はじめに
この記事の目的
本記事は、WordPressのバージョン5.5以降に標準搭載されたXMLサイトマップ機能について、分かりやすく解説することを目的としています。初心者でも扱えるように、出力場所や特徴、プラグインとの違い、実際の確認・利用手順などを順を追って説明します。
想定読者
- ブログやサイトを運営している方
- SEOの基本を学びたい方
- これからWordPressを使う予定の方
専門用語が苦手な方にも配慮して書いていますので安心して読み進めてください。
この記事で学べること
- 標準XMLサイトマップが何かを簡単に理解できます
- 出力場所やURLの確認方法がわかります
- プラグインとの違いや併用時の注意点が分かります
- 実際にサイトマップを確認する手順を学べます
読み進め方
続く章では、基礎から実践まで順に解説します。まずは次の章で「WordPress標準XMLサイトマップとは」を確認してください。
WordPress標準XMLサイトマップとは
概要
WordPressはバージョン5.5以降、標準でXMLサイトマップを自動生成します。XMLサイトマップとは、サイト内のページや投稿の一覧を機械が読み取りやすい形でまとめたファイルです。検索エンジンのクローラー(検索結果を作るためにページを巡回するプログラム)が効率よくサイトを見つけ、内容を理解する手助けをします。
含まれるもの(例)
- 投稿(ブログ記事)
- 固定ページ(お問い合わせページなど)
- カテゴリーやタグのアーカイブ
- 日付や著者アーカイブ(設定による)
具体例として、「/posts/」にある全記事や「/about/」という固定ページが一覧化されます。
なぜ重要か
サイトマップがあると、検索エンジンがサイト構造を把握しやすくなります。特に新しいページや内部リンクが複雑なサイトでは、インデックスの促進に役立ちます。とはいえ、サイトマップがあっても自動的に検索順位が上がるわけではありません。検索エンジンはコンテンツの質も評価します。
一般的な注意点
標準機能は初心者にも使いやすく、追加設定が不要です。プライベートやパスワード保護されたページは通常含まれません。より詳細な制御が必要な場合は、プラグインの併用を検討してください(第5章で詳述します)。
標準XMLサイトマップの出力場所とURL
基本の出力場所
WordPress標準のXMLサイトマップは、サイトのルート直下に”wp-sitemap.xml”というファイル名で表示されます。たとえばサイトがhttps://example.comの場合、URLは
となります。ブラウザや検索エンジンがこのURLにアクセスすると、WordPressが動的に生成したサイトマップ(インデックス)が返ります。
サブディレクトリにインストールした場合
WordPressをサブディレクトリ(例: /blog)に設置した場合は、そのディレクトリ直下に生成されます。例:
このようにインストール先に応じてURLが決まります。
表示内容と振る舞い
wp-sitemap.xml自体はインデックス形式で、投稿用・固定ページ用・カテゴリ用など複数の個別サイトマップへのリンクを含みます。リンク先は例として”post-sitemap.xml”や”page-sitemap.xml”のようになります。これらはアクセスごとにWordPressが動的に生成します。
実際に確認する方法(簡単)
ブラウザで/wp-sitemap.xmlへアクセスするだけで確認できます。見えにくければ、XMLビューアや検索コンソールに登録して中身を確認してください。
注意点
URLはサイトのルート設定やHTTPSの有無、サブディレクトリの位置で変わります。キャッシュやリダイレクト設定があると本来の場所へ届かない場合があるので、その点はご注意ください。
標準XMLサイトマップの特徴
主な特徴
- 追加設定不要で自動有効化: WordPress 5.5以降はプラグインを入れなくても初期で有効になります。導入作業が不要なので、すぐに使えます。
- サイト公開直後から利用可能: 新しくサイトを公開しても、投稿や固定ページを公開すると自動でサイトマップに反映されます。SEO対策の初期段階に便利です。
内容の自動更新
- 投稿・固定ページ・カテゴリー・タグ・著者別など、サイト内の構成に合わせて動的に更新されます。例えば新しい記事を公開すると、別途操作せずサイトマップに追加されます。
- 各URLには最終更新日時(lastmod)が付与され、検索エンジンが更新を検知しやすくなります。
仕組みと運用のヒント
- サイトマップはインデックス(例: /wp-sitemap.xml)と複数のサブサイトマップに分かれて生成されます。物理ファイルではなく動的に生成されるため、ファイル管理は不要です。
- Google Search ConsoleにはトップのサイトマップURL(/wp-sitemap.xml)を登録すれば連携できます。登録後は検索エンジンが自動的に更新情報を収集します。
実用上のポイント
- プラグインを入れなくても基本的な検出・更新はカバーします。特に立ち上げ直後のサイトやシンプルな構成のサイトでは手軽で効果的です。
プラグインとの違いと併用時の注意点
概要
WordPress本体のXMLサイトマップは基本的な構造を自動で出力します。一方、Yoast SEO、All in One SEO、Google XML Sitemapsなどのプラグインは、より細かな設定や除外ルールを持ちます。複数のサイトマップ機能が同時に動作すると競合し、wp-sitemap.xmlが無効化されたり404になることがあります。
よくある競合と原因
- プラグイン側が本体のサイトマップを無効化するフィルターを入れている。
- キャッシュやリライトルールの影響で古いURLが残る。
- テーマやfunctions.phpでサイトマップ出力を上書きしている。
トラブル時の対処手順(簡単な順)
- プラグインのサイトマップ機能設定を確認し、必要ならオフにする。
- wp-sitemap.xmlを確認。404なら一時的にプラグインを停止して再確認する。
- キャッシュプラグインやサーバーキャッシュをクリアする。
- パーマリンク設定で「変更を保存」をクリックしてリライトルールを更新する。
- テーマを切り替えて動作を確認。functions.phpでサイトマップを無効化している場合は編集が必要です。
どちらを使うべきか
基本的な運用なら本体のサイトマップで十分です。詳細な除外や更新頻度の細かな調整が必要な場合は、専用プラグインを使うと便利です。しかし、プラグインを使う際は一つの機能に絞り、二重出力や無効化がないか確認してください。
最後に
サイトマップは検索エンジンにとって重要です。プラグインと本体のどちらを利用するか決めたら、必ず動作確認とキャッシュのクリアを行ってください。
標準XMLサイトマップの確認・利用手順
以下は、WordPress標準XMLサイトマップを確実に確認・利用するための実務的な手順です。初心者の方でも分かるように具体例を添えて説明します。
1) WordPressバージョンを確認する
– 管理画面にログインし、ダッシュボード下部や「更新」画面でバージョンを確認します。
– 例: 「WordPress 5.8.1」と表示されればOK。5.5以上で標準機能が動作します。
2) サイトマップ表示を確認する
– ブラウザでサイトURLの末尾に「/wp-sitemap.xml」を付けて開きます。例: https://example.com/wp-sitemap.xml
– サイトマップのインデックス(投稿、固定ページ、カテゴリーなどの一覧)が見えれば正常です。404や空欄ならテーマやプラグインでブロックされている可能性があります。
3) Google Search Consoleに登録する
– Search Consoleで該当サイトのプロパティを選び、「サイトマップ」メニューを開きます。
– 新しいサイトマップ欄に「wp-sitemap.xml」と入力して送信します。送信後はステータス(成功・エラー)を確認してください。
4) プラグイン併用時の扱い
– プラグイン(例: SEO系)が独自サイトマップを出す場合、どちらを優先するか方針を決めます。
– 重複を避けるため、片方のサイトマップだけをGSCに登録するか、プラグイン側で出力対象を絞ります。
– robots.txtで優先するサイトマップを明示すると分かりやすくなります。
運用のコツ: 変更したら必ずGSCで再送信し、クロールエラーや送信状況を定期的に確認してください。
標準XMLサイトマップの制限と今後の展望
主な制限点
- 細かな除外や個別指定ができない:特定の投稿だけ除外したり、あるカテゴリーだけ含めないといった細かいルールを設定できません。例:特定のキャンペーンページだけ除外する、下書き扱いの投稿を除外するといった操作が難しいです。
- 高度なメタ情報が不足:画像や動画の詳細情報、言語別の扱い(多言語サイト向け)などが十分ではありません。
- 大規模サイトでの運用負荷:数万〜数十万URLを持つサイトでは、分割や最適化を細かく制御できないため運用が面倒になります。
今後の展望と対策
- コアの改善余地:WordPress本体は段階的に機能を拡張する傾向があります。将来的にフィルターやフックで柔軟性が増す可能性があります。
- プラグインとの併用が現実的:細かい制御が必要な場合は、信頼できるSEOプラグインを導入するのが手っ取り早いです。小規模サイトやシンプルな構成なら標準機能だけで十分に効果を得られます。
- 実務上の対応例:まず標準サイトマップを有効にしてGoogle Search Consoleで問題を確認します。必要に応じてプラグインで特定ルールを追加し、変更後は再送信して動作を検証してください。
以上を踏まえ、運用規模と目的に合わせて標準機能とプラグインを使い分けることをおすすめします。
まとめ・おすすめの運用方法
初心者や小規模のブログ・サイトなら、まずはWordPressの標準XMLサイトマップをそのまま使うことをおすすめします。設定が不要で自動的に更新されるため、手間をかけずに検索エンジンにページを伝えられます。
■ どのように使い分けるか
- 小規模・更新頻度が低いサイト:標準機能で十分です。設定やメンテナンスの負担が少ないのが利点です。
- 大規模サイトや細かい制御が必要な場合:SEO系プラグイン(例:Yoast、Rank Mathなど)を検討してください。カスタム投稿、優先度や更新頻度の細かい指定、画像・動画の詳細出力などが必要なときに役立ちます。
■ 外部ツールへの登録と確認
- Google Search ConsoleやBingのサイト管理ツールにサイトマップURLを登録してください。登録後はエラーや送信数を定期的に確認します。重要なページを追加したときは、その都度インデックス登録をリクエストできます。
■ 実務的なチェックリスト(短く)
- サイトマップURLをSearch Consoleに登録する
- robots.txtでサイトマップが指していることを確認する
- noindexの誤設定や重複URLがないかを点検する
- 大幅な構成変更の際はプラグインで細かい制御を検討する
- 定期的にSearch Consoleのエラーを確認する
標準機能は便利ですが、サイト規模やSEOのこだわりに応じてプラグインと使い分け、外部ツールでの管理を忘れず行ってください。