はじめに
本記事では、株式会社セキュアオンラインが提供するWebサイト向けのセキュリティ脆弱性診断サービス「WEBセキュリティ診断くん」について、わかりやすく解説します。専門知識がない中小企業や個人事業主でも手軽に使える点を中心に、サービスの特徴や診断対象、導入時の注意点まで丁寧に説明します。
目的
サービスの基本的な仕組みや利用シーンを理解し、自社のWebサイトにどのように役立つか判断できるようにすることが目的です。簡単な導入の流れや期待できる効果もご紹介します。
対象読者
- 自社サイトを運営する中小企業の経営者・担当者
- 個人事業主やフリーランスでWebサービスを提供する方
- セキュリティ対策を始めたいが人手や予算が限られている方
本記事でわかること
- サービスの特徴と仕組み
- 診断で確認できる項目と対象範囲
- 他の診断ツールとの違い
- 実際の利用シーンと導入メリット
- 導入前に注意すべきポイント
読み進めることで、専門家に頼らずとも日常的なセキュリティ対策を検討できるようになります。次章から順に、具体的な内容を丁寧に解説していきます。
WEBセキュリティ診断くんとは何か
概要
WEBセキュリティ診断くんは、株式会社セキュアオンラインが提供するWebサイト向けの脆弱性診断サービスです。登録したWebサイトのURLに対して毎日自動でチェックを行い、問題が見つかれば通知します。専門知識がなくても使える点が特長です。
特徴(わかりやすく)
- 自動で毎日診断:人手をかけずに定期的なチェックを続けられます。
- 簡単な操作:URLを登録するだけで始められます。管理画面で結果を確認できます。
- 対応の手がかりを提示:発見した問題に対して、対処のヒントや優先度を示します。
対象ユーザー
セキュリティ担当がいない中小企業、個人事業主、複数サイトを管理する運営者など、手軽に継続的な安全確認をしたい方に向いています。
期待できる効果(具体例)
たとえば入力フォームに対する攻撃(例:不正な入力で情報を抜かれる問題)を早期に発見して修正できます。定期チェックで小さな穴を早く見つけ、情報漏えいのリスクを下げられます。
利用の流れ(簡単)
- サイトのURLを登録
- 自動診断が毎日実行
- 問題があれば通知と対処ヒントを受け取る
- 修正後は再チェックで安全を確認
以上が、WEBセキュリティ診断くんの概要です。専門知識がなくても継続的に安全を保てる点が魅力です。
サービスの特徴と仕組み
毎日自動診断
登録したURLに対して、毎日深夜帯に自動で診断を行います。たとえば「https://example.com」を登録すると、夜間にサーバーへのアクセスやフォームの挙動をチェックし、新たに報告された脆弱性にも素早く対応します。診断は自動化されているため、定期的な見直しを手間なく続けられます。
リーズナブルな料金設定
月額1万円から利用できる料金体系を採用しています。定期的に診断を受けることで、大がかりな手作業による診断や緊急対応を減らせます。たとえば、外部の専門業者へ単発で依頼するより費用を抑えつつ、継続的な安全性を確保できます。
専門知識不要の仕組み
セキュリティの専門知識がなくても、URLを登録するだけで診断を開始できます。診断結果は分かりやすいレポートで届き、問題の有無や優先度、対処の方向性が示されます。中小企業や個人事業主でも導入しやすい設計です。
無料診断キャンペーン(リリース記念)
サービス開始時の特典として、1サイト限定の無料診断キャンペーンを実施しています(2022年4月時点)。まず試して効果を確かめたい場合に活用できます。
診断対象・内容
この章では、WEBセキュリティ診断くんが対応する診断対象と具体的な診断内容をわかりやすく説明します。
1) Webアプリケーション
主に入力系の脆弱性や認証周りをチェックします。具体例としては、SQLインジェクション(不正な入力でデータを抜き取られる)、クロスサイトスクリプティング(XSS、他人の画面に不正なスクリプトが混入する)、認証・セッション管理の不備、ファイルアップロードの安全性、不適切なアクセス制御、CSRFやセキュアな通信(HTTPS)設定の確認、負荷に対する挙動確認などを行います。自動検査と手動検査を組み合わせて深く調べます。
2) プラットフォーム診断
OS、ミドルウェア、ウェブサーバ、データベースなど基盤部分の脆弱性を診断します。パッチ漏れや設定ミス、不要なサービスの公開、権限設定の誤りなどを確認します。サーバ側のログ設定やバックアップ運用など運用面の弱点もチェックします。
3) ネイティブアプリ診断
スマホ(iOS/Android)やPC向けアプリの診断です。通信の暗号化、認証情報の端末保管、逆コンパイルによる機密情報の露出、脆弱なライブラリの使用などを確認します。動的解析(実機での挙動確認)と静的解析(アプリ中のコードや設定の確認)を組み合わせます。
診断範囲の調整とレポート
診断内容は事前ヒアリングで業務用途や想定される攻撃に合わせて調整します。たとえばECなら決済周り、会員サイトなら認証と権限管理を重点的に検査します。検出した脆弱性は危険度を付け、再現手順と具体的な対策案を記載したレポートでご提供します。
他の脆弱性診断ツールとの比較
比較のポイント
市場には多様な診断ツールがあり、選ぶ際は目的に合わせて見ることが大切です。主に見るべき点は「診断の頻度と方法」「料金」「専門知識の有無」「結果の分かりやすさ」「サポート体制」の5点です。具体例として、毎日自動でチェックするか、必要時に手動で深掘りするかで運用負荷が大きく変わります。
主なツールの特徴(簡易比較)
| ツール名 | 診断方法 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| WEBセキュリティ診断くん | 自動・毎日 | 月1万円〜 | 専門知識不要、毎日診断、無料キャンペーンあり |
| Vex | 自動・手動 | 無料トライアル/有料 | 国産、高精度、幅広い診断項目 |
| AeyeScan | AI+自動 | 無料トライアル/有料 | SaaS型、AI活用、非エンジニア向けUI |
| Cloudbric | 自動+専門家 | 無料/有料 | 脅威インテリジェンス活用、幅広い対象 |
ツール別の使い分け例
- WEBセキュリティ診断くん:頻繁に更新する小〜中規模サイトに向きます。毎日自動で検査するため、夜間に入れた修正や外部ライブラリの変化を早く検知できます。価格も抑えめで、専門知識が不要なので社内に担当者がいない場合に便利です。
- Vex:手動の深掘りと高精度レポートが必要な場合に向きます。脆弱性の詳細な解析や法令対応が必要な企業で選ばれます。
- AeyeScan:AIを活用した自動検出と使いやすい画面を重視する場合に向きます。非エンジニアでも操作しやすいため、運用の効率化に寄与します。
- Cloudbric:自動検知に加え専門家の知見を組み合わせたい場合に適します。外部の脅威情報と照らし合わせた運用が必要な組織に向きます。
選び方のポイント
まず、自社の運用体制を確認してください。担当者がいない、または少人数で管理するなら毎日自動・専門知識不要のサービスが合います。逆に、法的要件や社内監査が厳しい場合は手動で深掘りできる高精度ツールを検討してください。
料金は重要ですが、検出頻度とサポート内容でトータルの価値が変わります。まずは無料トライアルやキャンペーンで相性を確かめることをおすすめします。
利用シーンとメリット
想定される利用シーン
- 中小企業や個人事業主:セキュリティ担当者がいない環境でも、URLを登録するだけで継続的にチェックできます。人手が足りない現場で特に役立ちます。
- コストを抑えたい企業:毎日診断で月額1万円~という低価格で、限られた予算でも運用できます。
- 即時導入が必要な場面:キャンペーンサイトや短期間のプロジェクトでも、面倒な設定なしにすぐ使えます。
主なメリット
- 継続的な早期検出:自動で定期診断を行い、脆弱性を早めに発見します。被害の拡大を防げます。
- 専門知識不要で運用可能:登録とレポート確認だけで運用でき、非専門の担当者でも扱えます。
- コスト効率が高い:外部のフル診断より安価に日常的なチェックを回せます。予算の限られる企業に向きます。
- 担当者の負担軽減:定期レポートで優先度の高い対策に集中できます。
具体的な利用例
- ECサイト:毎朝自動診断して決済まわりの問題を早期に検出。
- 新サービス公開前:リリース直前の簡易チェックとして活用。
- 常時運用サイト:定期的な見直しで突然の脆弱性発生を抑止。
導入の流れ(簡潔)
- 保護したいURLを登録
- 診断頻度を設定(毎日・毎週など)
- 診断レポートを確認し優先度を決定
- 修正後に再診断して完了
以上が代表的な利用シーンとメリットです。簡単に始められ、日々の運用でセキュリティの底上げが期待できます。
注意点と導入前のポイント
下記は導入前に確認しておきたい主な注意点と実務上のポイントです。分かりやすく項目ごとに整理しました。
診断の質と範囲
毎日自動診断は継続的にチェックでき利便性が高い一方、専門家による手動診断と比べると検出の深さや精度に限界があります。高リスクなシステムや重要データを扱う場合は、定期的に手動診断を併用してください。
誤検知と見落とし
自動診断は誤検知(偽陽性)や見落とし(偽陰性)が発生します。報告を鵜呑みにせず、担当者が内容を確認して対応優先度を決める運用を設けましょう。
業務影響と実行タイミング
診断時は負荷や一時的なサービス停止を招く可能性があります。業務時間外やテスト環境での事前検証、影響範囲の明確化を忘れないでください。
権限とアクセス設定
診断には適切なアクセス権限が必要です。最低限の権限原則に基づき、専用アカウントやIP制限を設定して運用してください。
報告内容とサポート体制
診断結果のレポート形式、誤検知の扱い、脆弱性対応時のサポート窓口やエスカレーション手順を事前に確認します。
法務・プライバシー
診断対象に個人情報や機密情報が含まれる場合、法的な許可や通知、データ取り扱いルールを整備してください。
コストと運用体制
自動診断の料金体系、オプションの有無、担当者の作業負荷を試算してから契約を検討します。運用ルールと対応フローをあらかじめ決めると導入後がスムーズです。
まとめ
要点の整理
WEBセキュリティ診断くんは、低価格で毎日自動診断を行い、専門知識がなくても使える点が大きな特徴です。無料体験で試せるため、初めて導入する中小企業や個人事業主に適しています。
選ぶ際のポイント
診断の深さや誤検知の有無、サポート体制を確認してください。必要に応じて手動診断や専門家のレビューを組み合わせると安心です。
導入後の進め方
定期的な診断結果をもとに優先順位を決め、簡単な対策から着実に実施してください。ログや履歴を残すと改善の効果を把握しやすくなります。
最後に
コストと手間のバランスを考え、自社に合った組み合わせで継続的に対策を行うことが最も重要です。まずは無料体験で操作感や検出結果を確認してみてください。












