はじめに
本記事の目的
本記事は、WordPressテーマ「SWELL」を使ってXMLサイトマップを作成・運用する方法をやさしく解説します。初めてサイトマップを扱う方でも迷わないよう、役割や設定手順、運用上の注意点まで順を追って説明します。
対象読者
- SWELLを使っているサイト運営者
- WordPress初心者でSEOを強化したい方
- サイトの巡回(クロール)を改善したい方
読み進め方の目安
各章は独立して読めますが、まずは第2〜4章で目的と推奨プラグインを押さえると設定がスムーズです。具体的な手順は第5・6章に分かれています。
大切にしている点
専門用語はできるだけ減らし、設定画面の画像や具体例で丁寧に説明します。操作が不安な方でも実践できるよう配慮しています。
SWELLでサイトマップを導入する目的と必要性
目的
サイトマップはサイトの地図のような役割を果たします。検索エンジンにページ構造を正しく伝え、重要なページを見つけてもらいやすくします。訪問者にとってはサイト全体の把握がしやすくなり、目的のページへたどり着きやすくなります。
XMLサイトマップの必要性
XMLサイトマップは検索エンジン向けの地図です。新しい記事や画像、更新の情報を正確に伝えられるため、インデックス促進や表示機会の増加に役立ちます。特にサイトを立ち上げたばかりのときや、ページ数が多い場合に効果が高いです。
HTMLサイトマップの役割
HTMLサイトマップは訪問者向けです。カテゴリーや主要ページを一覧で見せることで回遊率が上がり、ユーザビリティが改善します。サイト内検索やナビゲーションの補助としても有効です。
SWELLでの注意点
SWELLは使いやすい有料テーマですが、標準でXMLサイトマップを自動生成する機能は備わっていません。つまり、検索エンジンに正確に伝えるためにはプラグインの導入が必要です。次章以降で、具体的なプラグインと設定手順をわかりやすくご紹介します。
XMLサイトマップとは?その役割と重要性
XMLサイトマップの定義
XMLサイトマップは、サイト内のURLを機械向けに整理したファイルです。検索エンジンに送る地図のような役割を果たし、各ページの場所や更新日時、優先度を伝えます。
主な役割
- 新しいページや更新ページを検索エンジンに通知します。
- 深い階層やリンクが少ないページも認識されやすくします。
なぜ重要か
検索エンジンはまずクローラーでサイトを巡回しますが、見落としが起きることがあります。XMLサイトマップがあれば、重要なページを確実に知らせられ、インデックスのスピードと網羅性が向上します。例えば、新しく公開した記事や商品ページが早く検索結果に出る可能性が高まります。
どんなサイトで特に有効か
- 記事数や商品数が多いサイト
- ページが深くネストされているサイト
- 更新頻度が高いサイト
注意点
XMLサイトマップは補助ツールです。正しい内部リンク構造や良質なコンテンツ作りと併用してください。
SWELLでXMLサイトマップを作成する推奨プラグイン
SWELLでXMLサイトマップを作る際に使いやすいプラグインを4つ紹介します。用途に合わせて選ぶと運用が楽になります。
1) XML Sitemap & Google News
- 特徴:サイトマップ専用。インストールして基本設定をするだけで自動生成・自動更新します。
- 向いている人:初心者やシンプル運用を好む人。設定が少なくて済みます。
- ワンポイント:Google News対応が必要な場合に便利です。
2) Yoast SEO
- 特徴:SEO全般を強化する人気プラグインで、XMLサイトマップ機能が標準搭載されています。
- 向いている人:SEO対策も一緒に行いたい人。多機能ですが設定項目は分かりやすいです。
- ワンポイント:SNSやメタ情報も整えたい場合におすすめです。
3) XML Sitemaps
- 特徴:とにかくシンプル。サイトマップだけを作りたい場合に最適です。
- 向いている人:余計な機能を増やしたくない人。
- ワンポイント:軽量なのでサイト速度への影響が小さいです。
4) Rank Math
- 特徴:高機能なSEOプラグインで、XMLサイトマップの自動生成を持ちます。
- 向いている人:詳細なSEO設定や拡張機能を使いたい中上級者向けです。
- ワンポイント:他のSEOプラグインと併用すると競合するため、どれか一つに統一してください。
共通の注意点:複数のプラグインでサイトマップを同時に有効にすると競合します。必ず1つに絞り、生成されたサイトマップをGoogle Search Consoleに登録してください。
XML Sitemap & Google Newsの具体的な設定手順
以下では、SWELLで使うプラグイン「XML Sitemap & Google News」の基本的な設定手順を分かりやすく説明します。
1. プラグインのインストール
- WordPress管理画面で「プラグイン」→「新規追加」を開きます。
- 検索欄に「XML Sitemap & Google News」と入力して検索し、インストール後に有効化します。
2. 基本設定(タクソノミー)
- プラグイン設定画面の「タクソノミー」タブを開きます。
- 各タクソノミー(カテゴリー・タグなど)の優先度を0.5以上に設定します。これは検索エンジンに重要度を伝える目安です。
- カテゴリーは表示、タグは除外、などはサイト運用方針に合わせてチェックします。例:情報整理が主ならカテゴリーを含め、スパム的なタグは外します。
3. 投稿者設定
- 設定内の「投稿者を含める」にチェックを入れると、著者ページもサイトマップに含められます。
- 複数著者でプロフィールが充実している場合は有効にします。個人サイトで不要なら外しておくと良いです。
4. 自動生成・更新と確認
- 設定を保存するとサイトマップが自動生成・自動更新されます。基本的に以降は触る必要はありません。
- 変更後はキャッシュをクリアして、サイトマップのURL(例:/sitemap.xml または /sitemap_index.xml)をブラウザで開き、意図したURLが含まれているか確認します。必要ならGoogle Search Consoleに送信してください。
Yoast SEOを使ったXMLサイトマップの作成手順
1. プラグインのインストールと有効化
WordPress管理画面で「プラグイン」→「新規追加」を開き、検索欄に「Yoast SEO」と入力します。「今すぐインストール」を押し、有効化します。画面の指示に従えば数分で完了します。
2. XMLサイトマップ機能をオンにする
管理画面のサイドバーから「SEO」→「一般」→「機能」タブを開きます。「XML サイトマップ」の項目を「有効」に切り替えます。保存ボタンがあれば押します。
3. サイトマップの確認方法
同じ画面の「XML サイトマップを表示」リンクをクリックするか、ブラウザで「https://あなたのサイトドメイン/sitemap_index.xml」にアクセスします。サイトマップインデックスが表示され、投稿・固定ページ・カテゴリーなどの個別サイトマップが一覧で見えるはずです。
4. 含める内容を調整する
「SEO」→「検索表示(Search Appearance)」で投稿タイプやタクソノミーごとに検索エンジンでの表示の有無を設定できます。例:固定ページをサイトマップに入れたくない場合は固定ページの「表示」を「いいえ」にします。
5. 検索エンジンへの送信(例:Google)
Google Search Consoleでプロパティを選び、「サイトマップ」から sitemap_index.xml のURLを貼り付けて送信します。送信後もYoastはサイトマップを自動更新するため、通常は手動送信は不要です。
6. 運用上の注意点
キャッシュやセキュリティプラグインがサイトマップ表示を妨げる場合があります。noindexにしているページはサイトマップに含めないよう設定を確認してください。変更後は正常に表示されているか必ず確認しましょう。
XMLサイトマップの運用ポイント・注意点
検索エンジンへの通知
XMLサイトマップを作成したら、まずGoogle Search ConsoleやBing WebmasterにサイトマップURLを登録します。これにより新しいページや更新のインデックスが早まりやすくなります。例:/sitemap_index.xml を送信します。
カテゴリーやタグの選択
サイト運用方針に合わせて含めるタクソノミーを決めます。例えば情報重視のサイトはカテゴリーを優先し、重複が多いタグは除外すると良いです。重複コンテンツを避けるため、重要なページだけを含めます。
更新の自動化と確認
多くのプラグインは投稿の追加・更新を自動で反映します。運用としては週に1回程度、Search Consoleでインデックス状況とエラーを確認してください。
除外すべきページ
- サンクスページや管理画面、ログインページ
- 重複した内容や意図的に非表示にするページ(noindex設定があるもの)
注意点
canonicalタグやnoindexとサイトマップの整合性を保ちます。整合が取れていないと検索エンジンが混乱するため、サイトマップに載せるページは公開状態であることを確認してください。
HTMLサイトマップとの違いと併用のメリット
HTMLサイトマップとは
HTMLサイトマップは訪問者向けの一覧ページです。カテゴリーや記事、固定ページを見やすく並べ、サイトの全体像を把握しやすくします。たとえば「カテゴリ別」「新着順」といった構成でユーザーが目的のページにたどり着きやすくなります。
XMLサイトマップとの違い
- 対象:HTMLは人、XMLは検索エンジン向けです。
- 目的:HTMLは導線改善、XMLはクロールとインデックス促進。
- 表示方法:HTMLはサイト内にリンクで表示、XMLはサーバーに設置してサーチコンソールへ送信します。
併用のメリット
両方置くとSEOとユーザビリティの両立が図れます。XMLで検索エンジンにページ構造を正確に伝え、HTMLで訪問者の回遊を促します。特に新規記事やアーカイブが増えるサイトでは効果的です。
SWELLでの設置例と運用ポイント
- プラグイン例:WP Sitemap Pageなどで簡単にHTMLサイトマップを作成できます。
- 設置場所:フッターやサイドバー、サイト内検索結果ページ近くにリンクを置くと用途に合います。
- 更新:サイト構造が変わったら見直しを行い、XMLは自動生成、HTMLは手動でカテゴリー整理すると便利です。
以上を実践すると、訪問者の利便性と検索エンジンへの伝わり方を両立できます。
まとめ・おすすめ運用方法
この記事のポイントを簡潔にまとめ、実際に運用する際のおすすめ手順を示します。
- 最初にやること
- プラグインを導入(XML Sitemap & Google News、またはYoast SEO)し、基本設定を行ってください。ほとんどの場合、インストール後に自動でサイトマップが生成されます。
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Google Search Consoleにサイトを登録し、サイトマップURL(例: /sitemap.xml)を送信してください。これで検索エンジンがサイト構造を把握します。
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運用時の簡単チェックリスト(週1回〜月1回)
- サイトマップが正しくアクセスできるか確認する
- 新規記事や大幅更新後にサイトマップが更新されているか確認する
-
エラーや除外ページがないかSearch Consoleで確認する
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運用のコツ
- HTMLサイトマップも作成して訪問者の回遊を助けると良いです。検索エンジン向け(XML)と人向け(HTML)を両立させると利便性が上がります。
- 重複コンテンツやインデックスさせたくないページはプラグインで除外してください。無駄なURLが増えると効率が落ちます。
- 大きな構成変更やサイト移転時は、Search Consoleで再送信やクロールのリクエストを行ってください。
まとめると、最初に適切なプラグインで自動生成を設定し、定期的にSearch Consoleで確認するだけで十分です。これにHTMLサイトマップを併用すれば、検索エンジンと訪問者の両方に配慮した運用が可能になります。