はじめに
本記事では、STUDIOというノーコードのWeb制作ツールで作成したCMSコンテンツが公開サイトに表示されない問題について、原因と対処法を分かりやすく解説します。
対象読者
- 制作や更新を担当している方(専門知識は問いません)
- 表示されない問題に初めて直面した方や、繰り返し困っている方
この記事の目的
- 起きやすい原因を具体例とともに示します。例えば、アイテムが「公開」になっていない、公開範囲の設定で除外されている、コレクション表示のフィルターにより非表示になっている、などです。
- 手順に沿った確認方法を提示します。画面操作でチェックできる項目を中心に扱い、専門用語は必要最小限にとどめます。
記事の構成
- 第2章:CMSアイテムが公開サイトで表示されない主な原因と対処法
- 第3章:サイト自体が検索結果に出てこない場合の解決策
- 第4章:その他の考慮すべき点・できないこと
- 第5章:表示されないときのチェックリスト
読み方のコツ
まずはブラウザ上での表示確認とSTUDIOの管理画面での設定確認を順に行ってください。問題が起きた箇所を1つずつ潰すことで、解決までの時間を短くできます。
CMSアイテムが公開サイトで表示されない主な原因と対処法
概要
最も多い原因はCMSアイテムが「公開」になっていないことです。下書きや「変更あり」状態は編集画面のプレビューでは見えますが、公開サイトには反映されません。
主な原因と具体的な対処法
- 公開ステータスが未設定
- チェック方法:CMSアイテムのステータスを確認します。下書きや変更ありなら未公開です。
-
対処:編集後に「公開」または「公開して保存」を押します。サイト全体の再公開が必要な場合は、サイトの公開操作も行ってください。
-
参照プロパティやカテゴリが非公開
- チェック方法:そのアイテムが参照している別の記事やカテゴリも公開状態か確認します。
-
対処:参照先も公開にしてから、元の記事を更新して公開します。
-
更新ボタンを押していない
- チェック方法:編集後のステータスや最終更新日時を確認します。
-
対処:編集後は必ず「更新」または「保存して公開」を押します。これで変更が反映されます。
-
静的ページの記事はSTUDIOの検索や動的リストに出ない
- 説明:STUDIOの検索機能やリスト表示は、CMSで作成した動的リストに対して働きます。固定の静的ページは対象外です。
- 対処:静的ページを検索対象にしたい場合は、該当コンテンツをCMSに移すか、手動でサイト内リンクを整備します。
すぐ確認するチェックリスト
- アイテムが「公開」か
- 参照先(カテゴリ・参照プロパティ)が公開か
- 編集後に「更新」ボタンを押したか
- サイト全体を再公開する必要がないか
- 静的ページかどうか(検索対象外の可能性)
これらを順に確認すれば、公開サイトに表示されない問題の多くは解決できます。
サイト自体が検索結果に出てこない場合の解決策
1. Google Search Consoleに登録する
まずはSearch Consoleにサイトを登録してください。サイト所有権を確認すれば、検索での表示状況を直接確認できます。登録後はサイトマップを送信し、重要なページのインデックスを促します。例:サイトURLのルートにあるsitemap.xmlを送るだけでOKです。
2. robots.txtとnoindexの確認
サイトのルートにある/robots.txtでクロールを禁止していないか確認してください。ブラウザで「https://あなたのドメイン/robots.txt」を開けば見られます。ページの内にがあると検索に出ません。管理画面で該当設定を解除してください。
3. インデックス登録リクエスト
Search Consoleの「URL検査」から該当ページを検査し、「インデックス登録をリクエスト」します。新規ページや更新直後はこれで早く反映されることが多いです。
4. コンテンツと外部リンクを見直す
内容が薄いページはインデックスされにくいです。具体例:説明が1〜2段落だけのページは改善して、見出しや画像、内部リンクを増やしてください。また、他サイトからのリンク(被リンク)があると発見されやすくなります。
5. 無料プランの制限を確認する
利用中のサービスが無料プランだと、SEOに関する細かい設定やサイトマップ提供が制限される場合があります。必要なら有料プランでメタ情報やサーバー設定の自由度を上げることを検討してください。
その他の考慮すべき点・できないこと
主な制約
- 複数タグでの絞り込み(AND/OR)は標準機能で未対応です。単一タグやカテゴリでの絞り込みは可能です。
- アクセスランキングや自動的な人気順表示は用意されていません。アクセス計測は外部ツールが必要です。
- サーバーサイドのカスタム処理や長時間バッチ処理はできません。外部APIを使う場合は制約が生じます。
- 大量の記事やアフィリエイト大量配信向けの運用には向きません。表示速度や管理負荷が問題になります。
回避策・実務的な工夫
- クライアント側で複数タグの絞り込みを実装する方法があります。全アイテムを取得してブラウザで絞るので、件数が増えると遅くなります。
- 人気順表示はGoogle Analyticsなどの外部データを参照して手動で反映するか、外部サービスと連携して表示します。
- 検索や高度なソートはAlgoliaや外部検索サービスを導入すると改善します。
向き・不向きの例
- 向いている:ポートフォリオ、コーポレートサイト、商品一覧程度の小〜中規模サイト。
- 不向き:大規模なニュースサイト、アフィリエイト大量配信、複雑な会員機能を持つサービス。
運用上の注意
- カテゴリ設計やタグ付けは初期に丁寧に決めると後で楽になります。したがって公開前の設計が重要です。
- 定期的にバックアップやエクスポート方法を確認してください。
まとめ:表示されないときのチェックリスト
基本チェック(まずここを確認)
- CMSアイテムが「公開」になっているか確認します。公開状態は個々のアイテムと参照先(画像や参照フィールド)両方を確認してください。
- 編集後に保存・公開ボタンを押したか確認します。プレビュー画面は最新の公開状態と一致しないことがあります。
テクニカルな確認項目
- URLが正しいか(末尾のスラッシュや大文字小文字)を確かめます。
- キャッシュやCDNの影響を疑い、キャッシュクリアまたは別ブラウザで確認してください。
- ページが動的リスト(CMS)ではなく静的ファイルの場合、CMS編集では反映されない点に注意します。
検索エンジン対策の必須チェック
- Search Consoleとサイトを連携し、該当URLをインデックス登録リクエストします。
- robots.txtやmetaタグのnoindex設定が誤っていないか確認します。意図せずブロックしていることがよくあります。
- サイトマップを最新にし、Search Consoleに送信します。
権限・公開範囲の確認
- 公開範囲(パスワード保護やログイン必須など)がないか確認します。
- 外部参照や埋め込み先が正しく公開されているかもチェックします。
最低限の手順(短くまとめ)
- 公開状態を確認
- 保存・公開操作を再実行
- キャッシュ確認
- robots/noindex/sitemapを確認
- Search Consoleでインデックス登録を依頼
これらを順に確認すると、多くの表示トラブルは解決します。












