初心者でも簡単!webサイトの重さを正確にチェックする方法

目次

はじめに

本記事の目的

この連載では、Webサイトの「重さ」(ページのデータ容量や表示速度)を計測・チェックし、改善する方法を丁寧に解説します。数字の見方や原因の見つけ方、具体的な軽量化の手順まで、実務で使える内容を中心に扱います。

誰に向けているか

主にWeb担当者や開発者、サイト運営者向けです。専門用語は必要最小限に抑え、初心者でも理解できるよう具体例を交えて説明します。

この記事を読むことで得られること

ページの「重さ」がサイトの使いやすさや集客にどう影響するかが分かります。実際に測定する手順や、問題を見つけて対処する方法を身につけられます。

読み方の案内

第2章以降で「重さの定義」「チェック方法」「原因」「最適化」「定期チェック」「便利な無料ツール」を順に解説します。気になる章から読んでも問題ありません。必要に応じて実際のツール画面を見ながら進めてください。

Webサイトの「重さ」とは?なぜ重要なのか

「重さ」の意味

Webサイトの「重さ」とは、主にページのデータ容量(KBやMB)と表示・読み込みにかかる時間を指します。写真や動画、広告、外部のスクリプト、フォントなどが増えるとページは重くなります。考え方は荷物の重さに似ており、重いほど運ぶ(表示する)のに時間がかかります。

なぜ重要なのか

表示が遅いとユーザーは待てずに離れてしまいます。結果として直帰率が上がり、商品購入や問い合わせといったコンバージョンが下がります。検索エンジンも表示速度を評価に使うため、遅いサイトは検索で不利になります。特にスマホ利用者や通信環境が弱い場所では影響が大きくなります。

どのように影響するか(具体例)

  • 画像を最適化していないとページ容量が大きくなり、読み込みに時間がかかります。
  • 無駄な外部スクリプトが多いと表示が遅れ、ユーザーが操作を始められません。
  • 動画や大きな広告はデータ通信量を増やし、閲覧中の負担が増えます。

簡単な指標の紹介

  • ページサイズ(KB/MB):ファイル総量の目安です。
  • 読み込み時間(秒):実際に表示されるまでの時間です。
  • 主要コンテンツ表示時間:ユーザーが必要な情報を見られるまでの時間(専門用語では指標として扱われます)。

重さを意識すると、ユーザーの満足度とサイトの成果が良くなります。次章では具体的な調べ方を紹介します。

Webサイトの重さを調べる方法

以下では、手軽にできる2つの調べ方を具体的に説明します。

1) ブラウザの開発者ツールを使う

  • 開き方:ChromeやEdgeではF12キー、またはメニュー→「開発者ツール」を選びます。
  • Networkタブを選んでページをリロードします。通信ごとのファイルサイズや読み込み時間が一覧で表示されます。
  • 見るポイント:画面下部の合計転送量(Total)とリクエスト数、Size列やWaterfall(タイムライン)でどのファイルが大きいか・遅いかを確認します。
  • 応用例:キャッシュを無効にして実行すると初回訪問時の重さを実測できます。モバイル回線の速度(Throttling)を設定して実際のユーザー環境も想定できます。

2) 専用ツール・Webサービスを使う

  • Google PageSpeed Insights:モバイル・PC別の解析とCore Web Vitalsの評価が見られます。実際のフィールドデータとラボデータを比較できます。
  • GTmetrix:読み込みのウォーターフォールや個々の改善アドバイスが分かりやすいです。
  • Pingdom:読み込み時間やパフォーマンススコアを手早くチェックできます。
  • Googleアナリティクス:実際の訪問ユーザーのページ速度(Behavior→Site Speed)を把握できます。

どの方法でも、複数回・異なるページで計測することが大切です。特に大きな画像や重いスクリプトが原因になりやすいので、まずは転送量の上位を優先して確認してください。

Webサイトが重くなる主な原因

1. 画像・動画関連

画像や動画のファイルサイズが大きいと、ページの読み込みに長時間かかります。高解像度のまま表示サイズを縮めるだけだと無駄な読み込みが発生します。未圧縮の動画や大量のサムネイルも負担になります。

2. JavaScript・CSSの量と肥大化

多くのスクリプトやスタイルシートを読み込むと通信回数が増えます。不要なライブラリをそのまま使うとファイルサイズが大きくなり、実行にも時間がかかります。併せて、レンダリングを遅らせるブロッキングスクリプトがあると表示が遅くなります。

3. サーバー側のレスポンス遅延

サーバーの処理が遅かったり、ホスティングの性能が低いと初回応答が遅れます。データベースのクエリが多いページや混雑時の帯域も影響します。

4. 外部リソースの多さ

広告や埋め込みウィジェット、外部フォント、解析ツールなどは外部サーバーへアクセスします。これらが多いと全体の読み込み時間が伸びます。

5. その他の要因

プラグインや不要なリダイレクト、複数の大きなフォントファイル、キャッシュ設定の不備も原因になります。まずは各要因を一つずつ確認し、優先順位を付けて対処することをおすすめします。

Webサイトの重さを最適化・軽量化する方法

はじめに

ページ表示速度を上げるには、目に見える重い要素を順に軽くするのが有効です。ここでは実践しやすい対策を具体例とともに紹介します。

1) 画像の圧縮・最適化

  • サイズを適切にする:表示領域が800pxなら横幅をその程度に縮小します。無駄に大きな画像は避けます。
  • 圧縮ツールを使う:TinyPNGのようなサービスでファイルサイズを下げます。
  • 近代フォーマットを使う:WebPなどに変換すると軽くなることが多いです。
  • レスポンシブ画像:srcsetで端末に合わせた画像を配信し、lazy loadingで画面外画像は遅延読み込みします。

2) 動画の扱い

  • 埋め込みは外部サービスを利用:YouTubeやVimeoにアップして埋め込むと自サーバー負荷を減らせます。
  • サムネイル表示から読み込む:最初は静止画やプレースホルダーを表示し、再生時に読み込む方法が有効です。

3) JavaScript・CSSの軽量化

  • 不要コードを削除:使っていないプラグインやスクリプトを外します。
  • Minifyと圧縮:ファイルを短くして転送量を減らします。
  • 遅延読み込み:非表示部分のスクリプトはdeferやasync、ダイナミックインポートで後回しにします。
  • 重要なCSSだけを先に読み込む:クリティカルCSSをインライン化し、残りは遅延で読み込みます。

4) キャッシュとCDNの活用

  • ブラウザキャッシュを設定する:静的ファイルに適切なキャッシュ期限を設けます。
  • CDNを使う:地域ごとに配信サーバーを使うと読み込みが速くなります。

5) サーバーの見直し

  • 圧縮とプロトコル:gzipやBrotli圧縮、HTTP/2やHTTP/3を有効にします。
  • サーバー性能の確認:レスポンスが遅ければスペックアップや高速なホスティングに移行を検討します。

実践の順番(優先度)

  1. 画像最適化→2. キャッシュ/CDN→3. 不要スクリプト除去とminify→4. 動画の扱い見直し→5. サーバー調整

これらを段階的に行えば、効果を見ながら無理なく軽量化できます。

Webサイトの重さ定期チェックのすすめ

なぜ定期チェックが必要か

Webサイトは作って終わりではありません。ページ追加や画像の増加、プラグイン更新で重くなります。定期的に測定することで、表示遅延による離脱や検索順位低下を未然に防げます。

チェックのタイミング

  • ページを新しく公開したとき
  • 大きなリニューアルや画像・動画を追加したとき
  • 月に1回程度の定期点検(目安)

簡単なチェック項目(初心者向け)

  • ページ読み込み時間(1番分かりやすい指標)
  • ページの総データ量(MB)とリクエスト数
  • スマホでの表示確認(回線が遅い環境も想定)

実際の運用フロー

  1. 自動計測ツールで定期レポートを取得
  2. 異常があれば対象ページを特定
  3. 画像圧縮や不要スクリプトの削除で改善
  4. 変更を記録して効果を追う

続けるコツと注意点

  • ひとつずつ改善項目を実施して効果を測る
  • 大幅な改変前にベンチマークを取る
  • 過度に最適化して表示品質を落とさないよう注意

定期チェックを習慣にすると、ユーザーの満足度とSEOの安定に繋がります。まずは月1回から始めてみてください。

おすすめの無料チェックツールまとめ

ここでは手軽に使える無料の速度チェックツールを紹介します。用途ごとに使い分けると効率的です。

Google PageSpeed Insights(公式・改善案表示)

URLを入れるだけでモバイルとPCのスコアを出し、具体的な改善案を提示します。例えば「画像を圧縮する」「遅延読み込みを導入する」といった項目が分かりやすく表示されます。使い方は簡単で、サイトのURLを入力して分析ボタンを押すだけです。

GTmetrix(ビジュアルで詳細分析)

読み込みのタイムラインや“ウォーターフォール”と呼ばれる読み込み順のグラフを見られます。どのファイルがいつ読み込まれているか視覚的に把握できるので、重たい要素を特定しやすいです。無料プランでも基本的な分析は十分役立ちます。

Pingdom(ユーザー視点で容量と速度測定)

複数のテスト地点から速度を計測でき、ページ全体のサイズやリクエスト数も確認できます。実際のユーザーに近い見え方で速度をチェックしたいときに便利です。

Googleアナリティクス(実運用データで比較)

実際の訪問者がどれくらいでページを読み込んでいるかを見ることができます。改善の前後で比較するのに適しており、長期的な効果確認に役立ちます。設定が必要ですが運用サイトには重要です。

使い分けのコツ:まずPageSpeedで基本の改善点を把握し、GTmetrixで読み込みのボトルネックを視覚的に確認、Pingdomで地域差やページサイズをチェック、実運用の比較はGoogleアナリティクスで行う、と段階的に使うと効率的です。どれも無料で試せますので、まず一つ試して改善を進めてみてください。

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