aws 750時間無料利用枠の仕組みと活用方法を詳しく解説

目次

はじめに

本記事の目的

本記事は、AWSの無料利用枠のうち「750時間」に注目して解説します。対象サービスや利用条件、超過したときの料金、具体例、活用のコツまで順を追って説明します。これからAWSを学ぶ方や検証環境を低コストで作りたい方に向けた実践的な情報を提供します。

想定読者

  • AWSをこれから使い始める初心者の方
  • 学習や検証の環境を無料枠で試したい方
  • 無料枠の意味を具体的に知りたい開発者や学生

読み方のポイント

各章を順に読むと理解しやすい構成です。第2章で無料利用枠の基本を説明し、第3章で「750時間」の意味を具体例で示します。コストの見積もり例や活用法も掲載しますので、実際に手を動かす際の参考にしてください。

注意点

AWSの無料利用枠は条件や対象がサービスごとに異なります。まずは本記事で全体像をつかみ、後で実際の利用条件をAWS公式で確認することをおすすめします。

AWS無料利用枠とは

概要

AWS(Amazon Web Services)は、新規ユーザー向けに「無料利用枠(Free Tier)」を提供しています。これは、費用を抑えてAWSの主要サービスを試せる仕組みです。多くのサービスは新規アカウント登録日から1年間が対象で、別に一部サービスは無期限での無料枠があります(例:DynamoDB、Lambda、CloudFront)。学習や検証に向いています。

対象となるユーザー

無料利用枠は基本的に新しく作成したAWSアカウントが対象です。登録時にクレジットカードなどで本人確認を行う必要があります。既存アカウントや以前に試したことがあるアカウントは対象外となる場合が多いです。

主な特徴

  • 期間限定の無料枠(通常12か月)と恒久的な無料枠が混在します。
  • 無料枠には月ごとの利用上限があります。上限を超えると通常の料金が発生します。
  • 無料枠はアカウント単位で適用されます。複数ユーザーで共有する際は注意が必要です。

使い方の例と注意点

学習用のサーバー構築や、小規模アプリの検証に使えます。使い終わったらリソースを削除しておくと不要な課金を防げます。料金アラートや利用状況のダッシュボードを設定して、上限を超えたときに気づけるようにすると安心です。

「750時間」の意味と対象サービス

概要

「750時間」とは、特定のAWSサービスを毎月最大で750時間まで無料で使える時間枠を指します。これは1アカウントあたりの月次の上限として扱われ、対象となるサービスごとに適用されます。

使い方のイメージ

  • 1台を1ヶ月ほぼフル稼働:1台を24時間稼働させると、1ヶ月分に相当します(目安として24時間×31日=744時間)。そのため、1台を丸ごと1ヶ月動かす用途に向いています。
  • 複数台で分け合う:例えば2台を同時に稼働させる場合は、それぞれの稼働時間の合計が750時間を超えないように使います。合算で管理できる点がポイントです。

主な対象サービス(概要)

  • Amazon EC2:t2.micro または t3.micro インスタンスが対象になります。小規模なテストや学習に適しています。
  • Amazon RDS:無料枠の対象インスタンスがあり、軽いデータベース用途で使えます。
  • Amazon OpenSearch Service:t2.small.search または t3.small.search インスタンスと、EBSストレージ10GBまでが対象です。

注意点(利用上の基本)

稼働時間はインスタンスが動いている時間でカウントされます。停止や終了の扱い、ストレージの課金有無などはサービスによって異なるため、実際の運用では個別に確認してください。

利用条件・注意点

前提条件

無料利用枠は新規アカウント登録日から1年間有効です。1年を過ぎると自動的に通常料金が適用されます。無料枠は契約期間ではなく、作成したアカウントに紐づきます。

対象インスタンスと対象外

対象は一部のインスタンスタイプ(例:t2.micro、t3.microなど)に限られます。対象外のインスタンスを起動した場合や、追加で起動した分は通常料金が発生します。OSやリージョンによって料金が異なることにも注意してください。

時間の数え方(750時間)

750時間は月あたりの合計上限です。稼働時間はインスタンス単位で合計します。たとえば1台を月内ずっと稼働させれば約720~750時間を消費します。

複数インスタンスの扱い

複数台を同時に動かすと時間は合算されます。例:同じ月に3台を常時稼働させると3台分の時間が合算され、750時間を超えた分に料金が発生します。

注意すべきポイント

  • ストレージや転送量、追加サービスは無料枠対象外のことが多いです。請求明細をこまめに確認してください。
  • 無料枠はリージョンごとに扱いが異なる場合があります。起動リージョンを確認してください。
  • 請求アラームやコストエクスプローラーを設定し、上限近くなったら通知を受け取ると安心です。

推奨アクション

起動前に対象かどうかを確認し、不要なインスタンスは停止・削除してください。定期的に請求ダッシュボードをチェックして、無料枠の残り時間を把握すると安心です。

コスト計算例

以下では、よくある例を使って無料枠の超過分がどのように課金されるかを分かりやすく示します。

1) Amazon EC2 の例

  • 前提:t2.microインスタンスを1台、1ヶ月(約730時間)稼働
  • 730時間であれば無料枠内で利用できます。
  • 2台を同じ期間に稼働させた場合
  • 合計稼働時間 = 730時間 × 2台 = 1,460時間
  • 無料枠750時間を差し引くと課金対象 = 1,460 − 750 = 710時間
  • 課金額の計算例(例として1時間あたり0.01ドルと仮定)
    • 710時間 × 0.01ドル = 7.10ドル

2) Amazon OpenSearch Service の例

  • 前提:t3.small.searchインスタンスを3台、1ヶ月稼働
  • 合計稼働時間 = 730時間 × 3台 = 2,190時間
  • 課金対象 = 2,190 − 750 = 1,440時間
  • 料金はインスタンス種別ごとに異なるため、実際は各時間単価を掛けて合計します。

3) ストレージ超過の例

  • 無料ストレージは10GBまで。例:15GB使用した場合
  • 超過分 = 15GB − 10GB = 5GB
  • ストレージはGB-月単位で従量課金されます(例:1GBあたり0.10ドルと仮定)
  • 5GB × 0.10ドル = 0.50ドル

4) 合計請求の考え方

  • 複数サービスを使う場合は、それぞれの超過分を合算して請求されます。
  • 実際の単価はリージョンやインスタンスタイプで異なりますので、請求前に料金表で確認してください。

主な無料枠対象サービス一覧

主な無料枠対象サービスは以下の通りです。各項目で対象範囲、使い方の例、注意点を簡潔に説明します。

  • Amazon EC2(t2.micro / t3.micro:月750時間)
  • 意味:1台のマイクロインスタンスを1ヶ月ほぼ常時稼働できます。
  • 例:小規模なWebサーバーや開発環境に向きます。
  • 注意:複数インスタンスを起動すると超過します。ストレージ(EBS)やデータ転送は別途課金です。

  • Amazon S3(標準ストレージ 5GB)

  • 意味:オブジェクト保存で5GBまで無料で使えます。
  • 例:静的ファイルやバックアップの保存に便利です。
  • 注意:リクエスト数や転送量は別料金となる場合があります。

  • Amazon RDS(月750時間のデータベース)

  • 意味:単一のマネージドDBインスタンスを1ヶ月稼働できます。
  • 例:MySQLやPostgreSQLの小規模テスト環境に適します。
  • 注意:ストレージやスナップショット、IOは追加費用が発生します。

  • Amazon OpenSearch Service(月750時間+10GBストレージ)

  • 意味:1台分の検索用インスタンスと10GBのストレージが無料枠に入ります。
  • 例:ログ検索や検索機能の評価に使えます。
  • 注意:データ投入量やレプリケーションで超過しやすいです。

  • Amazon API Gateway(月100万回のAPIコール)

  • 意味:API呼び出しの回数に対する無料枠です。
  • 例:低トラフィックのAPIや開発段階のテストに向きます。
  • 注意:バックエンドサービスの処理やデータ転送は別途課金です。

  • 無期限無料枠の例:DynamoDB・Lambda・CloudFrontなど

  • 意味:特定の使用量までは期限なく無料です。
  • 例:サーバーレス関数の軽い処理や、CDNの小規模配信などに便利です。
  • 注意:無料枠の範囲を超えると課金されます。

利用状況はAWSの請求ダッシュボードでこまめに確認してください。

無料枠の活用ポイント

無料枠を最大限に生かすコツを、実例を交えてわかりやすく解説します。

1) まず目的を決める

学習用、検証用、短期的な負荷試験など用途を明確にします。例えば「新機能の動作確認」なら短時間で済むため無料枠で十分です。

2) 利用状況の監視を必須にする

請求ダッシュボードやCloudWatchで利用状況を監視し、料金アラームを設定します。これで無料枠を超えそうなときに通知を受け取れます。

3) 小さな構成で試す

対象インスタンスやストレージの上限内に収まるよう、小さいスペックで構築します。ローカル環境やDockerで先に動作検証すると無駄を減らせます。

4) 自動化で無駄を省く

インスタンスの自動停止/起動スケジュールや簡単なスクリプトで稼働時間を制限します。未使用のボリュームやスナップショットは定期的に削除しましょう。

5) チーム運用の工夫

タグ付けで所有者を明確にし、アクセス権を制限します。共有アカウントより個別管理にすると責任が明確になります。

6) 事前に条件を確認する

各サービスの対象インスタンスやストレージ容量など条件を把握して計画を立てます。これにより想定外の課金を防げます。

まとめ:AWS 750時間無料枠の賢い使い方

AWSの「750時間無料枠」は、学習や検証にとても役立ちます。主要サービスを実際に動かして操作感をつかめるため、まずは気軽に試してみてください。

賢く使うためのポイント

  • 対象条件を確認する:無料枠は対象となるインスタンスタイプやストレージ容量、利用期間などに条件があります。契約時に内容を必ず確認してください。
  • 利用状況を常に監視する:請求ダッシュボードやアラームを設定して、超過が発生したらすぐ分かるようにします。アラームは少ない手間で大きな安心を生みます。
  • 必要ないときは停止・削除する:検証が終わったらインスタンスを停止または削除し、不要なボリュームやスナップショットも削除してください。自動で残ると課金が続きます。
  • 小さく始める:学習時は最低限の構成で試すとコスト管理が簡単です。負荷が上がれば段階的に拡張しましょう。

実践チェックリスト(短い)

  • 無料枠の対象サービス・期間を確認
  • 請求アラートを設定
  • 定期的に未使用リソースを削除
  • タグ付けで管理を楽にする

無料枠を正しく理解して使えば、安心してAWSを学べます。不要な課金を避けつつ、実際の操作でスキルを身につけてください。

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