無料で使えるwebサイトセキュリティチェック完全ガイド2024年版

目次

はじめに

本記事の目的

本記事は、無料で利用できるWebサイトのセキュリティチェック方法とおすすめツールをやさしく解説します。専門知識がなくても、まず自分のサイトにどんなリスクがあるかを把握し、簡単な対策を始められることを目指します。

誰に向けて書いたか

  • 個人ブログや小規模サイトの運営者
  • これからサイトを公開する方
  • セキュリティの入門を始めたい開発者や担当者

この記事で学べること

  • 無料で使える代表的な診断ツールの特徴と使い方
  • 診断の一般的な流れとチェックすべきポイント
  • 診断以外で役立つ無料ツールの紹介
  • 無料ツールを使う際の注意点と安全な進め方

まずは気軽に診断を試して、見つかった問題を一つずつ対処していきましょう。知識がなくても実行できる手順を中心に説明します。

Webサイトセキュリティ診断の重要性

なぜ重要か

Webサイトは外部に公開するため、攻撃者の標的になりやすいです。脆弱性を放置すると、個人情報の流出、サイト改ざん、サービス停止などの被害が起こります。被害は利用者や運営者の信用を損ない、復旧に時間と費用がかかります。

被害の具体例(イメージしやすい例)

  • 会員サイトのログイン画面に問題があると、不正ログインで個人情報が盗まれることがあります。
  • 画像アップロード機能の検証が不十分だと、改ざん用プログラムが置かれ、画面が書き換えられます。
  • 暗号化が弱いと、入力したパスワードやクレジット情報が傍受されます。

誰が診断すべきか

個人ブログや小規模事業のサイト運営者、非エンジニアの担当者も対象です。専門知識がなくても、まずは簡易診断で問題の有無を確認できます。

診断でわかること(具体例)

  • SSL/TLSの設定不備や期限切れ
  • CMSやプラグインの古いバージョン
  • 公開フォルダの誤設定や不要ファイルの存在
  • フォームの入力チェック不足

定期性と優先度

新機能導入やソフト更新後、まず診断を行ってください。小規模サイトなら月1〜四半期ごと、大きな変更があれば随時の確認をお勧めします。

無料の診断ツールは手軽な第一歩です。まず自分のサイトで簡単なチェックを行い、重大な問題が見つかれば専門家に相談すると安心です。

無料で使えるWebサイトセキュリティ診断ツール一覧

Webサイトのセキュリティ診断に使える無料ツールを、目的とレベル別にわかりやすく紹介します。簡単な説明と使い方のポイントを添えます。

Acunetix Vulnerability Scanner

特徴:直感的なGUIと詳細レポートを備えます。自動で一般的な脆弱性を検出します。
使い方のポイント:初心者でも扱いやすいので、まず自動スキャンで全体像を確認してください。

Netsparker Community Edition

特徴:誤検知が少なく高精度です。深めの検査が得意です。
使い方のポイント:重要なページやログイン後のページをターゲットにすると効果的です。

Vuls

特徴:オープンソースで通知機能があります。サーバーやライブラリの脆弱性に強いです。
使い方のポイント:サーバー管理に慣れた方向け。定期スキャンと自動通知を設定してください。

OWASP ZAP

特徴:軽いスキャンから詳細な動的解析まで対応します。拡張が豊富です。
使い方のポイント:プロキシとしてブラウザ操作と組み合わせると、動的な脆弱性を見つけやすいです。

WEBセキュリティ診断くん(日本製)

特徴:日本語で使える簡易診断ツール。脆弱性数の把握に便利です。
使い方のポイント:まず無料版でスキャンし、結果に応じて深掘りしてください。

Webサイト安全性チェック(トレンドマイクロ)

特徴:簡易的な安全性判定をウェブ上で実行できます。
使い方のポイント:外部からの簡単な健康診断として利用してください。

iLogScanner(Webサイト攻撃兆候検出ツール)

特徴:攻撃の兆候をログから検出します。侵入後の挙動確認に有効です。
使い方のポイント:Webサーバーログを定期的に解析して早期発見につなげてください。

選び方:自動で全体を把握したいならAcunetixやNetsparker、手動で詳細に確認したいならOWASP ZAPやVuls、簡易チェックはトレンドマイクロやWEB診断くんがおすすめです。目的と技術レベルに合わせて使い分けてください。

セキュリティ診断の流れとポイント

概要

無料診断ツールは多くの場合、サイトのURLを入れるだけで自動検査を行います。SQLインジェクションやXSS(クロスサイトスクリプティング)など主要な脆弱性を検出し、危険度や改善案をレポートで示します。

診断の流れ(簡潔)

  1. 準備:診断対象のURLと範囲を決め、可能ならバックアップやステージング環境を用意します。
  2. スキャン実行:ツールにURLを入力して自動検査を開始します。
  3. レポート受領:検出項目ごとに説明、危険度、改善案が出ます。
  4. 優先対応:重大な脆弱性から修正します。
  5. 再検査:修正後に再スキャンして確かめます。

診断結果の見方と具体例

  • 危険度は高・中・低で示されます。高は即対応が必要です。
  • 具体例:SQLインジェクション→パラメータ化クエリ、XSS→出力時にエスケープ、古いCMS→最新版に更新。
  • 誤検出(false positive)があるため、コードやログで確認してください。

優先度の付け方のポイント

影響範囲(ログイン情報か一般情報か)と攻撃のしやすさで優先度を決めます。例えばログイン画面の脆弱性は優先度が高くなります。

無料ツール利用時の注意

無料版は詳細な診断や認証付きテストが無い場合があります。まずは脆弱性の有無を把握し、必要に応じて専門家や有料サービスで深掘りしてください。

セキュリティ診断以外の関連無料ツール

はじめに

セキュリティ診断に加え、サイト全体の健康を保つための無料ツールがあります。ここでは代表的なものと使い方のポイントをやさしく説明します。

主なツールと用途

  • Google Analytics(アクセス解析)
  • 訪問者数や行動を把握できます。例:どのページが離脱しやすいかを確認して改善します。
  • Google Search Console(SEO診断)
  • 検索での表示状態やインデックス状況を確認します。例:検索キーワードやクロールエラーをチェックします。
  • PageSpeed Insights(表示速度診断)
  • ページの読み込み速度を計測し改善点を提案します。例:画像の最適化や不要なスクリプト削除の指示が出ます。
  • モバイルフレンドリーテスト(ユーザビリティ診断)
  • スマホで見やすいかを検査します。例:ボタンやテキストの表示サイズを確認します。
  • SSL/TLSチェッカー、セキュリティヘッダー検査、リンク切れチェッカー、HTMLバリデータ
  • SSLの有効期限や安全設定、セキュリティヘッダーの有無、壊れたリンク、HTMLの基礎的な誤りを見つけます。

組み合わせて使うポイント

  • まずアクセス解析で問題のあるページを特定します。次に速度やモバイル診断で原因を探り、最後にセキュリティ系ツールで設定を確認します。

利用頻度と簡単な手順

  • 週1回〜月1回の定期チェックが現実的です。初めは各ツールでレポートを出し、優先度の高い項目から対応してください。対応後は再検査して改善を確認します。

無料ツール利用時の注意点

1. 診断範囲と精度の限界

無料ツールは手軽に使えますが、診断できる項目が限定的です。たとえば、簡易な脆弱性や設定ミスは見つかっても、複雑な認証フローやビジネスロジックの欠陥は見逃すことがあります。

2. 結果の扱い方(誤検知と見逃し)

ツールの報告をそのまま信じず、必ず人の目で確認してください。誤検知(偽陽性)もありますし、本当に危険な問題を検出できない場合(偽陰性)もあります。具体例として、特定のプラグインだけに起きる問題は一般ツールで見落とされます。

3. プライバシーとデータの取り扱い

無料サービスでは診断時に送信されるデータの扱いを確認してください。ログやスキャン対象が外部に保存される場合があります。機密情報を含むページはテストから除外するか、ローカル環境での検査を検討してください。

4. 自動診断の更新と互換性

ツールは定期的な更新が必要です。古いツールは最新の脆弱性やライブラリに対応していないことがあります。導入前に最終更新日や対応する技術を確認しましょう。

5. 有料サービスや専門家を検討する目安

重要な顧客情報を扱う・法令順守が必要・複雑なシステムを運用している場合は、有料診断や専門家の検査を検討してください。無料ツールだけでは対応できないリスクが残ります。

6. 継続的なチェックと改善

一度の診断で安心せず、定期的にチェックを続けてください。診断結果に基づき優先順位を付け、小さな修正も継続して行うことが安全性向上につながります。

まとめと推奨アクション

はじめに

まずは無料ツールで自分のWebサイトの現状を把握してください。検出された脆弱性やリスクには速やかに対策を行うことが被害防止の第一歩です。定期的なチェックと必要に応じた専門支援で、安全な運営を目指しましょう。

今すぐ行う短期アクション(優先度高)

  • 無料スキャンを実行:診断ツールでサイト全体をチェックします(例:SSLや基本的な脆弱性)。
  • パスワード強化:管理画面やFTPのパスワードを12文字以上にし、可能なら二段階認証を有効にします。
  • ソフト更新:CMSやプラグイン、サーバーのソフトを最新に保ちます。
  • バックアップ設定:自動バックアップを設定し、バックアップの復元方法を確認します。

継続的に行う中長期アクション

  • 定期スキャンの実施:週1回〜月1回でスキャンを習慣化します。ログや不審なアクセスを確認します。
  • 権限管理の見直し:不要な管理者アカウントを削除し、最小権限で運用します。
  • セキュリティ方針の整備:更新手順や緊急連絡先を文書化します。

脆弱性を見つけたときの対応フロー

  1. 影響範囲を把握する(どのページ・機能に影響するか)。
  2. 優先度を決めて速やかに修正する(設定変更、パッチ適用など)。
  3. 修正後に再スキャンして確認する。ログを保存し、経緯を記録します。
  4. 大きな問題なら公開停止や専門家への相談を検討します。

専門家に依頼する目安

  • 個人で対応できない技術的な問題があるとき
  • 情報漏えいや不正アクセスの疑いがあるとき
  • 業務影響が大きく即時対応が必要なとき

最後に、まずは無料ツールで現状を把握し、小さな改善を積み重ねてください。早めの対策が被害を防ぎ、安心してサイト運営を続ける一番の近道です。

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