はじめに
この記事の目的
この連載では、Webサイトのレイアウトについて基礎から実践までわかりやすく解説します。見た目の美しさだけでなく、使いやすさ(ユーザビリティ)を高める具体的なポイントも紹介します。たとえば、ヘッダーの配置や検索ボックスの目立たせ方など、すぐに試せる工夫を取り上げます。
読者対象
サイト制作者やデザイナー初心者、ブログや企業サイトを改善したい方を想定しています。専門用語は最小限にとどめ、具体例を交えて説明しますので、初めての方でも理解しやすい内容です。
本記事で学べること
- レイアウトの基本要素と役割(例:ヘッダー、ナビ、コンテンツ、フッター)
- 視線を誘導する配置のコツ(例:重要なボタンを目立たせる)
- サイト内検索を使いやすくする考え方
- Googleカスタム検索の見た目を整えるポイント
読み方の案内
第2章以降で具体的なレイアウト要素と最新トレンド、検索機能のデザイン方法を順に解説します。まずは第2章で基本を押さえてから、実際のデザイン調整に進んでください。
Webサイトレイアウトの基本要素
グリッド
グリッドは画面を整えるための見えない枠です。12カラムグリッドなどがよく使われ、要素を左右や上下で揃えやすくします。例:画像を8カラム、説明を4カラムに分けるとバランスが取りやすくなります。
余白(ホワイトスペース)
余白は情報を区切り、読みやすさを向上させます。文字と画像の間、セクション同士に適度な余白を設けると、目が疲れにくくなります。狭すぎると窮屈に見え、広すぎると関連性が分かりにくくなります。
色彩とフォント
色はブランドの印象を作ります。メインカラーとアクセントカラーを決め、ボタンやリンクに統一して使います。フォントは可読性を優先し、見出しと本文で大きさを変えると階層が分かりやすくなります。
実践ポイント
・小さな画面でも読みやすいように要素を縦に並べることを意識します。
・重要な操作は視覚的に目立たせます(色や余白で強調)。
・まず紙やワイヤーフレームでレイアウトを試作してから実装すると失敗が減ります。
最新トレンド:スプリットレイアウト
概要
スプリットレイアウトは画面を左右または上下に大きく分割し、異なる情報を同時に見せる手法です。視覚の対比を活かして注目を集め、目的ごとに導線を分けられます。
主な利点
- 注目の誘導:片側に強いビジュアル、もう片側に行動を促す文言やボタンを置けます。例:商品画像と購入ボタン。
- 情報の比較:左右で特徴を並べて見せると選択がしやすくなります。
- 回遊促進:別コンテンツへの導線を同時に提示できます。
よく使われるパターン
- 垂直スプリット(左右分割): ランディングやヒーロー領域で多いです。
- 非対称スプリット: ビジュアル重視とテキスト重視で比率を変えます。
- スライダー型: ユーザー操作で比率を変えられます。
デザインのコツ
- コントラストを明確にして視線を誘導します。色・明るさ・フォントで差をつけると効果的です。
- テキストは読みやすい幅に収め、行長を意識します。短い見出しと要点で伝えます。
- スマホでは縦積みになります。重要要素を上に置き、ボタンは指で押しやすい大きさにします。
アクセシビリティと実装の注意点
- キーボード操作でも主要な操作にアクセスできるようにします。フォーカス順を自然に保ちます。
- 画像に代替テキストを付け、画面リーダーで意味が通る構造にします。
- 実装はFlexboxやGridで比率を管理し、背景画像は重なりを避ける工夫をします。
具体例
- ランディング: 左に大きな写真、右に申込フォーム。
- 比較ページ: 左右でプランの特徴を並べる。
- 編集記事: 片側に写真、もう片側に要約と続きを読むボタン。
以上を踏まえ、目的とデバイスに合わせて分割比や優先順位を決めると効果的です。
サイト内検索のレイアウトデザイン
導入
サイト内検索は訪問者が目的の情報にたどり着く大切な要素です。見た目だけでなく、使いやすさを優先してデザインします。
デザインの要点
- 目立たせる:ページ上で見つけやすい位置に置きます(ヘッダーか画面右上が定番)。
- 一貫性:サイト全体の余白やフォントに合わせます。
アイコンとプレースホルダー
虫眼鏡アイコンは直感的です。入力欄の左に小さく置くと分かりやすくなります。プレースホルダーには具体例を入れます(例:「商品名で検索」「記事タイトルを入力」)。例を示すことで利用者が使い方を理解します。
検索ボタンと操作性
検索ボタンは押しやすい大きさにします。ラベルは「検索」など短く明確にします。キーボードでEnterを押しても動作するようにし、クリックとキーボードの両方で使えると親切です。
検索窓のサイズと配置
デスクトップでは幅300〜500pxが目安です。長すぎると見た目が崩れるので注意します。モバイルでは画面幅いっぱいにして押しやすくします。
レスポンシブ対応
小さい画面では検索欄をアイコン化してタップで展開する方法が有効です。展開時は入力欄を中央寄せにすると操作しやすくなります。
アクセシビリティと視認性
コントラストを十分に取り、フォーカス時に枠の色を変えて入力中と分かるようにします。入力欄のクリアボタンを表示すると再入力が楽になります。
実例の小さな工夫
- 自動補完をつけると入力時間が短くなります。例:「東」までで「東京タワー」を提示する。
- 検索結果のない場合は代替案を表示して離脱を防ぎます。
Googleカスタム検索のデザイン変更
管理画面での基本操作
Googleカスタム検索では管理画面から表示形式を選べます。代表的な選択肢は、検索結果をページ上に重ねて表示する「オーバーレイ型」と、別ページで表示する「専用ページ型」です。管理画面の『表示/レイアウト』の項目で切り替えられます。
オーバーレイ型の特徴と注意点
オーバーレイ型は現ページを離れずに結果を確認でき、簡単な検索に向きます。利点は操作の中断が少ないことです。注意点は主要コンテンツを覆う可能性がある点と、閉じるボタンやフォーカス移動を整えておく必要がある点です。モバイルでは全面表示にしてタップしやすい余白を確保してください。
専用ページ型の特徴と注意点
専用ページ型は結果をゆっくり確認でき、ページ構成を自由に作れます。共有やブックマークに適し、詳細なフィルタやページネーションを組みやすいです。一方で検索後の戻りや遷移を自然に見せる配慮が必要です。
デザイン調整の具体例
- 検索ボックスの配置:ヘッダー内か目立つ位置に固定すると使いやすいです。
- 色と余白:サイトのブランドに合わせつつ、リンクと背景に十分なコントラストを持たせます。
- ハイライト:検索語句を強調表示すると視認性が上がります。
アクセシビリティとUX
キーボードで操作できること、モーダルならEscで閉じられること、検索結果へのフォーカスが明確であることを確認してください。URLに検索語句を含めると共有しやすくなります。
実装のヒント
管理画面の設定でまず表示形式を決め、必要に応じてCSSで見た目を微調整します。小さな変更を加えてユーザーテストを行い、使い勝手を確認することをおすすめします。












