はじめに
ブログの記事をどう書けばいいかわからない」「ホームページを作りたいけれど何から始めればいいかわからない……」という不安はありませんか? 本書は、初心者が迷わずホームページを作れるように、目的設定から公開後の運用までをわかりやすく整理した入門ガイドです。
対象となる方
- 初めてホームページを作る個人や小規模事業者
- WordPressでの制作を検討している方
- 制作後のSEOや運用が不安な方
本書の特徴
- 実際の手順を具体的に示します。スクリーンショットやコードは最低限にし、手順を丁寧に説明します。
- WordPressを中心に解説しますが、ホームページ作成の基本は他の方法にも応用できます。
この章で得られること
この「はじめに」を読めば、本書の全体像と読み進め方、準備しておくと便利なもの(パソコン、インターネット接続、メールアドレスなど)がわかります。次章以降で、目的の決め方、制作方法の選び方、実際の制作手順、SEO対策、運用まで順を追って学べます。安心して読み進めてください。
ホームページを作る目的を明確にする
なぜ目的を決める必要があるか
ホームページ作成の第一歩は目的をはっきりさせることです。目的が曖昧だと、どの情報を優先するか、どんなデザインや機能を入れるか決めにくくなります。目的を決めることで、効果的なサイト設計と運用ができます。
よくある目的と具体例
- 集客:来店や問い合わせを増やす(例:クーポンや予約ボタンを目立たせる)
- 信頼獲得:会社情報や実績を詳しく載せる
- 採用:求人情報や働く雰囲気を伝える
- 販売:商品ページや決済導線を整える
- 情報発信:ブログで専門知識を定期的に発信する
ターゲットを決める
誰に見てほしいのかを具体的にしましょう。年齢層、地域、ニーズなどを想定すると、言葉遣いや写真、導線が決まります。
目標を数値で決める(KPI)
「問い合わせを月20件」など具体的な目標を決めます。数値があると改善の効果が測れます。
目的に合わせた機能を選ぶ
目的に応じて必要な機能(問い合わせフォーム、予約システム、ECカート、ブログなど)を絞り込みます。余分な機能は運用コストを上げます。
競合を参考にする方法
似た業種のサイトを3〜5件見て、良い点と真似したい点、改善できる点を書き出します。参考にすることで、情報の抜けや伝え方が見えてきます。
簡単なチェックリスト(次のステップ)
- 目的を1文で書く
- ターゲットを具体化する
- KPIを設定する
- 必要な機能をリスト化する
- 競合を3件調べる
この章を終えれば、ホームページ制作の軸が明確になり、次の段階へスムーズに進めます。
ホームページを作る方法の選択
はじめに
ホームページ制作には大きく分けて三つの方法があります。目的や予算、技術レベルに合わせて選びましょう。
1. WordPress(自作)
- 特徴:レンタルサーバーとドメインを用意してWordPressを入れる方法です。
- 長所:自由度が高く、機能を追加しやすい。費用を抑えられる場合が多い。
- 短所:初期設定や更新・バックアップなどの管理が必要。少し学習が要ります。
- 向く人:将来的に拡張したい人、コストを抑えつつ柔軟に運用したい人。
2. ホームページ作成ツール(Wix、Jimdoなど)
- 特徴:ブラウザ上でテンプレートを選び、ドラッグ&ドロップで作れます。
- 長所:専門知識が不要で短時間に公開できる。無料プランもあり手軽です。
- 短所:カスタマイズに制限があり、独自機能の追加が難しい場合があります。
- 向く人:初めてで簡単に始めたい個人や小規模ビジネス。
3. HTML/CSSで手作り
- 特徴:自分でコードを書いて作る方法です。
- 長所:細部まで自由にコントロールできます。
- 短所:学習コストが高く、公開まで時間がかかります。
- 向く人:デザインや動作を完全に自分で作りたい人、学習目的の人。
選び方のポイント
目的と予算、時間、将来の拡張性を比べて決めてください。例えば、時間がないなら作成ツール、将来の拡張を考えるならWordPress、学習や細部の自由度を重視するなら手作りがおすすめです。
実際のホームページ制作手順
以下では、WordPressを使った具体的な手順をわかりやすく説明します。準備から公開まで、順を追って進めましょう。
準備:目的と素材をそろえる
- 目的(集客/紹介など)とターゲットを明確にします。
- ロゴ、写真、文章(会社情報やサービス説明)を用意します。
1. 独自ドメインを取得する
- 覚えやすく短い名前を選びます。
- 取得業者(例:お名前.comなど)で入手します。
2. レンタルサーバーを契約する
- 初めてなら共有サーバーで十分です。WordPress簡単インストール対応を選ぶと楽です。
- SSL(https)対応か確認します。
3. WordPressをインストールする
- サーバーの自動インストールを使えば数分で導入できます。
- 初期テーマを選び、必要なプラグイン(セキュリティ・バックアップなど)を入れます。
4. ページ・コンテンツを作成する
- 必須ページ:トップ、会社(またはプロフィール)、サービス、問い合わせ、プライバシーポリシー。
- 見出しを分かりやすく、画像は軽く最適化します。スマホ表示を必ず確認してください。
5. 公開と最終チェック
- ドメインとサーバーのDNSを設定して反映を待ちます。
- SSLが有効か、リンクやフォームが正常に動くか確認します。
- Google Search Consoleやアクセス解析を登録します。
制作後は定期的に更新とバックアップ、セキュリティ対策を行ってください。
ホームページが検索で表示されるためのSEO対策
検索キーワードを選ぶ
見てもらいたい言葉(キーワード)を決めます。例:「渋谷 カフェ 営業時間」「猫と入れる カフェ」など具体的に。競争が激しい単語より、目的に近い複合語(ロングテール)を狙うと効果が出やすいです。
タイトルと説明文(meta description)
ページのタイトルに主要キーワードを入れ、先頭に近い位置に置きます。説明文は120〜160文字程度で内容を短く伝え、行動を促す文を入れます。例:
– タイトル:渋谷の落ち着くカフェ|営業時間・メニュー
– 説明:渋谷駅近くの落ち着くカフェ。営業時間や人気メニュー、予約方法を写真つきで詳しく紹介します。
ページ内容を充実させる
見出し(H1,H2)を使い分け、本文でキーワードを自然に繰り返します。画像にはalt属性を付け、ファイル名も分かりやすくします。URLは短く簡潔に(例:/shibuya-cafe-hours)。
サイト構造と内部リンク
カテゴリやメニューを整理して訪問者が迷わない構造にします。重要なページはトップから3クリック以内に届くようにし、サイトマップ(sitemap.xml)を作成して検索エンジンに知らせます。
表示速度とモバイル対応
スマホで表示が崩れないか確認し、画像圧縮や不要なスクリプト削減で表示速度を上げます。表示が遅いと検索順位に悪影響が出やすいです。
外部対策:GoogleビジネスプロフィールとSNS活用
店舗や事業がある場合はGoogleビジネスプロフィールを登録・最適化します。住所・電話番号はどこでも同じ表記にし、SNSでの発信やリンクで認知を広げます。
チェックリスト(すぐできること)
- キーワードを決める
- タイトルと説明文を設定する
- 見出しと本文を分かりやすく書く
- 画像にaltを付ける
- モバイル表示と速度を改善する
- Googleビジネスプロフィールを整える
これらを順に整えることで、検索で見つかりやすいホームページになります。
ホームページ作成時の注意点とコスト
コストの内訳
ホームページにかかる主な費用は「独自ドメイン」「レンタルサーバー(または有料プラン)」「制作・デザイン費」「保守運用費」です。目安として独自ドメインは年間約1,000〜3,000円、共有サーバーは月500〜2,000円、サイト制作を外注すると数万円〜数十万円かかります。簡単な自己制作なら制作費は抑えられます。
無料サービスの注意点
無料ツールは初期費用がかからず試しやすいです。ただし、独自ドメインが使えなかったり、広告が表示されたり、機能制限がある点に注意してください。将来プロとして使うつもりなら、早めに有料化を検討したほうが安心です。
デザインと使いやすさ
見た目だけでなく操作性も重要です。テンプレートを活用すると費用と時間を節約できますが、文字の大きさや色の対比、スマホでの見やすさは必ず確認してください。訪問者が目的の情報にすぐたどり着ける導線を意識しましょう。
セキュリティと運用
https化(通信の暗号化)は必須です。多くのサービスは無料のSSLを提供しますが、バックアップや更新は自分で管理する必要があります。定期的な更新やバックアップを怠ると改ざんや表示トラブルの原因になります。
予算の立て方と進め方
まず必要な機能を絞り、優先順位を決めてください。最初は低コストで始めてアクセスが増えたらプランを上げる方法が現実的です。外注時は見積もりを複数とり、保守費用も確認しましょう。余裕を持った予算と定期的なチェックを習慣にすることが大切です。
ホームページ公開後の運用と集客
定期的な情報更新とメンテナンス
公開したら終わりではありません。新しい情報や写真、商品・サービスの変更を定期的に反映してください。CMSを使えばブログやお知らせの更新が簡単です。プラグインやテーマの更新、バックアップ、セキュリティ確認も忘れずに行いましょう。
アクセス解析と改善
Google AnalyticsやSearch Consoleを導入し、流入元、滞在時間、直帰率を確認します。よく見られるページを改善し、離脱が多いページは導線(ボタンやリンク)を見直します。小さな仮説を立てて試し、結果を基に改善を繰り返すことが大切です。
コンテンツでの集客
読者の疑問に答える記事や利用事例、FAQを充実させると検索やSNS経由の流入が増えます。具体例を交えた記事は信頼を高め、問い合わせや申込みにつながりやすくなります。定期的に新しいコンテンツを追加しましょう。
SNS・メールでの外部対策
SNSで更新情報を告知したり、ブログ記事をシェアしたりして流入を増やします。メールマガジンやニュースレターでリピーターを育て、キャンペーン時は効果的です。リマーケティング広告で一度訪れた人に再アプローチする方法もあります。
運用の仕組み化とコスト管理
更新スケジュールや担当者リスト、チェックリストを作って作業を習慣化しましょう。外注するか内製するかは時間と予算で判断します。優先順位を決めて、まずはコンテンツと解析、最低限の保守を確実に行うことをおすすめします。
第8章: まとめ
ホームページ作りは「目的の明確化」→「方法の選択」→「制作」→「SEO対策」→「運用・集客」という流れで進めると失敗しにくいです。特に、誰に何を伝えたいのかを最初に決めることが成果につながります。
WordPressは手軽さと自由度、コストのバランスが良く、多くの用途でおすすめできます。ただし、テーマやプラグインの選定、更新やバックアップの運用は欠かせません。
実践のための簡単な行動リスト:
– 目的を一文で書く:提供する価値と対象を明確にします。
– 小さく始める:最初は必要なページだけ作り、徐々に拡張します。
– 検索される工夫を続ける:定期的にコンテンツを追加し、タイトルや説明を見直します。
– 効果を測る:アクセス解析で改善点を見つけます。
ホームページは作って終わりではなく、続けることで育ちます。焦らず、読者の役に立つ情報をコツコツ提供していきましょう。