はじめに
本章の目的
本章では本記事全体の狙いと読み方を丁寧に説明します。Googleサーチコンソールをこれから使う方が、どこから学び始めればよいかがすぐ分かるようにします。
誰に役立つか
サイト管理者、ブログ運営者、これからSEOを学ぶ個人や小規模事業者向けです。専門知識がなくても、具体的な操作と活用法を段階的に学べます。
この記事で得られること
・サーチコンソールの基本理解・導入手順の手順・主要機能の使い方・検索キーワードの見方と活用例・改善に役立つ実践的なヒントを得られます。実際の画面に沿った説明で、すぐに使い始められる内容にします。
進め方の提案
まず第2章でツールの全体像を把握し、第3章で導入します。第4〜6章で具体的な分析と改善に進みます。実例をまじえて順に進めると理解が深まります。
注意点
本記事は基本操作と応用例に焦点を当てます。細かい設定や専門的な分析は別章で補足します。
Googleサーチコンソールとは
概要
Googleサーチコンソール(GSC)は、所有するWebサイトがGoogle検索でどのように見えているかを確認し、改善につなげるための無料ツールです。表示回数やクリック数、検索順位、インデックスの状態、リンク状況などを把握できます。難しい設定がなくても使い始められます。
主な指標と意味
- 表示回数:検索結果にページが表示された回数です。
- クリック数:表示から実際にクリックされた回数です。
- 平均掲載順位:検索結果での平均的な位置です。
- カバレッジ(インデックス状況):Googleに登録されているか、エラーがないかを示します。
それぞれを見ることで、どのページが見られていて、どこを改善すべきかが分かります。
何に役立つか
SEO対策で優先すべきページの特定、検索パフォーマンスの変化確認、インデックスの問題検出が主な用途です。例えば、表示は多いのにクリックが少ない場合はタイトルや説明文を改善します。
具体例
- 古い記事が検索で急に順位を落としたとき、被リンクやカバレッジのエラーを調べます。
- 新しいページが検索に出ない場合は、サイトマップ送信やインデックス登録のリクエストを行います。
注意点
データに数日〜数週間の遅れがあります。すべての検索語が個別に表示されるわけではないため、他の解析ツールと併用すると信頼性が上がります。
サーチコンソールの導入・初期設定方法
1. 準備
Googleアカウントを用意します。普段使うアカウントでログインすると管理しやすいです。
2. プロパティの登録
- サーチコンソール(search.google.com/search-console)にログインします。
- 「プロパティを追加」からサイトを登録します。2種類あり、URLプレフィックス(例:https://example.com)かドメイン(例:example.com)を選べます。サブドメインやプロトコルを含めた管理が必要な場合はドメインを選びます。
3. 所有権の確認(代表的な方法)
- HTMLファイルアップロード:指定されたファイルをサイトのルートにアップロードします。例:/public_html/googlexxxx.html
- HTMLタグ:案内のメタタグを内に貼り付けます。WordPressならheader.phpやテーマ設定に追加します。
- DNS(TXT)レコード:ドメイン管理画面でTXTを追加します。Xserverやお名前.comなどの管理画面で設定します。
- Googleアナリティクス/タグマネージャー:既に設定済みなら、所有権の代替方法として選べます。
各方法は画面の「確認」ボタンで完了します。確認に数分〜数時間かかることがあります。
4. Googleアナリティクスとの連携
サーチコンソールの設定画面で「設定」→「関連付け」でAnalyticsを選びます。これで検索データとアクセス解析を組み合わせて見られます。
5. 最初にやっておくとよいこと
- サイトマップ(sitemap.xml)を登録する
- 基本ページ(トップ、主要カテゴリ)に問題がないか確認する
- モバイル対応とHTTPSを確認する
以上で初期導入は完了です。問題が出た場合は、所有権の手順を見直してください。
サーチコンソールの基本的な使い方・主な機能
はじめに
ここでは、サーチコンソールで日常的に使う主要機能をわかりやすく説明します。実務で押さえておきたい操作と、具体的な見方を中心に進めます。
サマリー
サマリー画面で、サイト全体の検索パフォーマンスや検出された問題点を一目で確認できます。異常な低下やエラーの通知が出たらまずここを見てください。
検索パフォーマンス
「検索パフォーマンス」では、キーワード別のクリック数、表示回数、CTR(クリック率)、平均掲載順位を確認できます。期間やページ、国、デバイスでフィルタできます。例:特定ページの表示回数は多いがCTRが低ければ、タイトルやスニペットを改善します。
URL検査
個別URLのインデックス登録状況を調べます。インデックスの有無、カバレッジの問題、クロールされた最終日時、モバイルでのレンダリング結果が見られます。修正後は「インデックス登録をリクエスト」して再審査を促せます。
カバレッジ(カバレッジレポート)
エラー、警告、有効、除外といったステータスに分かれます。404やサーバーエラーは優先的に修正し、意図的にインデックスさせないページはnoindex設定を確認します。除外理由を見て対処法を判断します。
サイトマップの送信
サイトマップを送信すると、Googleに重要なURLを効率よく伝えられます。新しいページや大規模更新後はサイトマップを更新して再送信してください。
リンク状況の確認
内部リンクと外部リンクの両方を確認できます。どのページに被リンクが多いか、どのページが内部リンクで強化されているかを把握し、内部リンクを改善します。
エンハンスメントとモバイル対応
構造化データやモバイルユーザビリティの問題を検出します。エラー内容に従ってタグ修正やレスポンシブ改善を行うと検索表示に好影響があります。
運用のコツ
定期的にパフォーマンスを比較し、問題発生時はURL検査とカバレッジを優先的に確認します。変更後はインデックス再リクエストを忘れずに行ってください。
検索キーワードの調査・活用法
概要
サーチコンソールの「検索パフォーマンス」→「クエリ」で、実際に流入したキーワードの表示回数・クリック数・平均順位を確認できます。ページ別や期間・国・デバイスで絞り込めるため、実務で使える具体的な手がかりが得られます。
キーワードの見方とポイント
- インプレッションが多くクリックが少ない:タイトルやディスクリプションの改善でCTRを上げる余地があります。例:見出しに数字やベネフィットを入れる。
- クリックはあるが順位が低い:本文の情報を充実させ、内部リンクや見出しで強化します。
- 表示はあるがクリックゼロ:検索意図が合っていない可能性があります。導入文やスニペットを見直します。
フィルタ活用法
期間比で比較して変化を掴みます。国やデバイス別でユーザー行動が違う場合は、対象を絞って最適化します。
実践ステップ(例)
- 期間を1〜3カ月で比較し、増減のあるクエリを抽出。2. インプレッション÷CTRで優先順位を付け、タイトル改訂や本文追記を行う。3. 2〜4週間後に再測定し効果を確認します。
活用のコツ
まずは小さな改善(タイトル・見出し・導入文)を試し、効果が出たものを他ページへ横展開してください。
よくある活用パターン・SEO改善への応用
概要
Search Consoleで観察できるデータは、日々の改善に直結します。流入が多いキーワードやページ、エラーの有無、ユーザビリティ指標などを見て優先度を決めます。
1. 流入が多いキーワード・ページの把握
「パフォーマンス」からクエリやページで並べ替え、クリック数・表示回数・CTR・掲載順位を確認します。例:表示回数は多いのにCTRが低い場合はタイトルや説明文を改善します。
2. インデックス漏れやエラーの早期発見
「カバレッジ」でエラーや警告を確認し、該当URLをURL検査で詳しく調べます。404やサーバーエラーは優先的に修正して再クロールを依頼します。
3. モバイルユーザビリティ・ページエクスペリエンスの改善
モバイルの問題(ボタンが近すぎる・ビューポート未設定)やCore Web Vitalsを確認し、表示速度やレイアウトの改善を行います。簡単な例:画像圧縮でLCPを短縮します。
4. サイトマップ送信による新規ページの迅速なインデックス化
更新したサイトマップを送信し、重要なページのみを含めます。新規ページはURL検査でインデックス登録をリクエストできます。
5. 被リンクチェックで外部評価を把握
「リンク」レポートで外部リンク元やリンク先ページ、アンカーテキストを確認します。良質なサイトからの流入が増えれば優先的にコンテンツを強化します。
6. 優先順位付けと改善サイクル
影響の大きいページを上位に置き、小さな変更→観察を繰り返します。例:10件の改善案から実行コストと期待効果で3件を選び、2〜4週間で結果を確認します。
簡単チェックリスト(例)
- 上位10ページのCTR/順位を確認
- カバレッジのエラーを修正
- モバイル問題を解消
- サイトマップを更新・送信
- 被リンクの質をチェック
以上を定期的に行うと、Search Consoleのデータを活かして効率よくSEO改善できます。
サーチコンソール活用のポイント・注意点
定期的なチェックを習慣にする
データは日々変わります。週に1回程度、検索パフォーマンスやカバレッジ(インデックス状況)を確認してください。早めに気づけば対応も簡単です。
優先的に対応する項目
- カバレッジエラー(404やサーバーエラー)、モバイルの使いやすさ、手動対策(Manual Actions)。
- まずはインデックスに登録されないページ、次にアクセスの多いページを優先して直します。
インデックス問題の簡単な対処手順
- 問題のURLをURL検査で確認。理由(robots、noindex、404など)を特定します。
- 修正後に再クロールをリクエストして、変化を待ちます。
キーワードとCTRの見方
「検索パフォーマンス」タブで表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位を確認します。CTRが低ければタイトルやスニペットを改善すると効果が出やすいです。
技術面の注意点
- サイトマップを最新に保ち、正しいURLだけを送信します。
- rel=”canonical”やhreflangの設定ミスに注意してください。
データ連携と総合解析
Googleアナリティクスと連携すると、検索流入後の行動まで追えます。検索コンソールは入口、アナリティクスはその先を補完します。
小さな変動に惑わされない
順位やクリックは日次で上下します。大きな判断は一定期間(2〜4週間)の傾向を見てから行ってください。
以上を意識すると、サーチコンソールを効率よく使えます。問題に気づいたら早めに取り組むことが改善の近道です。












