー例
- ロリポップ!:価格が安く管理画面が分かりやすいため初心者向け。WordPress簡単インストールや無料SSL対応があります。
- コアサーバー:低価格で速度も安定しているプランがあり、複数サイト運営にも向きます。やや上級者向けの設定項目もあります。
- エックスサーバー:速度と安定性が高く、サポートが手厚いです。アクセス増加を見越すなら安心して選べます。
- さくらインターネット:歴史が長く信頼性が高いです。中〜上級ユーザーに使われることが多いですが、初心者向けプランもあります。
ドメイン取得サービス例
- お名前.com:取り扱いドメイン数が多く、キャンペーンで安く取れることがあります。管理画面は機能豊富です。
- ムームードメイン:料金表示が分かりやすく、初心者でも使いやすいUI。レンタルサーバー(ロリポップ!)との連携が楽です。
- バリュードメイン:価格と機能のバランスが良く、DNS管理や移管がしやすいです。
サーバーとドメインの組み合わせでの注意点
- 初心者は同一会社で揃えるとDNS設定や連携が簡単です。別会社でも問題ありませんが、DNS設定やネームサーバーの変更手順を確認してください。
- ドメインは更新料金が初年度と異なることがあります。長期的なコストも確認しましょう。
- WHOIS公開代行(プライバシー保護)や自動更新設定の有無を確認すると安心です。
おすすめの組み合わせ例(初心者向け)
- まずは低コストで始めたい:ロリポップ!+ムームードメイン
- 安定性と将来の余裕を重視:エックスサーバー+お名前.com
以上を参考に、目的と予算に合ったサービスを選んでください。
WordPressホームページ運営のコツ・注意点
テーマ選びとSEO
検索エンジンに評価されやすいテーマを選びます。表示速度が速く、モバイル対応(レスポンシブ)なものがおすすめです。具体例:軽量なテーマや公式テーマを優先すると安心です。
パーマリンクとURL設計
パーマリンクは英語のスラッグにして短く分かりやすくします。例:/product-name や /blog/post-title。URLに重要なキーワードを含めると検索で有利です。
キーワード選定とコンテンツ作り
読者が検索しそうな言葉を想像して見出しや本文に自然に入れます。競合が強い語は長めのフレーズ(ロングテール)で狙うと成果が出やすいです。
セキュリティ対策
WordPress本体・テーマ・プラグインは定期的に更新します。セキュリティ系プラグイン(例:Wordfence、Sucuri)を入れてログイン試行や不審なアクセスを監視します。管理者パスワードは強力に設定し、可能なら二段階認証を導入します。
デザインと機能の拡張
見た目や機能はテーマとプラグインで簡単に変えられますが、入れすぎると表示が遅くなるので必要なものに絞ります。プラグインは評判や更新頻度を確認して選びます。
バックアップと復旧
定期的なバックアップを自動化します。万が一のときにすぐ復旧できるよう手順を書き残しておきます。プラグイン例:UpdraftPlusなど。
運営の習慣
定期的にページの表示速度、リンク切れ、アクセス解析をチェックします。小さな改善を積み重ねることで成果が出ます。
実際のホームページ事例・応用編
WordPressは幅広い用途に使えます。ここでは代表的な事例と、作るときのポイントを優しく紹介します。
企業サイト
会社の顔として作ります。会社概要、サービス紹介、お問い合わせフォームを揃え、スマホでも見やすく調整します。実績や導入事例を写真と一緒に載せると信頼感が増します。
店舗サイト(飲食・美容など)
営業時間、メニュー、地図、オンライン予約を設置します。写真を多めにして雰囲気を伝え、予約や来店動機につなげます。SNSと連携すると集客に役立ちます。
ブログ・メディア
情報発信が中心のサイトです。カテゴリ分けと検索を整え、定期的に記事を更新します。読者が読みやすい見出しやサムネイルを心がけます。
ポートフォリオ・個人サイト
作品や経歴をシンプルに並べます。ダウンロードや問い合わせボタンを目立たせ、採用や仕事依頼を受けやすくします。
ポータル・検索機能付きサイト
複数の情報を集める場合はカテゴリーや絞り込み検索を導入します。地図検索やタグで探しやすくすると利用者が増えます。
応用のポイント
目的を明確にして、必要な機能だけを追加します。表示速度やスマホ対応、定期的な更新はどのサイトでも重要です。最初はシンプルに作り、運用しながら改善すると無理なく進められます。
よくある質問とトラブル対応
サーバー・ドメインの選び方で迷ったら
用途(ブログ、企業サイト、ネットショップ)を基準に選びます。小規模なら共有サーバー、アクセス増が見込める場合はVPSや専用がおすすめです。ドメインは短く覚えやすいものを。迷ったら契約前にサポート体制や料金の更新時期を確認してください。
インストール時のエラー対処
エラーメッセージをまず確認します。よくある原因はPHPバージョン、データベース接続情報の誤り、ファイル権限です。具体的には:
– DB接続エラー:ホスト名・ユーザー名・パスワードを再確認
– 白紙画面:WP_DEBUGを有効にしてエラー内容を確認
– メモリ不足:PHPのメモリ上限を増やす
それでも解決しない場合はサーバーのログを確認し、サポートに連絡します。
初期設定やデザインの問題解決
テーマを変更して表示が崩れる場合はプラグインの競合が原因のことが多いです。一つずつ無効化して原因を特定します。カスタマイズは子テーマで行い、バックアップを取ってから変更してください。
公開後のSEO・セキュリティ対策
SEOは基本設定(タイトル・ディスクリプション、見出し構造、サイトマップ送信)を徹底します。コンテンツを定期的に更新して内部リンクを増やすと効果的です。セキュリティは常に最新版に更新し、定期的なバックアップ、強いパスワード、二段階認証、SSL導入を行ってください。
トラブル時の対応フロー(短く)
- エラーメッセージを記録
- プラグイン・テーマの切り分け
- サーバーログ確認
- バックアップから復元(必要時)
- サポートへ連絡
困ったときは落ち着いて順を追えば解決しやすくなります。
第10章: まとめ
WordPressなら初心者でも自分でホームページを作れます。レンタルサーバー契約→ドメイン取得→WordPressインストール→テーマ設定→ページ作成→公開、という流れを押さえれば専門知識は必要ありません。以下にポイントをわかりやすくまとめます。
- 基本の流れ
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サーバーとドメインを用意し、WordPressをインストールします。テーマで見た目を決め、固定ページや投稿で中身を作ります。
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公開後の重要事項
- 定期更新: 記事やプラグインはこまめに更新して安全を保ちます。
- バックアップ: 万一に備えて自動バックアップを設定します。
- セキュリティ: 強いパスワードや2段階認証、不要なプラグインの削除を行います。
- SEOと速度: タイトルや見出しを意識し、画像は圧縮して表示速度を改善します。
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解析と改善: アクセス解析で訪問者の動きを見て改善します。
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始めるコツ
- 最初は必要最低限のページから作成し、少しずつ充実させます。疑問は都度調べ、練習を重ねると自信がつきます。
この流れを守れば、安定した運営ができます。気軽に始めて、少しずつ育てていってください。












