はじめに
「直帰率って何だろう」「GA4ではどう見るの?」といった疑問をお持ちではありませんか?
この記事は、Googleアナリティクス(特にGA4)での直帰率の意味や定義、計測方法、確認手順、活用の注意点までをわかりやすく解説します。Webサイト運営者やマーケターが、数値を正しく理解してサイト改善やレポート作成に活かせるようにまとめました。
この章でのポイント
- 記事の目的と読み方を簡単に説明します。
誰に向けた記事か
- ブログ運営者、EC担当、サイト改善を行う方。分析初心者でも読み進められる内容です。
この記事で学べること(全体の流れ)
- 直帰率の定義(第2章)
- UAとGA4の違い(第3章)
- GA4での確認方法(第4章)
- 平均値や改善のポイント(第5・6章)
まずは第2章で直帰率の基本を押さえていきましょう。
直帰率とは何か?その意味と定義
定義と計算式
直帰率(Bounce Rate)は、訪問者がサイトに入って最初の1ページだけ見て離れた割合を表す指標です。計算式は「直帰セッション数 ÷ 総セッション数 × 100」です。例えば200セッション中50が直帰なら直帰率は25%(50÷200×100)になります。
個別ページの直帰率
個別ページの直帰率は「そのページから始まったセッションのうち、そのページだけ見て離脱した割合」です。ランディングページごとに計測でき、入口ページの評価に役立ちます。
直帰が示すこと
直帰は必ずしも悪い指標ではありません。問い合わせ完了や外部サイトへの遷移、情報を一度読んで満足して離脱したケースもあります。逆に、期待と違う内容で離脱が多ければ改善点のサインです。
注意点と活用のヒント
直帰率はページの目的で評価基準が変わります。商品紹介や問い合わせページは低い方が望ましく、記事ページはやや高めでも問題ないことが多いです。まずはページの役割を明確にして、直帰率を他の指標(滞在時間やコンバージョン)と合わせて判断してください。
UAとGA4で異なる直帰率の定義
定義と計算式の違い
- UA(ユニバーサルアナリティクス): 「1ページのみ閲覧して離脱したセッション」の割合を直帰率と定義します。計算式は
- 直帰率 = 直帰セッション数 ÷ 総セッション数 × 100
- GA4(Google アナリティクス4): 「エンゲージメントのなかったセッション」の割合を直帰率と定義します。計算式は
- 直帰率 =(エンゲージメントなしのセッション ÷ 総セッション数)×100
またGA4では「エンゲージメント率(Engagement rate)」が表示され、直帰率は 100% − エンゲージメント率 でも求められます。
測定条件の具体例
- UAの例: ユーザーがページを開いて5秒で離脱しても、ページを1つしか見なければ直帰として数えます。
- GA4の例: 同じく5秒で離脱した場合、10秒以上閲覧・コンバージョン発生・2ページ以上閲覧のいずれかが満たされなければ「エンゲージメントなし」と判断され、直帰扱いになります。逆に単一ページでも12秒滞在すればGA4ではエンゲージメントありと判定され、直帰になりません。
表示場所と確認方法の違い(簡潔)
- UAは標準レポートに直帰率が表示されます。
- GA4は標準のレポートに直帰率を表示しないため、探索(Explorations)やカスタム指標で確認します。
実務での注意点
- 数値は直接比較できません。UAの直帰率とGA4の直帰率は測り方が違うため、移行時は同一基準での評価が必要です。
- GA4では「エンゲージメント」を意図的に計測できるイベント(スクロールやクリックなど)を設定すると、より実態に近い評価になります。ただし、イベントの設定次第で直帰率が大きく変わる点に注意してください。
GA4で直帰率を確認する方法(画面手順付き)
概要
GA4では標準レポートに直帰率が無い場合があり、「探索」やカスタムで確認します。ここでは探索を使った具体的な手順と、標準レポートに直帰率を追加する方法を画面操作ベースで説明します。
探索で直帰率を見る手順(画面操作)
- GA4にログインします。
- 左メニューの「探索」をクリックします。
- 「新しい探索」→「空白」を選びます。
- 右側の設定で「指標」を開き、「+」を押して「直帰率」を検索して追加します。
- 必要に応じて「ディメンション」(例:セッション、ページタイトル、ページパス)も追加します。
- 追加したディメンションや指標をレイアウト(表や縦棒など)へドラッグ&ドロップして表示します。
- 日付範囲やフィルタを設定して条件ごとの直帰率を確認します。
標準レポートで直帰率を追加する方法
- 左メニューの「レポート」を開きます。
- 「ライブラリ」またはレポートのカスタマイズ編集を選びます。
- 編集画面で表示したいレポートを選び、「指標」に「直帰率」を追加して保存します。
補足ポイント
- 表示されない場合は指標一覧で検索してください。
- 比較したいセグメント(流入元やデバイスなど)を追加すると傾向が分かりやすくなります。
上記手順で直帰率を可視化できます。操作に迷ったら、該当画面のスクリーンショットを用意すると説明がスムーズです。
直帰率の平均値や目安、参考ポイント
業種ごとの目安
- コーポレートサイト:40〜60%が一般的です。企業情報をじっくり見るため離脱が少し多めになります。
- ブログ・情報サイト:70%前後になりやすいです。記事を読んで満足し離脱するケースが多いためです。
- EC・サービスサイト:30〜50%が目安。購買や申し込みを促すため直帰が低めになることが期待されます。
高い直帰率が必ず悪いわけではない理由
1ページで目的が達成される場合(電話番号確認、地図閲覧、クーポン表示など)は直帰率が高くても問題にならないことがよくあります。サイトの目的を見直して評価してください。
参考にすべきポイント
- ページごと・流入元ごと・デバイス別で見ると実態が分かりやすくなります。
- 滞在時間やイベント(ボタンクリック、動画再生など)を合わせて確認すると評価が正確になります。
測定と改善のヒント
- 重要なアクションにイベントを設定して“本当に使われているか”を確認しましょう。
- 読みやすさ、内部リンク、読み込み速度、モバイル対応を改善すると直帰率が下がる場合が多いです。
直帰率活用の注意点と改善アドバイス
注意点
直帰率が高いからといって必ずしも悪いとは限りません。例えば問い合わせフォームだけのランディングページや外部リンクへ誘導する目的のページは直帰が高くなりやすいです。まずはページの目的とゴールを確認してください。
また、計測のズレにも注意が必要です。GA4では「エンゲージメント率」が重要指標となるため、直帰率だけで判断すると誤解が生じます。イベントが正しく送信されているか、ページビューの重複やタグの抜けがないかを確認しましょう。
改善アドバイス
- コンテンツの期待値を合わせる:検索キーワードや広告文とページ内容が一致しているか見直します。例)「価格」と謳っているのに価格が載っていないと離脱しやすいです。
- ファーストビューを改善:重要な情報やCTA(行動を促す要素)を上部に置き、スクロールしやすいデザインにします。
- 内部リンクと関連記事:関連する記事やおすすめコンテンツを設置し、次の行動を促します。ボタンやテキストリンクをわかりやすくします。
- 表示速度改善:画像最適化、キャッシュ設定、不要なスクリプト削除で読み込みを速くします。モバイルは特に優先してください。
- ターゲット見直し:流入元ごとにユーザー層を分析し、コンテンツを最適化します。SNSはカジュアル、検索は情報重視など戦略を分けると効果的です。
GA4での活用ポイント
GA4のエンゲージメント率やイベント(スクロール、クリック、滞在時間)を併用して、多角的に判断します。セグメント別に直帰やエンゲージメントを比較し、改善施策の効果を検証する習慣をつけると良いです。
実践チェックリスト(優先順)
- ページ目的の再確認
- 流入元別の挙動確認
- 表示速度測定と改善
- ファーストビューとCTAの見直し
- 内部リンクの設置
- イベント計測の整備(GA4)
これらを順に試し、少しずつ数値とユーザーの反応を見ながら改善を進めてください。
まとめ
ここまでのポイントを簡潔に振り返ります。
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直帰率の定義(GA4視点): 直帰率は「エンゲージメントのないセッションの割合」です。つまりサイトで1ページだけ見て離脱したユーザーの比率を表します。
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UAとの違い: UAはページビュー中心で直帰率を計算しましたが、GA4はエンゲージメントを基準にしています。両者の数値は直接比較できません。
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GA4での確認方法: 『探索』やカスタムレポートで「エンゲージメントなしセッション」を見る必要があります。イベントや滞在時間の計測設定も重要です。
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解釈のコツ: サイトの目的(情報提供、EC、問い合わせなど)や業界特性で目安が変わります。直帰率だけで判断せず、エンゲージメント率やコンバージョンと併せて分析してください。
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改善の優先順位: ①重要ページの改善(内部リンク・CTA・読みやすさ)、②計測の見直し(イベント追加・滞在時間計測)、③仮説検証(A/Bテスト)。小さな改善を継続して効果を確認しましょう。
最後に、直帰率は単独ではなくサイト目的に合わせて活用します。まずは改善したいページを絞り、測定→施策→検証を繰り返すことをおすすめします。