はじめに
この記事の目的
この連載では、Webサイトの「名前(サイト名)」について、基礎から実践までわかりやすく解説します。サイト名の意味や役割、決め方、SEOとの関係、実例や確認・変更方法まで網羅します。
想定する読者
- これからサイトを作る方
- 既に運営しているがサイト名に悩んでいる方
- サイト名とSEOの関係を知りたい方
誰でも理解できるように、専門用語は最小限にして説明します。
本章で伝えたいこと
本章は全体の導入です。まずこの記事で何が学べるかを示し、各章の流れを簡単に説明します。以降の章で順に、実践的な方法や具体例を紹介します。
各章の簡単な流れ
- サイト名の定義と役割
- SEOとの関係と影響
- 決め方のパターンと実例
- サイト名とURL・ページタイトルの違い
- サイト名の確認・変更方法
- 名前を付けるときの注意点とコツ
- 検索結果にサイト名を表示させる方法
読み方の目安
まず第2章から順に読むことをおすすめしますが、特に知りたい項目があれば該当章だけ読んでも問題ありません。具体例や手順は後半の章で詳しく扱います。ご自身のサイトに合う考え方を見つけてください。
Webサイトの「名前」とは何か
定義
Webサイトの名前(サイト名)は、Webサイトそのものを指す固有名詞です。店舗でいう「屋号」にあたり、運営者やブランドを一言で表します。
何を示すか
サイト名は次のようなことを伝えます。
– 運営者やブランドの顔
– 発信する情報のジャンル(例:料理、IT、育児など)
– サイトの雰囲気やコンセプト(親しみやすい、専門的など)
具体例
- 個人ブログ:『森の暮らしノート』
- 企業サイト:『山田製作所 公式サイト』
- 情報メディア:『Techガイド』
これらは一目で何を扱うか分かる名前です。
ページタイトル・URLとの違い
- サイト名:サイト全体の名称(屋号)
- ページタイトル:各ページ固有の題名(記事タイトル)
- URL:サイトやページの住所を示す文字列
サイト名はブランドの入口になります。読み手に覚えてもらいやすく、内容を想像させる名前を選ぶと効果的です。
サイト名の役割とSEOとの関係
1) サイト名がもたらす印象
サイト名は訪問者に最初に伝わる情報です。短く覚えやすい名前はブランド認知を高め、信頼感につながります。例えば「東京ランチガイド」という名前は、どんな情報が得られるかが即座に分かります。
2) 検索結果での表示とクリック率
Googleなどの検索結果にはサイト名が表示されます。検索結果で分かりやすいサイト名は、ユーザーの目を引きやすく、クリック率(CTR)が上がります。CTRが上がれば間接的にアクセス増加につながります。
3) キーワードとSEOの関係
サイト名に検索されやすいキーワードを含めると、該当キーワードでの関連性が分かりやすくなり、有利に働く場合があります。たとえば地域名やジャンル(「大阪 カフェ」など)を含めると、地域検索で見つかりやすくなります。ただし、単にキーワードを詰め込むだけでは検索で上位になるわけではありません。コンテンツの質やサイト構造も重要です。
4) 実用的なポイント
- 短く覚えやすい名前にする。
- 必要なら主要キーワードを自然に含める。
- 名前と実際のコンテンツの内容を一致させる。ミスマッチは信頼を損ないます。
- サイト名はロゴやSNS、メタ情報と統一する。検索結果での見え方が安定します。
最後に、サイト名はSEOの一部であり重要な要素です。名前だけで全てを解決できない点を踏まえ、良質なコンテンツと合わせて検討してください。
サイト名の決め方パターンと実例
4つの基本パターン
-
SEO対策型:検索される語句を含める名前です。狙うキーワードをそのまま入れるため検索で見つかりやすくなります。例:価格.com(価格を表す語をそのまま使用)。短所は個性が弱く競合が多い点です。
-
名前型:運営者名やブランド名を使う方法です。信頼感やブランディングに向きます。例:はてなブログ、クックパッド。長く続けるなら特に有効です。
-
オリジナル型:造語や独自語で他と被りにくい名前です。例:GIGAZINE、note。独自性を出せますが、最初は意味が伝わりにくいことがあります。
-
キャッチー型:語感や覚えやすさを重視します。短くてリズムが良い名前が多いです。例:メルカリ、ライフハッカー。人の印象に残りやすい利点があります。
選び方の実践ポイント
- 目的に合わせる:集客重視ならSEO型、長期ブランド化なら名前型やオリジナル型を検討します。
- 覚えやすさ:短く読みやすいことを優先します。
- ドメインと商標:取得可否を早めに確認します。
- 将来性:内容が広がっても違和感ない名前にします。
実例を参考に、自分のサイトの目的と読者を軸に選んでください。
サイト名とURL・ページタイトルの違い
サイト名(ブランド名)
サイト名はお店の屋号のようなものです。ブランドやコンセプトを象徴する短い名称を指します。例:オンラインパン屋「こむぎ堂」。名刺やヘッダーに表示して認知を高めます。
URL(住所)
URLはインターネット上の住所です。ドメインやパスで構成され、サイトやページの所在を示します。例:https://komugido.example.com/products/anko
ページタイトル(ページごとの題名)
ページタイトルは各ページごとに付ける題名で、検索結果やブラウザタブに表示されます。例:こむぎ堂|季節のあんパン紹介。SEOで重要な役割を果たします。
違いと使い分けの例
サイト名=ブランド、URL=住所、ページタイトル=部屋の扉にかける札です。例えば「こむぎ堂」のトップページURLは /、商品ページは /products/anko、商品ページのタイトルは「季節のあんパン紹介|こむぎ堂」が適切です。
注意点
ページタイトルは検索で見えるため、内容を短く具体的に書いてください。サイト名は一貫して使い、URLは変更するとリンク切れやSEOに影響します。
サイト名の確認・変更方法
概要
サイト名は管理画面やHTMLの
WordPressでの手順
- 管理画面にログイン
- 「設定」→「一般」を開く
- 「サイトのタイトル」を入力して「変更を保存」
- テーマやプラグイン(例:カスタマイズ→サイト識別情報、Yoast等)でページタイトル設定も確認してください
HTML・他のサイト作成サービス
- 静的サイト:head内の
を編集してアップロード - Wix/Squarespace等:ダッシュボードの「サイト設定」→「基本情報」から変更
検索結果での確認方法
- Googleでサイト名を検索する
- site:yourdomain.com を使いインデックス状況を確認
- Google Search ConsoleのURL検査で再クロールを依頼できます
反映までの注意点
- 変更は検索結果に反映されるまで時間がかかる場合があります。キャッシュやCDNをクリアすると早まることがあります
- 内部リンクやSNSの表示名も合わせて更新すると混乱を避けられます
おすすめのチェック手順
- 管理画面で変更→2. キャッシュ削除→3. インコグニトウで表示確認→4. Search Consoleでインデックス依頼
これらを順に行えば、安全にサイト名を確認・変更できます。
サイト名を決める際の注意点・コツ
コンセプトを最優先に
サイト名は目的や読者像を端的に伝える道具です。まず「誰に何を伝えるか」を明確にしてください。例:「初心者向け家庭菜園」なら、親しみやすさを優先します。
ターゲットとキーワードの扱い
SEOキーワードを名前に入れると探されやすくなります。ただし無理に詰め込むと不自然になります。自然な語順で短めに入れるか、サブタイトルで補う方法が便利です。
覚えやすさと語感
短く、発音しやすく、文字で見ても分かりやすい名前が望ましいです。例:「おうちカフェ」「ねこ日和」は覚えやすい。逆に数字や長い英単語は避けたほうが良い場面が多いです。
独自性と法的チェック
他サイトと重複しないこと、商標やドメインが利用可能かを必ず確認してください。似た名前だと誤認やトラブルの元になります。
将来性を考える
扱うテーマが広がっても違和感がない名前を選びます。最初は限定的な名前でも、拡張を見越してサブブランドで対応する方法もあります。
テストと最終チェック
候補を3〜5個に絞り、周囲に発音してもらい印象を聞きます。短いロゴやSNS名にしたときの見え方も確認すると安心です。
検索結果にサイト名を表示させる方法
概要
Google検索でサイト名を適切に表示するには、構造化データ(Structured Data)を正しく設定し、CMSのサイトタイトルやロゴ情報を整えることが重要です。これで検索結果の信頼性が高まり、サイト名が表示されやすくなります。
手順(簡単な流れ)
- サイト名を統一する(ページ内やSNS、プロフィールで同じ表記にする)
- サイトタイトル(CMS設定)とホームページのタイトルタグを確認する
- ロゴを用意し、構造化データに指定する
- WebSite/OrganizationのJSON-LDをページ内に追加する
- Google Search Consoleでサイト所有を確認し、サイトマップを登録する
WordPressなどCMSでの設定例
- WordPress:ダッシュボード→「設定」→「一般」からサイトタイトルを統一します。テーマやSEOプラグイン(例:Yoastなど)でホームのタイトルやロゴを設定します。
- その他CMS:同様にサイトタイトルとサイトロゴの項目を探して設定してください。
構造化データ(例)
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "WebSite",
"name": "サイト名例",
"url": "https://example.com",
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "サイト名例",
"logo": {"@type":"ImageObject","url":"https://example.com/logo.png"}
}
}
確認方法
GoogleのリッチリザルトテストやSearch ConsoleのURL検査で構造化データを確認します。表示はGoogleの判断に左右される点に注意してください。
注意点
- 表記を頻繁に変えないでください。検索結果は一貫性を重視します。
- ページタイトルと競合しないよう、サイト名は適切な長さにしてください。