はじめに
ごあいさつ
この章では、本書の目的と読み方をわかりやすくご案内します。XMLサイトマップ(sitemap.xml)に不慣れな方でも、順を追って理解できるように構成しました。
本書の目的
本書は、Webサイト運営者やSEO担当者がXMLサイトマップを正しく作成・運用し、検索エンジンに効果的にサイトを伝えることを目的とします。具体的には、基本の仕組み、作成方法、サーバー設置、Google Search Consoleへの登録、便利なツール、運用上の注意点までを網羅します。
誰に向けた内容か
- ブログやコーポレートサイトを運営する個人・企業
- ページ数が多いECサイトやニュースサイトの担当者
- SEOの基礎を学びたい方
使い方のおすすめ
まず第2章で概念を理解し、第3章以降で実際の作成手順を試してください。作成→設置→Search Consoleでの通知、という順で進めると実務に役立ちます。章ごとに実例を挙げますので、そのまま真似していただけます。
読み進めることで、サイトの存在をより確実に検索エンジンへ伝えられるようになります。
XMLサイトマップとは何か
概要
XMLサイトマップは、Webサイト内のページ情報を検索エンジン用に整理したXML形式のファイルです。検索エンジンのクローラーに対して、どのURLがあるか、最後にいつ更新したかなどを伝えます。ブログ記事や商品ページを例に、サイトの地図のように働きます。
主な役割
- ページの発見を助ける:クローラーが見つけにくいページも知らせられます。
- 更新情報の通知:新規投稿や更新を早く認識してもらえます。
- 優先度の指示:重要なページを優先してクロールしてもらう目安になります。
含まれる情報(具体例)
- URL(例:/blog/post1)
- 最終更新日時(例:2025-01-10)
- 更新頻度の目安(例:daily, weekly)
- 優先度(0.0〜1.0の値)
なぜ重要か
サイト規模に関係なく有効です。特に新規サイトやページ数が多いサイトでは、クローラーの発見を早めインデックス化を促します。クロール効率を上げ、SEOの土台作りになります。
どんなサイトで役立つか
- 更新が頻繁なニュースサイトやブログ
- 商品数が多いECサイト
- 内部リンクが少なく発見されにくいページがあるサイト
簡単な注意点
サイトマップは通知手段であって、インデックス保証ではありません。正しいURLや更新日時を記載し、重複やエラーを避けると効果的です。
XMLサイトマップの主な作成方法
A. ツールを使った自動生成
- オンライン自動生成ツール
- 代表例:sitemap.xml Editor、XML Sitemaps Generatorなど。使い方は簡単で、サイトのURLを入力し、クロール範囲や更新頻度を指定して「サイトマップ作成」を押すだけで生成します。
- 生成されたsitemap.xmlをダウンロードし、サーバーのルートディレクトリにアップロードします。無料ツールは1,000URLまでなど制限がある場合があるので注意してください。
主な使い方例(sitemap.xml Editorの場合)
1. ツールのページにアクセス
2. サイトURLを入力
3. 必要に応じて最終更新日・更新頻度・優先度を設定
4. 「サイトマップ作成」をクリック
5. 生成ファイルをダウンロードしてFTPでアップロード
- WordPressプラグインの利用
- Google XML Sitemaps、All in One SEO、XML Sitemap & Google Newsなどをインストールすると、自動でサイトマップを作成・更新します。ページ追加や更新時に自動反映され、Search Consoleへ通知できるものも多いです。
- 導入はダッシュボードからプラグインを検索してインストール、有効化するだけなので手軽です。
B. 手動でXMLを書いて作成
– 小規模サイトや特殊な要件がある場合、テキストエディタで手動作成できます。Google推奨の基本構造(や、などのタグ)に従って記述します。
– 手作業は記述ミスが起きやすく、ページ数が多い場合は管理が大変です。したがって、規模によってはツールやプラグインを使うことをおすすめします。
サーバーへのアップロードと設置
準備
作成したsitemap.xmlはサイトのドキュメントルートに置きます(例: public_html/ や www/)。まずFTP情報(ホスト名、ユーザー名、パスワード、ポート)を用意してください。サイトがSFTPを使う場合はポート22を使います。
FTPでのアップロード(例: FileZilla)
- FTPクライアントを起動し、接続情報を入力してサーバーに接続します。
- ローカル側で作成したsitemap.xmlを選びます。
- リモート側でドキュメントルート(public_html など)を開き、ファイルをアップロードします。
- 上書き確認が出たら最新版をアップロードします。
実際の操作はドラッグ&ドロップで行えます。SFTPなら接続方式を切り替えてください。
パーミッションの確認
アップロード後、ファイル権限は通常644(所有者が書き込み可能、公開は読み取りのみ)に設定します。FTPクライアントやサーバーの管理画面で変更できます。
設置後の確認方法
ブラウザで https://あなたのドメイン/sitemap.xml にアクセスし、ファイルが見えるか確認します。見えない場合はパスやファイル名、文字コード(UTF-8無BOM)を確認してください。コマンドラインなら curl で取得確認できます。
robots.txtへの記述と圧縮ファイル
サイトがrobots.txtを使う場合、末尾に「Sitemap: https://あなたのドメイン/sitemap.xml」と追記すると検索エンジンに気づいてもらいやすくなります。また大きい場合は圧縮して sitemap.xml.gz を置けますが、必ず同じ場所(ドキュメントルート)に配置してください。
これでサーバーへの設置は完了です。次は検索エンジンへの通知に進んでください。
Google Search Consoleへの登録・通知
準備
まずGoogleアカウントを用意します。サイト所有者として登録するために、サイトのURL(例:https://example.com)を確認しておきます。
登録手順(簡単)
- Google Search Consoleにログインします。
- 「プロパティを追加」からサイトのURLを入力します(ドメイン単位の登録も選べます)。
- 指示に従い所有権を確認します。HTMLファイルのアップロード、HTMLタグの挿入、DNS設定などの方法があります。手軽なのはHTMLタグかGoogleアナリティクスの紐付けです。
サイトマップの送信
- 管理画面左側の「サイトマップ」を開きます。
- サイトマップのURLパス(例:sitemap.xml では「https://example.com/sitemap.xml」の末尾部分)を入力して「送信」します。
送信後の確認と対応
送信後、Search Consoleは認識状況と取得の結果を表示します。エラーが出た場合は詳細を確認して修正し、再送信してください。ページが見つからない、アクセス拒否、URLの誤りがよくある原因です。サイトを大幅に更新したときは再送信するとクロールが早まる可能性があります。
よくある注意点
- URLは正確に入力します(プロトコルやwwwの有無に注意)。
- sitemap.xmlが公開されていることを確認します。アクセスできなければ送信しても意味がありません。
よく使われるXMLサイトマップ作成ツール・プラグイン例
以下は実務でよく使われる無料・有料のツールと、代表的なWordPressプラグインの例です。各項目で特徴、使い方の流れ、メリットと注意点を短く説明します。
無料オンラインツール
- sitemap.xml Editor
- 特徴:手軽にURLを追加してSitemapを作れるエディタ型のツールです。
- 使い方:URLを入力→優先度や更新頻度を設定→XMLを生成してダウンロードします。
-
メリット:小規模サイトや手動管理に向きます。注意点は更新を手作業で行う点です。
-
XML Sitemaps Generator(xml-sitemaps.com)
- 特徴:サイトをクロールして自動的にSitemapを作成します(無料はページ数制限あり)。
- 使い方:サイトURLを入力→クロール開始→生成ファイルを取得します。
- メリット:一括で作れるため手間が省けます。大規模サイトは有料プランが必要です。
WordPressプラグイン
- Google XML Sitemaps
- 特徴:インストールすると自動でサイトマップを生成・更新します。
-
メリット:シンプルで設定が少ないため初心者向け。パーマリンクや投稿タイプを細かく除外できます。
-
All in One SEO(AIOSEO)
- 特徴:SEO全般の機能に加えてカスタマイズ性の高いサイトマップを提供します。
-
メリット:SEO対策と連携して細かい設定ができる点が便利です。
-
XML Sitemap & Google News
- 特徴:通常のサイトマップに加えGoogleニュース用のマップを作成できます。
- メリット:ニュース系サイトや更新頻度の高いサイト向けです。
選び方と共通の注意点
- 小規模静的サイト:sitemap.xml Editorなど手動ツールで十分です。
- 自動更新が必要ならWordPressプラグインかクロール型ツールを選びます。
- 共通の注意点:sitemapは50,000 URL/50MBが上限(分割可)、robots.txtやcanonical設定と矛盾しないように確認してください。
作成時・運用時の注意点
基本ルール
サイトマップには公開中のページのみを含めます。重複ページ、非公開(ログイン専用)や管理画面のURLは載せないでください。例:/admin や /user/settings は除外します。
更新のタイミング
新しいページを公開したり削除したら、サイトマップも必ず更新します。更新時は lastmod を適切に付けるとクローラーに変化を伝えやすくなります。
サイズと分割
Googleは1ファイルあたり50,000 URLまたは圧縮前で50MBが上限です。超える場合は複数のサイトマップに分け、サイトマップインデックスでまとめます。圧縮(gzip)で配信すると転送が速くなります。
URLに関する注意
- 絶対URLを使い、プロトコルとホストを正しく書きます。
- 同一ページの別表記(末尾スラッシュ有無や大文字小文字)は統一します。
- パラメータ付きの重複URLやセッションIDは避けます。
- noindex や canonical で別URLを指定している場合は、その設定と矛盾させないでください。
運用上のチェック項目
- robots.txt でサイトマップへのアクセスを遮断しないこと。
- Search Console で送信後、カバレッジのエラーを定期確認します。
- 変更頻度を過大に設定しないこと。頻繁すぎると逆効果です。
トラブル対策
クローラが来ない、エラーが出るときはURLの公開状態、HTTPステータス、文字コード(UTF-8)を確認します。必要なら分割や再送信を行ってください。
まとめ
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイト構造や更新情報を正確に伝えるための基本ツールです。初心者はオンラインツールやWordPressプラグインを使えば短時間で作成や更新ができます。手動作成は柔軟ですが、記述ミスや更新漏れが起きやすい点に注意してください。
作成後は必ずGoogle Search Consoleで送信し、インデックス状況やエラーを定期的に確認します。大規模サイトはファイルを分割してサイトマップインデックスを使い、robots.txtで場所を指定すると管理が楽になります。公開しないページやnoindexのページは含めないようにしましょう。更新日時(lastmod)は実際の更新に合わせて正しく設定すると、クローラーの訪問を促せます。
まずはシンプルなサイトマップを作り、Search Consoleでの報告を確認しながら改善してください。小さな改善を積み重ねることで、インデックスの精度が上がりSEO効果を安定して高められます。












