CMS調査の基本と手順を徹底解説!初心者でもわかるCMS調査ガイド

目次

はじめに

インターネット上の多くのWebサイトは、何らかのCMS(コンテンツ管理システム)で作られています。CMSを知ることで、サイトの運用方法や更新の仕組み、弱点や改善点が分かり、より適切な対応ができます。

目的と読者

この章では、本シリーズの入口として「なぜCMS調査が役立つのか」をやさしく説明します。対象はサイト管理者、開発者、運用担当者、あるいは導入を検討している方です。専門知識がなくても読み進められるよう配慮しています。

この記事で学べること

後続の章では、ソースコードの確認方法やブラウザー拡張、専用ツールの使い方、調査結果の活かし方を順に解説します。ここでは全体像と注意点の概要を示します。

注意事項(重要)

調査は必ず自分が管理するサイト、または調査許可を得たサイトで行ってください。無断で行うと法的問題や迷惑を招く恐れがあります。

まずは全体像をつかみ、次章以降で具体的な手順を学んでいきましょう。

CMS調査の重要性と目的

概要

CMSはWebサイトの作成や更新を効率化する基盤です。他社や競合がどのCMSを使っているかを把握すると、自社の選定や改善方針に役立ちます。

なぜ重要なのか

  • 選定の判断材料になる:導入時のコストや運用負担を比較できます。例えば、WordPressは拡張性が高く、EC向けはShopifyが向くことが多いです。
  • 競合分析の精度が上がる:同じCMSを使うと更新速度やデザインの傾向が分かります。
  • 保守・セキュリティ対策に役立つ:使用CMSに応じた脆弱性対策やアップデート計画を立てやすくなります。

調査で得られる具体的な目的

  • 技術的適合性の確認(既存資産との相性)
  • 見積もり精度の向上(開発・運用コストの見積もり)
  • リニューアル方針の決定(テンプレートの再利用可否など)

活用例

  • 新規構築時の候補CMS絞り込み
  • 競合サイトの運用コスト推定
  • セキュリティ優先度の設定

調査前の心構え

調査は目的を明確にして進めます。何を比較したいか(コスト、拡張性、運用性など)を決めると、得られる情報が実務に直結します。

CMS調査の主な方法

WebサイトのCMSを調べる方法は大きく分けて2通りあります。ここではそれぞれの手順とポイントを分かりやすく説明します。

1. ソースコードから調べる方法

ブラウザでページを開き、右クリック→「ページのソースを表示」や開発者ツールを使います。探すべき主な目印は次のとおりです。
– タグ(例:”WordPress”と記載されることが多い)
– 画像やスクリプトのパス(例:/wp-content/ や /sites/default/ など)
– HTMLのコメントに残るCMS名やテーマ名
– ログインページや管理画面のURL(/wp-admin/ や /administrator/ など)
– robots.txt や readme.html に記載される情報
これらを組み合わせると高い確度で特定できます。カスタマイズされたサイトは見つけにくい点に注意してください。

2. 専用ツール・拡張機能を使う方法

オンラインサービス(例:BuiltWith、WhatCMS)やブラウザ拡張(例:Wappalyzer)を使うと短時間で判別できます。使い方は簡単で、サイトのURLを入力するか拡張を有効にしてページを開くだけです。結果には推定が含まれるため、ソースコードで裏取りすることをおすすめします。

おすすめの流れ

まずツールでざっと確認し、次にソースコードで確かめると効率的です。両方を併用すると誤検出を減らせます。調査時はサイトの利用規約やプライバシーに配慮してください。

ソースコードからCMSを調べる手順

準備

ブラウザで対象ページを開き、右クリック→「ページのソースを表示」またはCtrl+Uでソースを表示します。検索はCtrl+Fで行います。

基本の探し方(手順)

  1. metaタグを確認する
  2. のような表記があれば判定できます。
  3. パスやファイル名で検索する
  4. WordPress: “wp-content”, “wp-includes”, “wp-admin”
  5. Drupal: “/sites/default/”, “misc/drupal.js”
  6. Joomla: “/media/system/js/”, “templates/”
  7. JavaScript/CSSのパスを見る
  8. scriptやlinkタグのsrc/hrefにCMS固有のディレクトリが出ます。例: /wp-content/themes/…
  9. APIやエンドポイントを確認する
  10. WordPressなら”/wp-json/”、Drupalなら”/user/login”などのパターンも手掛かりになります。
  11. コメントやHTML内の注釈を探す
  12. 開発者コメントにCMS名やテーマ名が含まれることがあります。

実例検索キーワード(Ctrl+Fで使う)

wp-content, wp-includes, wp-admin, wp-json, /sites/default, misc/drupal.js, /media/system/js, templates, generator

注意点

  • テーマやプラグインでパスを書き換える場合があり、誤判定の可能性があります。複数の手掛かりを合わせて判断してください。
  • ソースが最適化・縮小化されていると判別しにくくなります。その場合は外部資源(CSS/JS)のURLを開いて確認します。
  • サイトがプロキシやCDNで配信されていると、オリジナルのパスが見えないことがあります。

ツール・拡張機能を使ったCMS調査

概要

Wappalyzer、WhatCMS、BuiltWithなどのオンラインツールやブラウザ拡張機能は、手軽にCMSを判定できます。調査ページを開いてアイコンをクリックするだけで、使用中のCMSやサーバー、使用言語などが分かる点が便利です。

主なツールと特徴

  • Wappalyzer(ブラウザ拡張): ページ上の技術をアイコンで表示。オフラインでも即時確認できます。
  • WhatCMS(オンライン): URLを入力して解析。簡単で初心者向けです。
  • BuiltWith(オンライン): 詳細なレポートを出します。商用利用にも適します。

使い方の手順(簡単)

  1. ブラウザに拡張機能を追加します(例: Wappalyzer)。
  2. 調べたいページを開きます。
  3. 拡張機能のアイコンをクリックし、表示内容を確認します。
  4. オンラインツールにURLを貼って詳細を取得します。

精度を上げるコツ

  • 複数ツールでクロスチェックすると誤判定を減らせます。
  • 管理画面のURLやフッター表記、ページソースのメタ情報と照らし合わせて確認してください。

注意点

  • 一部のサイトはカスタマイズや非公開設定で判定が難しいことがあります。拡張機能は補助ツールと考え、最終判断はソース確認などで裏付けを取ってください。

調査結果の活用ポイント

調査で判定したCMSやバージョンは、単なる情報にとどまりません。以下のように実務へつなげると、有効に役立てられます。

活用例と具体的手順

  • CMS選定の参考:既存の利点・欠点を比較できます。例えば「WordPressはプラグインが豊富だが、頻繁に更新が必要」という点を踏まえて、導入の可否を判断します。
  • 競合分析:競合サイトのCMS構成や機能から、採用している運用体制や強みを推測します。参考にして機能優先度を決めます。
  • サイトリニューアル・新規構築:実際の事例としてテンプレートやプラグインの構成を参考にし、実装工数の見積もりを行います。

セキュリティと運用面

  • バージョン把握は重要:特定バージョンに脆弱性がある場合、優先的に対策が必要です。公開されている脆弱性情報(例:CVE)を確認し、アップデート計画を立てます。
  • 運用体制の見直し:調査で見えた外部依存やカスタマイズ度合いから、保守担当や更新頻度を決めます。

実務での進め方(短い手順)

  1. 調査結果を一覧化して重要度ごとに分類
  2. セキュリティ・機能・コストの観点で優先順位を付ける
  3. 小さなテスト環境で移行や更新を検証
  4. 担当者と期限を決めて実行

上記を踏まえると、調査結果は単なる判定にとどまらず、実際の改善や意思決定に直結する資料になります。

注意点と補足情報

調査を進めるときは、外部から見える情報だけで判断する限界があることを念頭に置いてください。以下の点に注意すると安全で実用的な結果が得られます。

1) 完全な特定は難しい

ソースやディレクトリ検索で手がかりが見つからないことがあります。例えば、管理画面のパスを変えていたり、ヘッダやコメントを削除しているサイトもあります。したがって、100%の確定は難しいです。

2) 複数手法の組み合わせが有効

目視(HTMLのmetaやコメント)、特定ファイルやURLの確認、レスポンスヘッダやクッキーの確認などを組み合わせると精度が上がります。例:WordPressなら/wp-login.php、Joomlaなら/administrator、Drupalなら/user などを確認します。

3) 倫理・法令順守

外部調査でも攻撃的なスキャンや侵入は行わないでください。企業や運用者に無断で試験を行うと問題になります。必要なら事前に許可を得てください。

4) 情報の扱いに注意

脆弱性につながる可能性のある情報は適切に扱い、公開する場合は影響範囲や対処法も添えると安全です。

5) 実務的な補足

調査結果は証跡(スクショや取得日時、確認したURL)を残し、確度(高・中・低)を記録してください。これで後の判断がしやすくなります。

まとめ

CMS調査の要点をやさしくまとめます。

  • 基本はソースコード確認と専用ツールの併用です。ソースのメタ情報やファイル構成を見れば、使われているCMSやバージョンの手がかりが得られます。拡張機能やオンライン診断を使えば、技術知識が少なくても簡単に調べられます。

  • 調査で得た情報は幅広く役立ちます。競合サイトの分析、CMS選定、セキュリティ対策、運用コストの見積もりなどに活用できます。具体的な例として、使用プラグインの有無から機能差を判断したり、既知の脆弱性をチェックして優先対応を決めたりできます。

  • 調査時は正確に記録し、誤認や古い情報に注意してください。ツールは便利ですが完全ではないため、手動での確認を必ず組み合わせると信頼度が上がります。

まずは簡単なサイトで練習し、見つけた情報をリスト化してみてください。少しずつ経験を積むことで、効率よく正確なCMS調査が行えるようになります。

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