はじめに
本記事の目的
この章では、本シリーズ全体の目的と読み方を丁寧に説明します。ホームページをゼロから作りたい初心者の方が、作成・公開・SEO対策・ツール選びまで無理なく進められるように構成しました。具体例を交えて、実践的な手順を学べます。
対象読者
個人でお店の紹介ページを作りたい方、趣味のブログを始めたい方、小規模ビジネスで集客したい方などを想定しています。専門知識がなくても大丈夫です。
本記事で学べること
- ホームページ作成の目的の決め方(例:問い合わせ増加、商品紹介)
- 必要な基本ステップ(準備、制作、公開、運用)
- HTMLやツールの違いと選び方のポイント
- 検索で見つけてもらうための基礎(SEOの基本)
各章で具体的な手順と注意点を丁寧に解説します。
読み方のポイント
まずは第2章で目的を明確にしてください。目的が定まれば、適切な方法やツールが自然に見えてきます。途中で迷ったら、実際に小さなページを一つ作って試すことをおすすめします。
ホームページの作成目的と基本ステップ
1. 目的をはっきりさせる
ホームページ作りは目的が出発点です。例として、
– ビジネス用:会社の信頼を高める、名刺代わりにする
– 情報発信:店舗や活動の紹介をする
– 集客:新しいお客さまを獲得する
目的が決まれば必要な情報やページ構成が見えます。
2. 想定する相手(ターゲット)を決める
誰に見てもらいたいかを具体的にします。年齢層、性別、興味、利用シーンなどを想定すると、文章やデザインが決めやすくなります。
3. 伝えたい内容と必須ページを決める
トップ、会社情報、サービス・商品紹介、問い合わせ、アクセスなど、必須ページをリスト化します。各ページに載せる要点も箇条書きでまとめてください。
4. 作り方を選ぶ
自分でHTMLを直接書く、CMSやホームページ作成サービスを使う、制作会社に依頼する、の主に3つです。予算、時間、更新頻度で選びます。
5. 公開までの基本ステップ(簡潔)
1) 目的と構成を決定 2) コンテンツ作成 3) デザインと実装 4) テスト 5) ドメインと公開
6. 初めての人向けチェックポイント
- スマホ表示を確認する
- 問い合わせが簡単かチェックする
- 更新しやすい仕組みにする
以上の基本を押さえると、次の作業がスムーズになります。
ホームページ作成の主な方法
1. WordPressで作成
WordPressは自由度が高く、拡張性に優れます。テーマやプラグインで見た目や機能を増やせます。例えばブログや中小企業のサイトに向きます。メリットはカスタマイズ性と豊富な情報、デメリットは最初に少し学習が必要な点です。費用はサーバーとドメイン代が主で、月数百円〜。制作は自分で行うか、制作会社へ部分的に依頼します。
2. ホームページ作成ツール(ドラッグ&ドロップ)
初心者向けで操作が簡単です。デザインテンプレートを選び、マウスで配置して作れます。オンラインサービスが多く、公開まで短時間で済みます。例えばお店の紹介ページやイベント告知に便利です。費用は無料プラン〜月額数千円程度です。
3. 制作会社に依頼
独自デザインや複雑な機能が必要な場合に向きます。プロに任せるため仕上がりが安定しますが、費用は高めで数十万円〜になります。運用や保守も相談できます。時間は要件により数週間〜数ヶ月かかります。
4. HTML/CSSなどを学んで自作
コードを直接編集して作る方法です。自由度は最も高く、動きを細かく調整できます。学習コストがかかりますが、スキルが身につく利点があります。小さなサイトや学習目的に向きます。
ホームページ公開に必要な「www」と技術的ポイント
「www」とは何か
「www」はWorld Wide Webの略で、ドメインの先頭につけるプレフィックスです。例では「www.example.com」。技術的には付けても付けなくてもサイトを表示できますが、使い方を統一することが大切です。
wwwあり・なしを統一する理由
検索エンジンやアクセス解析は「wwwあり」と「なし」を別サイトと見なすことがあります。混在するとデータが分散し、SEOの効果が薄れます。どちらか一方に統一し、もう一方からは恒久的(301)リダイレクトを設定します。
DNSとサーバーの基本設定
- ドメイン登録業者でDNS管理を行います。AレコードはIPアドレスを、CNAMEは別名を指します。多くのホスティングは「www」をCNAMEでルートに向けます。ルートドメインにはAレコードやALIAS/ANAMEを使う場合があります。
- TTL(反映時間)は短めにして確認作業をしやすくします。
SSL(https)とwww
証明書は「wwwあり」「なし」両方をカバーするか、ワイルドカードやSAN対応の証明書を用意します。無料のLet’s Encryptでも設定できます。
サーバー側の設定例
- Apacheなら.htaccessで301リダイレクトを記述します。Nginxならserverブロックで転送を設定します。
- ファイルはFTP/SFTPでアップロードし、公開フォルダ(document root)を確認します。
公開の手順(簡潔チェックリスト)
- ドメイン取得→希望の形式(wwwあり/なし)を決める
- サーバー契約→公開フォルダを確認
- DNSでドメインをサーバーに向ける(A/CNAME)
- ファイルをアップロードし動作確認
- SSL導入と301リダイレクト設定
- サーチコンソールやアクセス解析で正しいドメインを登録
このように「www」の扱いとDNS・サーバー設定を整えると、アクセスが安定し管理が楽になります。
HTMLでホームページを作る具体的な手順
1. 準備するもの
- テキストエディタ(Windowsならメモ帳、より使いやすいのはVisual Studio Code)
- ブラウザ(ChromeやEdgeなど)
2. 基本のHTML構造を作る
以下を新規ファイルに書いてください。これは最小限の雛形です。
見出し
本文をここに書きます。
3. 保存と表示確認
- ファイル名を example.html のように「.html」で保存します。エンコードはUTF-8にします。
- 保存したファイルをダブルクリックするとブラウザで開きます。表示を確認しながら編集を繰り返します。
4. 画像やCSSを追加する(簡単な例)
- 画像は同じフォルダに置き、
と記述します。 - 見た目を整えるときは style.css を作り、 を head に書きます。
5. サーバーにアップロードして公開する
- レンタルサーバー契約後、FTPや管理画面で public_html などの公開フォルダにファイルをアップロードします。
- ドメインを設定し、www付きのアドレス(例:www.example.com)でアクセスできるか確認します。
6. 注意点
- ファイル名やパスは半角英数字にするとトラブルが少ないです。
- ブラウザのキャッシュで古い表示が残ることがあるので、更新が反映されない場合はキャッシュをクリアしてください。
SEO対策とキーワード選定の重要性
はじめに
ホームページの集客力を高めるには、検索で見つかりやすくする工夫が欠かせません。中心になるのはSEO(検索エンジン最適化)とキーワード選定です。
キーワード選定の基本
まず「誰に」「何を伝えたいか」を明確にします。会社名・事業内容・地域名を組み合わせて候補を作ります。例:『東京 整体 出張』や『横浜 カフェ 子連れ』など、具体的に想定します。
タイトルと見出し(hタグ)への配置
ページタイトル(title)とh1には主要キーワードを自然に入れます。見出しには派生語や関連語を使い、本文で具体例やサービス内容を説明します。検索結果のクリック率を上げるため、タイトルは短く分かりやすくします。
ロングテールと地域戦略
競合が激しい一般語より、検索ボリュームは小さいが意図が明確なロングテールキーワード(例:『子連れ横浜カフェ ベビーチェアあり』)を狙います。地域名を入れると地元の顧客に届きやすくなります。
ツールでの確認・分析
ラッコツールズでキーワード候補を広げ、Google Search Consoleで実際の検索クエリや表示回数を確認します。順位やクリック数を定期的にチェックし、改善点を見つけます。
効果測定と改善
一定期間(例:1〜3ヶ月)でデータを集め、効果のあるキーワードに注力します。コンテンツを増やしたり、タイトルを改善したりして着実に見直します。
ホームページ公開後の検索順位アップ・集客のコツ
検索エンジンへの登録と確認
まずGoogle Search Consoleにサイトを登録し、サイトマップを送信します。インデックス状況を定期的に確認し、エラーやブロックされているページを修正してください。robots.txtやnoindexタグもチェックします。
キーワードとコンテンツ改善
ユーザーの検索意図を考え、具体的なフレーズ(例:「XX 使い方 初心者」)で記事を作ります。タイトルと見出しに自然にキーワードを入れ、メタディスクリプションは要点を短く書いてクリック率を高めます。
定期的な更新と内部リンク
新しい記事を継続的に追加し、古い記事は情報を更新します。関連記事同士を内部リンクでつなぎ、訪問者が回遊しやすい導線を作ります。
表示速度・モバイル対応
画像は圧縮し、不要なスクリプトは削除します。スマートフォンでの見え方を必ず確認し、表示速度改善ツールを使って数値をチェックします。
SNS・外部流入の活用
SNSで記事を紹介し、プロフィールや投稿で誘導します。メールニュースやユーザーの口コミも集客に効果的です。SNSは短い導入文とリンクを使うとクリックされやすくなります。
分析と改善のサイクル
Google AnalyticsやSearch Consoleで表示回数、クリック数、滞在時間を見て仮説を立てます。効果が出ない場合は見出しや導入文を変えてテストを繰り返します。
ユーザー目線で信頼を築く
読みやすい文章、よくある質問、連絡先を明示します。実績やレビューを載せると信頼性が上がり、検索評価にも良い影響があります。
継続のコツ
小さな改善を積み重ねることが大切です。順位や集客は一朝一夕で変わりませんので、計画を立てて優先順位をつけて取り組んでください。
おすすめホームページ作成ツール
WordPress.com
初心者でも始めやすく、無料プランあり。豊富なテーマで見た目を整えやすく、ブログや情報発信に向きます。機能追加や独自ドメインは有料プランが必要です。
Jimdo(ジンドゥー)
ドラッグ&ドロップで直感的に編集できます。日本語サポートが手厚く、小規模ビジネスや個人サイトに向いています。
Wix
デザインの自由度が高くテンプレートが豊富です。細かなレイアウト調整ができるので、見た目を重視する人におすすめです。
Goope(グーペ)
飲食店やサロン向けの機能が充実しています。予約やメニュー表示が簡単にでき、運営が楽になります。
Ameba Ownd(アメーバオウンド)
SNS連携がしやすく、ブログ感覚でページを作れます。個人のブランディングやファン向け発信に向きます。
ペライチ
1ページで情報をまとめるランディングページ作成に最適です。導線設計が簡単でイベント告知や集客用ページに便利です。
STORES/Shopify/BASE
STORESとBASEは国内向けの手軽なECに向き、無料プランから始められます。Shopifyは多機能で国際販売や本格的なEC運営に適しています。
FC2ホームページ
無料でシンプルに公開できます。広告表示がある点を確認してください。
公式サイトや比較記事で料金や機能を確認し、目的(情報発信・EC・ランディング)に合わせて選んでください。
サイト内検索機能とユーザー利便性
はじめに
サイト内検索機能は訪問者が目的の情報に素早くたどり着くための道具です。特にページ数が多いサイトや商品を扱うサイトで効果を発揮します。
利点と効果
- ユーザビリティ向上:訪問者がキーワードで直接探せます。例:商品名やテーマで絞り込む。
- 離脱防止:目的が見つかればサイト滞在が伸びます。
- コンバージョン改善:検索から購入や問い合わせにつながりやすいです。
実装のポイント
- 検索窓は目立つ場所に設置します(ヘッダーやサイドバー)。
- オートコンプリートやサジェストを導入すると入力負担を減らします。例:入力途中で候補を出す。
- 絞り込み(カテゴリーや価格など)で欲しい結果を速く見つけられます。
検索結果の改善方法
- 関連度の高い順に並べ、タイトルや抜粋を見せます。
- 検索ログを分析して人気ワードや改善点を見つけます。
アクセシビリティとモバイル対応
- キーボード操作や音声入力に配慮します。スマホでは画面に合わせた大きさで表示します。
テストと改善
- 実際のユーザー検索を試し、誤入力や同義語に対応する工夫を繰り返します。
まとめと注意点
大事なポイント
ホームページ作成では目的を明確にし、目的に合った作り方を選ぶことが最も大切です。ドメインやサーバー(「www」など)の準備、HTMLやCMSの使い分け、SEOを意識したキーワード選定とコンテンツ作りを基本に進めてください。公開後は検索エンジン登録、定期的な更新、アクセス解析で改善を続けます。
注意点(実務でよくある落とし穴)
- 目的があいまいだと訪問者の行動が分かりにくくなります。例:販売が目的なら購入導線を優先してください。
- 画像やファイルが重いと表示が遅くなります。画像は圧縮して使ってください。
- スマホ表示を確認しないと半数の訪問者を逃します。必ず複数端末でチェックしてください。
- 安全対策(SSL化、定期バックアップ、強固なパスワード)を怠らないでください。
実践チェックリスト(すぐ使える)
- 目的とターゲットを一行で書く
- ドメインとサーバーを準備する
- 基本ページ(トップ、会社情報、問い合わせ)を作る
- タイトルと説明文(meta)を設定する
- 公開後に検索登録とアクセス解析を行う
最後に、完璧を目指すよりまず公開して改善を重ねることをおすすめします。外部ツールやテンプレートを活用すれば初心者でも着実に進められます。ご不明点があれば気軽にご相談ください。


と記述します。










